2024年4月末が期限となっている一方で、7度目の延長論が浮上しているガソリン補助金。ここではガソリン補助金の概要や「いくら支給されるのか」などを解説しています。
ガソリン補助金とは
ガソリン補助金とは、全国平均ガソリン価格が一定価格以上になった場合において、燃料油元売りに支給される補助金です。原油価格高騰による経済や国民生活への影響を抑えるため、2022年1月より支給されています。
補助額は一週間ごとに設定されるため、毎週変動します。
個人への支給はない
冒頭でご紹介したように、ガソリン補助金は「燃料油元売り」に支給されます。個人が申請してもらえる補助金ではありません。ガソリンスタンドに掲示されているガソリン価格には、既に補助金が反映されています。
補助額は全国一律
ガソリンの平均価格は都道府県により異なるものの、ガソリン補助金の支給額は全国一律です。この理由について、経済産業省は「原油価格の上昇は石油製品の上昇として地域を問わずほぼ全国共通に反映されると考えている」と説明しています。
補助額の推移と現状
※出典:経済産業省資源エネルギー庁「燃料油価格激変緩和補助金」(2024年3月10日時点)
現在のガソリン補助金は、翌週のガソリン予想価格と基準価格(現在は168円)の差額分を部分的に補助する仕組みです。
制度開始時(2022年1月)の補助上限額は5円/Lでした。しかしロシアのウクライナ侵攻による原油価格高騰を受け、2022年4月末には上限額が35円/Lまで拡大。上限額の超過分も50%補助されるようになりました。
2023年6月以降は制度終了に向けて徐々に補助率が引き下げられたものの、結果的には補助金の算出法を見直して補助を継続しています。
現在の補助額のルール
2024年3月現在の補助額のルールは以下の通りです。
- 168円から17円を超える分=全額支援
- 168円から17円以下の部分=60%支援
「168円から17円を超える」とは、つまりガソリン価格が185円/Lを超える状況のことです。
例えば最新の3月7日~13日週において、補助前のガソリン予想価格は196.5円でした。この結果、185円を超える11.5円と、残り17円分の60%にあたる10.2円を足した21.7円が支給額として設定されました。
ガソリン補助金はいつまで続く?
これまでガソリン補助金は6回にわたって延長を繰り返し、最新の期限は「2024年4月末まで」となっています。
しかし今年2月中旬には、政府がガソリン補助金を「5月以降も延長する方向で検討に入った」と報じられました。延長した場合の期限は夏ごろを目処としているようです。
トリガー条項の凍結解除より補助金か
2023年11月頃から検討されているもう一つの選択肢が、「トリガー条項」の凍結解除です。
トリガー条項とは、ガソリン価格が高騰した場合にガソリン税に含まれる「当分の間税率(25.1円)」を免除する仕組みです。つまり同条項が発動されれば、ガソリン価格は25.1円下がります。
しかしトリガー条項は2011年4月に凍結されており、解除には法改正が必要です。また一度発動すれば税収の大幅減が見込まれることから、政府は凍結解除に慎重な姿勢を示しています。
ガソリン価格の高騰が続く理由
ガソリン価格高騰の原因は、主に以下の4つです。
- 産油国での計画的な減産
- ロシアのウクライナ侵攻
- 中東情勢の緊迫化
- 円安
サウジアラビアなどの産油国において、石油は重要な国の財源です。そのため計画的な減産により、原油価格を調整することがあります。また世界第3位の産油国ロシアと各国の間で石油の輸入・輸出規制が生じたことや中東情勢の緊迫化も価格高騰に影響しています。
さらに近年は円安が急加速し、為替レートの影響によっても石油価格や運送費が高騰している状態です。
Q. 今後もガソリン価格の高騰は続く?
現状として、近い未来での原油価格の急落や円高への大幅転換は見込めません。ガソリン価格が下がったとしても、ガソリン補助金の支給額に収まる範囲内の差で留まるでしょう。
今後もしばらくは、ガソリン価格が175円/L前後で推移する可能性が高いです。
ガソリン代を節約するコツ
車の維持費の中でも大きな割合を占めるガソリン代。価格高騰が続く状況では、少しでもその費用を浮かせたいものです。節約にあたっては、以下の工夫をしましょう。
- 定期的にタイヤの空気圧を確認する
- 不要な荷物は車内に置かない
- 急ブレーキや急発進を避ける
- 駐車時はアイドリングを避ける
- エアコンの使用を控える
タイヤの空気圧や重みによる負荷、運転の仕方は燃費に影響します。車の整備や丁寧な運転など、「燃費改善は車を大切に扱うこと」と考えると分かりやすいです。
燃費の悪さが気になるなら買い替えも
同じガソリン車でも、現在の車はどんどん燃費性能が良くなっています。また経年劣化とともに燃費性能は下がっていくものです。
燃費の悪さが気になる場合は、買い替えも検討しましょう。 以下の記事では最新の燃費ランキングをご紹介しています。