中古セレナe-POWER(C27型)vs中古ヴォクシーハイブリッド(80系)を徹底比較!

中古セレナe-POWER(C27型)vs中古ヴォクシーハイブリッド(80系)を徹底比較!

セレナとヴォクシーはミニバンの中でも人気の車種だ。それぞれ新型が発売されているが、納期が長期化している。そこで今回は中古車でのセレナ、ヴォクシーの先代モデルを徹底比較した。購入の参考にして欲しい。

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新車販売絶好調のMクラスミニバン!だが納期が超長期化

Mクラスミニバンは、流行りのSUVよりも売れている。ホンダ ステップワゴンは低迷中だが、日産 セレナ、トヨタ ヴォクシー/ノアの販売状況は、まさに絶好調といえる。2023年4~5月の登録車販売台数ランキングでは、セレナとヴォクシー/ノアが3台ともにベスト10内に入っているほどだ。

この販売好調の裏で、納期の長期化が深刻化している。半導体不足の影響で、納期は6ヶ月以上、もしくは納期不明状態となっている(2023年6月調べ)。

 

納期長期化の影響か、最近注目されているのが先代モデルの中古車だ。

新型の登録が進んだことで、中古車も少し安価になり買い得感がある。また、中古車なので納期は早い。コストパフォーマンスと納期を重視するなら、中古車も良いだろう。

そこで、先代モデルであるC27型セレナe-POWERと80系ヴォクシーハイブリッドを徹底比較評価した。

<関連記事>新型セレナ(C28型)と新型ヴォクシー(90系)を比較!

日産セレナe-POWER(C27型)の特徴

C27型セレナの全景

※上図:C27型セレナの全景

先代モデルとなるC27型日産セレナは、2016年~2022年に発売された。

初代セレナは1991年に「楽しい思い出をつくり続ける“家族”のミニバン」として登場した。C27型セレナは5代目だ。当初、マイルドハイブリッドシステムを使ったガソリン車のみの設定だった。

このC27型セレナのデビュー時に話題になったのが、運転支援機能「プロパイロット」の搭載だった。プロパイロットは、同一車線内を維持しながら、全車速で前走車に追従走行が可能な機能だ。渋滞時には、簡単な操作で再び追従走行することが出来る。ミニバンでは世界初搭載ということもあり、2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤー イノベーション部門賞を受賞している。

C27型セレナの全景(マイナーチェンジ後)

※上図:C27型セレナの全景(マイナーチェンジ後)

シリーズハイブリッドシステムのe-POWER車は、2018年3月に発売開始した。ノートのe-POWERシステムをベースに出力を向上させ、大きく重いセレナに対応させた。

80系トヨタ ヴォクシーの特徴

80系ヴォクシーの全景

※上図:80系ヴォクシーの全景

初代トヨタ ヴォクシーは、2001年に登場した。ノアとはフェイスデザインなどが異なるものの、プラットフォームやエンジンなどは共通化されている姉妹車だ(現在も同様)。

 

3代目となる80系ヴォクシーは、2014年~2021年に発売された。このモデルから、待望のハイブリッド車が登場している。このクラス唯一のハイブリッド車で、デビュー直後から爆発的な人気と圧倒的な低燃費性能を誇った。ハイブリッドシステムは、プリウスα用1.8Lを採用している。

80系ヴォクシーの全景(マイナーチェンジ後)

※上図:80系ヴォクシーの全景(マイナーチェンジ後)

2017年にマイナーチェンジが行われた。よりワイルドで迫力あるフェイスデザインに大幅変更し、さらに人気が加速した。モデル末期まで販売台数が衰えなかった。

中古車比較なら、燃費差は微小

1.燃費比較

C27型セレナe-POWERの評価 3.5

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 4.0

 

日産セレナe-POWERと、トヨタ ヴォクシーハイブリッドの燃費は以下の通り(すべてFF、WLTCモード)。

 

先代モデル

現行モデル

セレナ

17.2~18.0km/L(C27型)

18.4~20.6km/L(C28型)

ヴォクシー

19.0km/L(80系)

23.0km/L(90系)

先代であるC27日産セレナe-POWERと80系トヨタ ヴォクシーハイブリッドの燃費比較では、80系ヴォクシーハイブリッドが勝る結果となった。これはハイブリッドシステムの差だけではなく、車重が大きく影響している。C27セレナe-POWERは、80系ヴォクシーハイブリッドより100kg以上車重が重いからだ。

その傾向は、最新モデルでも同様である。両車共に、先代モデルから大幅に燃費が向上しているものの、両車の燃費には大差が付いている。

また、セレナe-POWERの先代モデルと最新モデルを比べると、燃費向上幅が少ない。セレナで燃費を重視するのであれば、価格の安い先代C27セレナe-POWERの方がコストパフォーマンスに優れるだろう。

両車、中古車価格は現行新車価格より100万円程度安価

2.中古車価格比較

C27型セレナe-POWERの評価 3.5

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 3.5

 

日産 セレナe-POWER、トヨタ ヴォクシーハイブリッドの先代モデルの中古車相場と、現行モデルの新車価格幅は以下の通りだ(2023年6月調べ)。

 

先代 中古車相場(2018年式)

現行 新車価格幅(FF)

セレナ

約220~270万円(C27型)

約320~370万円(C28型)

ヴォクシー

約240~270万円(80系)

約340~370万円(90系)

*セレナの新車はルキシオンを除く

 

先代であるC27型セレナe-POWERと80系ヴォクシーハイブリッドの中古車相場は、同じ様な金額帯となった。若干安価な価格帯では、C27型セレナe-POWER中古車の方が買いやすい。価格を優先するなら、C27型セレナe-POWERを中心に選んでみるとよいだろう。

中古車価格は両車共に、現行モデルより100万円ほど安価だ。対する新車は納期が6ヶ月以上、値引きもほぼゼロだ。すぐに乗れて約100万円安い中古車にしばらく乗り、納期が通常に戻ってから現行モデルを買うのもありだろう。

 

C27型セレナe-POWERのお勧めグレードは、エアロパーツ類を装備したハイウェイスター系だ。中でも、装備が充実したハイウェイスターVかハイウェイスターGあたりがよい。中古車価格は少し高めになるものの、売却時も高値が付く傾向にあるので、それほど損はしないはずだ。

この2グレードでも、プロパイロット(同一車線内を維持しながら全車速で追従走行できる機能)はオプションだった。疲労軽減に大きな効果がある運転支援機能なので、オプション装着している車両を選びたい。

セレナ(2017年式以降~)の中古車情報をチェックする>

80系ヴォクシーハイブリッドのお勧めグレードは、エアロパーツ類が装備された最上級グレードであるZS一択といえる。中古車価格は高めだが、リセールバリューも高いので、損をすることはないだろう。

両側パワースライドドアは最上級グレードでもオプション設定だった。装備している車両が多いが、稀にない車両もあるのでしっかりとチェックしておきたい。

 

この年式の80系ヴォクシーハイブリッドは、予防安全装備が物足りない。対車両の自動ブレーキしか標準装備されていないのだ。

予防安全装備を重視するのであれば、歩行者検知が可能になった2019年1月の改良後モデルがお勧めだ。

ヴォクシー(2017年式以降~)の中古車情報をチェックする>

値引きは期待薄だが、他のサービスで補填

3.購入時の値引き術

C27型セレナe-POWERの評価 3.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 3.0

 

中古車は、新車のような大幅値引きは期待できない。むしろ、数十万円の値引きがあっさり提示されたら何か裏が無いか警戒したほうがいいくらいだ。

だがセレナとヴォクシーは両車200万円以上の高額中古車なので、数万円程度の値引きなら十分可能だろう。値引きを引き出すには、本命車種より少し安価な同じ車種の中古車を近隣で探し、競合させてみるとよい。「安価な車両の価格に合わせて欲しい」と商談してみよう。

 

しかし、ベテラン営業マン相手では、なかなか厳しい戦いになる。なるべく若手の新人営業マンの方が値引きを引き出しやすい。「他の人も商談している」「人気モデルなのですぐに売れてしまう」などと即決を求めてきても応じず、じっくり商談して値引きを引き出したい。

 

大幅値引きは期待できないので、商談途中で有料延長保証のサービスやオイル交換無料、用品無料サービスなどに切り替えてみるのもお勧めだ。

マーケットニーズを反映したギラギラ迫力系のデザイン

4.デザイン比較

C27型セレナe-POWERの評価 4.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 4.0

C27型セレナの全景

※上図:C27型セレナの全景

C27型日産セレナは、Aピラーからルーフラインに向けて流れるようなシルエットが特徴だ。箱型デザインでありながら、エレガントさがある。

C27型セレナのフロントフェイス

※上図:C27型セレナのフロントフェイス

C27型セレナe-POWERでは、押し出し感あるVモーショングリルに「e-POWER」の象徴であるブルーのアクセントを施した。エクステリアパーツには、専用LEDテールランプや空力特性に優れたデザインの専用アルミホイールなどを採用した。

C27型セレナのリヤエンド

※上図:C27型セレナのリヤエンド

セレナは、マイナーチェンジ前はややスポーティな印象が強かった。だがマイナーチェンジ後は流行りの迫力重視のギラギラ系へと変化している。

2019年のマイナーチェンジ後は、より押し出し感が増した「ダブルVモーショングリル」を装備した。グリルはギラギラ感のあるクロームを使った迫力あるタイプに変更されている。マイナーチェンジ前後ともなかなかよいデザインで、オリジナリティがある。

80系ヴォクシーの全景

※上図:80系ヴォクシーの全景

80系ヴォクシーハイブリッドは、マイナーチェンジ前後で大きくデザインが異なる。

マイナーチェンジ前は「EMOTIONAL BOX」をデザインコンセプトに、個性豊かな表情と魅惑的な印象を備えた力強いハコ(箱)を追求している。「毒気」のあるカッコよさをアピールした。デビュー時には、ハイブリッド車にエアロパーツ類を装備したZS系の設定はなかったが、2016年の改良でハイブリッド車にもZSグレードが設定されている。迫力あるフェイスとスポーティさを上手く両立したデザインだ。

80系ヴォクシーのフロントフェイス

※上図:80系ヴォクシーのフロントフェイス

2017年のマイナーチェンジでは、フロントフェイスのデザインを大きく変更した。上下2段のヘッドライトにはLEDクリアランスランプを採用し、精悍さと夜間での存在感を主張している。

エアロ仕様のZSでは、「ハ」の字をテーマにしたデザインとした。レクサスのスピンドルグリル風だ。ボディ下部に向けて大きく広がる開口部によって、視覚的な重心を下げている。メッキ加飾を施すことで、ギラギラとした迫力あるフェイスとなった。

80系ヴォクシーのリヤエンド

※上図:80系ヴォクシーのリヤエンド

マイナーチェンジ前のスポーティさは無くなったが、迫力重視系ユーザーからの評価が高いデザインになった。

 

C27型セレナe-POWERと80系ヴォクシーハイブリッドのマイナーチェンジ後デザインは、どちらもギラギラ迫力系となった。ただC27型セレナe-POWERの方がスタイリッシュな印象を受ける。80系ヴォクシーハイブリッドは、箱型ミニバンらしい重厚感あるデザインになっている。両車共にマーケットニーズを反映したよいデザインだ。

デュアルバックドアをもつセレナがやや優位に

5.室内空間と使い勝手

C27型セレナe-POWERの評価 4.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 3.5

 

C27型日産セレナe-POWERと80系トヨタ ヴォクシーハイブリッドの寸法は以下の通り。

   

全長×全幅×全高

ホイールベース

室内長×室内幅×室内高

セレナ

4,770mm×1,740mm×1,865mm

2,860mm

3,240mm×1,545mm×1,400mm

ヴォクシー

4,710mm×1,735mm×1,825mm

2,850mm

2,930mm×1,540mm×1,400mm

※室内寸法はメーカーによって測定方法が異なるため参考値。

C27型セレナの運転席

※上図:C27型セレナの運転席

C27型セレナの2列目シート

※上図:C27型セレナの2列目シート

C27型セレナの3列目シート

※上図:C27型セレナの3列目シート

C27型セレナe-POWERの方が全長とホイールベースがやや大きいため、室内スペースも若干広い。高さ方向のスペースや3列目シートの足元などによって、80系ヴォクシーハイブリッドを若干上回る印象だ。それほど大差はないものの、とにかく広さにこだわるのであれば、C27型セレナe-POWERという選択になる。

80系ヴォクシーの運転席

※上図:80系ヴォクシーの運転席

80系ヴォクシーの後席。左:2列目シート、右:3列目シート。

※左図:80系ヴォクシーの2列目シート。右図:80系ヴォクシーの3列目シート。

C27型セレナe-POWERと80系ヴォクシーハイブリッドの使い勝手面で大きく異なるのは乗車定員だ。C27型セレナe-POWERは、ハイブリッド用のバッテリーを搭載場所の影響で、2列目ベンチシートの設定が無く、キャプテンシートのみだ。そのため、全車7人乗り。8人乗りであることが重要な場合、80系ヴォクシーハイブリッドとなる。

なお3列目シートは、両車共に跳ね上げ式でボディサイドに固定するタイプだ。女性でもそれほど苦労せずに固定できる。

 

最小回転半径は、狭い駐車場などでの取り回しの良さの指標となる。C27型セレナe-POWERが5.5mもしくは5.7m。80系ヴォクシーハイブリッドは5.5mだ。

C27型セレナe-POWERは、16インチホイールを履くと5.7mになる。これは1クラス上のアルファード並みで、使い勝手面では少々扱いにくいといえる。最上級グレードのハイウェイスターGを選ぶと、5.7mになってしまうのが悩ましいところ。充実した装備は魅力だが、狭い駐車場などでは少し扱いにくくなってしまう。

 

80系ヴォクシーハイブリッドは、運転席側のパワースライドドアが全車オプションだ。装着率は高いが、中古車を検討する際は装備されているか確認したい。C27型セレナe-POWERは、エントリーグレードのみオプション扱いだ。

大きな違いが、バックドアである。80系ヴォクシーハイブリッドは通常のバックドアだが、C27型セレナe-POWERはガラス部分のみが開閉するデュアルバックドアで、上半分が分割して開閉する。後方にスペースが無くバックドアを開閉できないような場所では便利な機能だ。特に小さな荷物の出し入れに活用できる。

2019年改良以前モデルは、予防安全性能が物足りなかったヴォクシー

6.安全装備&運転支援機能の比較

C27型セレナe-POWERの評価 3.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 2.5

C27型セレナのインパネデザイン

※上図:C27型セレナのインパネデザイン

C27型セレナe-POWERは、前年式で歩行者検知式自動ブレーキが標準装備されている。そのため中古車でも一定レベルの予防安全性能を得ている。惜しいのは、サイド&カーテンエアバッグがオプション設定だった点だ。

C27型セレナのメーター

※上図:C27型セレナのメーター

運転支援機能では、「プロパイロット」がオプション設定だった。同一車線内を維持しながら全車速で追従走行できる機能だ。高速道路などでの渋滞時に、アクセルとブレーキ、ステアリング操作からほぼ解放される。疲労軽減に大きく貢献してくれるため、うっかり接触となどのリスクも軽減できる。C27型セレナe-POWERを選ぶ際は「プロパイロット」がオプション装着されている車両がお勧めだ。

80系ヴォクシーのインパネデザイン

※上図:80系ヴォクシーのインパネデザイン

80系ヴォクシーハイブリッドの2019年改良前モデルは、予防安全装備が物足りなかった。ライバル車が歩行者検知式自動ブレーキを装備する中、80系ヴォクシーの自動ブレーキは、低速域での対車両のみという旧式だった。80系ヴォクシーの最大の弱点ともいえる。

80系ヴォクシーのメーター

※上図:80系ヴォクシーのメーター

なお2019年1月の改良後モデルには、歩行者検知式自動ブレーキを標準装備している。だが運転支援機能はC27型セレナe-POWERのような車線維持機能付きの全車速で追従走行できるクルーズコントロールなども用意されていなかった。

フルモデルチェンジ後の90系ヴォクシーでは、こうした弱点を完全克服した。国産車トップレベルの予防安全装備や運転支援機能を手に入れている。

静粛性や乗り心地重視なら、マイナーチェンジ後の80系ヴォクシーハイブリッド

7.走行性能の比較

C27型セレナe-POWERの評価 3.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 4.0

 

C27型セレナe-POWERの出力は以下の通り。

  • 最大出力…136ps
  • 最大トルク…320Nm

80系ヴォクシーハイブリッドの最大出力は以下の通り。

  • システム最大出力…136ps

最大出力は同じだが、実際に走行した時のフィーリングはそれぞれ異なる。

C27型セレナのエンジンルーム

※上図:C27型セレナのエンジンルーム

C27型セレナe-POWERは、エンジンで発電し、発電された電力を使いモーターで走行する。モーターは瞬時に最大トルクを発生させる特性があるため、低速域での力強さを感じる。

中高速域になると、C27型セレナe-POWERは伸びのある加速感とは言い難くなる。1.2Lエンジンでは発電力に限界が来るからだ。また、高速域では速度を上げれば上げるほど燃費が悪化する傾向にある。逆に、低速域での燃費は良好だ。

80系ヴォクシーのエンジンルーム

※上図:80系ヴォクシーのエンジンルーム

対する80系ヴォクシーハイブリッドは、少しアクセル操作に対して鈍さがある。だが中・高速域での加速の伸びは、C27型セレナe-POWERを上回る。同じハイブリッド車でも、ハイブリッドシステムが異なり、特性が違うからだ。燃費もC27型セレナe-POWERほど高速域での落ちは少ない。不得意な領域が少なく、全域でバランスの良い低燃費性能が特徴だ。

 

C27型セレナe-POWERの静粛性は、メリハリが効いている。電力が十分な場合は、エンジンが停止しているので、静粛性は高い。ところが、発電が始まりエンジンが始動すると、停止中でも高めのエンジン回転で発電し続けるため、室内はなかなか賑やかになる。頻繁に発電するため、賑やかな時間が長めだ。

こうした反省点を活かし、フルモデルチェンジ後のC28型セレナe-POWERは発電制御を見直し極めて静かな室内空間を実現している。

 

全域で静粛性が高いのが80系ヴォクシーハイブリッドだ。マイナーチェンジ前でも十分なレベルにあったが、マイナーチェンジ後では、さらに静粛性を高めた。静粛性を重視するのであれば、マイナーチェンジ後の80系ヴォクシーハイブリッドがお勧めだ。

 

乗り心地では、両車共にリヤサスペンションの突き上げ感やゴトゴト感があり、ほぼ同等レベルといえる。だが80系ヴォクシーハイブリッドはマイナーチェンジ後、乗り心地が改善されかなり快適になっている。快適な乗り心地を重視するのなら、80系ヴォクシーハイブリッドのマイナーチェンジ後モデルがお勧めだ。

早期売却がお勧めなのは?

8.リセールバリュー比較

C27型セレナe-POWERの評価 4.0

80系ヴォクシーハイブリッドの評価 4.0

 

両車の中古車価格がほぼ同等なので、リセールバリューも同等といえる。

ただC27型セレナe-POWERは、新型C28型セレナe-POWERが登場したばかりだ。そのため、下取りに入ったC27型セレナe-POWERがあまり中古車マーケットに流通していない。多くのC27型セレナe-POWERが中古車マーケットに流通するようになると、ややリセールバリューも下がるだろう。C27型セレナe-POWERはなるべく早く売却したほうがよいだろう。

 

80系ヴォクシーハイブリッドのマイナーチェンジ後モデルは、安定した高リセールバリューを維持している。ただし、新型の90系ヴォクシーハイブリッドが登場済みなので、今後、徐々にリセールバリューが下がっていくのは確実だ。80系ヴォクシーハイブリッドも売却を考えているのであれば早めがよい。

 

マイナーチェンジ前のモデルは、大きくリセールバリューが下げている。といっても、マイナーチェンジ後と比較してという視点だ。2014年式中古車相場が140~190万円程度なので、低年式化しても高いリセールバリューを維持し続けている。

一長一短で、悩ましい選択

9.まとめ・総合評価

両車とも一長一短で、難しい選択だ。

以下を重視する人はC27型セレナe-POWERをお勧めしたい。

  • 室内空間の広さ
  • 予防安全装備(歩行者検知式自動ブレーキなど)
  • 運転支援機能(プロパイロットなど)

静粛性面が物足りないのが難点だ。

セレナ(2017年式以降~)の中古車情報をチェックする>

以下を重視する人は80系ヴォクシーハイブリッドがお勧めだ。

  • 燃費性能
  • 静粛性
  • 乗り心地

2019年改良前モデルは、歩行者検知式自動ブレーキを装備しておらず、予防安全性能は物足りない。予防安全性能を重視するのであれば、選びにくい。しかし、マイナーチェンジ前のモデルは、買い得感もありコストパフォーマンスに優れている。

ヴォクシー(2017年式以降~)の中古車情報をチェックする>

このように、何を重要とするかで選択肢が変わる。後々、失敗した・後悔したと思わないよう、じっくりと検討してから選択することをお勧めする。

 

セレナ

ヴォクシー

総合得点(40点満点)

28.0

28.5

1.燃費

3.5

4.0

2.価格

3.5

3.5

3.購入時の値引きしやすさ

3.0

3.0

4.デザイン

4.0

4.0

5.室内空間と使い勝手

4.0

3.5

6.安全装備

3.0

2.5

7.走行性能

3.0

4.0

8.リセールバリュー

4.0

4.0

セレナのカタログ情報

日産,セレナ
現行モデル
令和4年12月(2022年12月)〜現在
新車時価格
276.9万円〜479.8万円

セレナの在庫が現在751件あります

以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員