Lクラスミニバンで人気なアルファードとヴェルファイア。両車は車両価格が高いため、中古車での購入を検討する人も多い車種だろう。
アルファード30系は、30系ヴェルファイアより圧倒的に人気が高い。
しかし20系では逆転し、ヴェルファイアが人気だ。その傾向は中古車でも同じである。また、低年式化が進んだこともあり、買い得感も高い。今回は、20系ヴェルファイアの中古車選びで気になる前期と後期の違いをレポートする。
- 20系ヴェルファイアの歴史・概要
- 20系ヴェルファイアの前期・後期の違いと特徴
- 20系ヴェルファイアはガソリン車とハイブリッド車どっちがおすすめ?
- 20系ヴェルファイアは前期と後期どっちがおすすめ?
- 20系ヴェルファイアの前期・後期、それぞれのお勧めグレードは?
- 後期ハイブリッド車のお勧めは?
- 20系ヴェルファイアは前期・後期ともに特別仕様車がお勧め
- 20系ヴェルファイアのスペック
20系ヴェルファイアの歴史・概要
ヴェルファイア 歴代モデル |
発売年 |
備考 |
20系前期 |
2008年5月~2011年9月 |
アルファードのフルモデルチェンジで登場 |
20系後期 |
2011年9月~2015年1月 |
マイナーチェンジ |
30系 |
2015年1月~現行 |
2018年1月のマイナーチェンジ以降が後期 |
40系 |
※2023年予想 |
アルファードは2023年に発売予定 |
2008年に20系ヴェルファイアがデビューした。それまでのグレード展開は、アルファードGとVだったが、より明確な違いをもたせるために姉妹車としてヴェルファイアが登場した。
20系ヴェルファイアのデザインは、上下2分割のヘッドライトが採用され、非常に斬新でスポーティーだ。このデザインが高く評価され、20系ヴェルファイアは大ヒットし、アルファード以上の人気を誇っていた。
デビュー当時は、直4 2.4LとV6 3.5Lのガソリンエンジンのみだったが、2011年のマイナーチェンジで、2.4Lハイブリッドが投入された。
2011年のマイナーチェンジ前後が前期と後期の分かれ目となる。
2008年~2015年まで20系ヴェルファイアを販売していた。2015年にフルモデルチェンジし、30系ヴェルファイアと30系アルファードとなる。
30系ヴェルファイアも20系のデザインを踏襲したが、人気は一気にアルファードへ移行してしまった。理由として、代わり映えのしないデザインだったことや、アルファードのデザインがより高級感と迫力が増し、完成度が高まったことが考えられる。
その結果、中古車価格は30系アルファードが高い傾向となっている。
そして、2023年に40系となる新型アルファードが登場を予定している。今後、40系ヴェルファイアが登場するのか否か、注目したいところだ。
20系ヴェルファイアの前期・後期の違いと特徴
外観デザインを比較
※左図:ヴェルファイア20系前期、右図:ヴェルファイア20系後期
前期:
20系ヴェルファイアのデザインは、上下2分割された大型ヘッドライトが最大の特徴だ。当時、カスタマイズの定番アイテムだった純正のクリアレンズ調のリヤコンビネーションランプを、いち早く採用していたことが人気の理由だ。
また、今まで見たことのない斬新さで、多くのファンを獲得した。
後期:
マイナーチェンジでは、大きな変更は受けていない。
一部、フロントグリルやフロントバンパー、リヤガーニッシュ、バックランプのデザインを変更した。そのため、グリルがより存在感を増し、バンパーのエッジが強めとなったことで、迫力あるスポーティーな魅力を伸ばしたようなデザインになった。
ボディカラーはライトブルーメタリック、ダークバイオレットマイカメタリック、ダークブルーマイカを新しく設定した。
インテリア&室内スペース、装備を比較
※左図:ヴェルファイア20系前期、右図:ヴェルファイア20系後期
前期:
新プラットフォームが採用されたことで、低床化に成功し、より広く乗降性に優れたモデルとなった。室内高は10mm、室内長は75mm拡大した。
車内は質感の高い高級感あるインテリアをイメージしている。多彩なシートアレンジで、くつろぎの室内空間を創出し、より豪華で快適な空間にまとめている。
装備は、下記の内容を新設定した。
- 大型ヘッドレストやアームレストを備えた「エグゼクティブパワーシート」
- サードシートまで続くLED室内間接照明
- 合計18個のスピーカーで臨場感あふれる音質を誇る「トヨタプレミアムサウンドシステム」
- 「前席左右・前後独立温度コントロールオートエアコン(湿度センサー付)」
後期:
後期モデルは、大きな変更点はない。しかし、シート表皮やスピードメーターのデザイン、インパネの木目色を一部グレードで変えたことで高級感がアップした。
装備は、下記の内容を新設定した。
- 「オートマチックハイビーム」
- 「運転席オートスライドアウェイ」
- 「ナノイー」
- フロントドアに「スーパーUVカットガラス」
予防安全装備、運転支援機能を比較
前期:
この時代の予防安全装備は、歩行者検知式自動ブレーキなどは用意されていないため、少々物足りない。
しかし、下記の機能がオプション設定されている。
- 対車両などの「プリクラッシュセーフティシステム」
(3.5Z Gエディション、3.5V Lエディション、3.5V)
- 「レーダークルーズコントロール」
- 「レーンキープアシスト」
また、下記の装備が全車標準装備となっている。
- 「サイドエアバッグ」
- 「カーテンエアバッグ」
- 「ニーエアバッグ」
後期:
予防安全装備などは、前期モデルとほぼ同じである。
後期モデルからトヨタ車として初めて「パノラミックビューモニター」をオプション設定した。死角を無くし、うっかり衝突を回避するために、車両周辺を真上から見たような広範囲の映像を表示する。
20系ヴェルファイアは、車体が大きいため、「パノラミックビューモニター」装着車がお勧めだ。
搭載エンジン、走行性能を比較
前期:
前期の20系ヴェルファイアには、ガソリン車の設定しかない。排気量、出力、燃費は以下の通りだ。
|
3.5L V6エンジン |
2.4L 直4エンジン |
最高出力 |
280ps |
170ps |
最大トルク |
344Nm |
224Nm |
燃費(FF、10・15モード) |
9.2~9.5km/L |
11.6km/L |
後期:
3.5L、2.4Lガソリンエンジンに変更なし。2.4Lハイブリッドが追加。排気量、出力、燃費などは以下の通りだ。
|
2.4Lハイブリッド |
システム出力 |
190ps |
燃費(4WD、10・15モード) |
19.0km/L |
ガソリンエンジンに関しては、前期と後期ともに同じである。そのため、走行フィールはほとんど同じだ。
3.5L V6エンジンと2.4L 直4エンジンの違いは下記の通りだ。
|
3.5L V6エンジン |
2.4L 直4エンジン |
車重 |
約2,000kg |
約1,900kg |
走行性能 |
ストレスなく走れる |
高速道路では非力 |
自動車税 |
ハイオク仕様で自動車税が高い |
自動車税が安い |
お勧めは、後期に追加された2.4Lハイブリッドだ。
システム出力は190psあり、2.4Lガソリンと比べるとパワフルである。3.5Lほどの力強さがないだけで、不満もなくバランスがよい。しかも、燃費もよいので満足度は高い。
ただ、ハイブリッド車は、人気が高いため中古車価格も高くなる。
2.4Lハイブリッド車には、4WDのみ後輪側にE-Fourと呼ばれる小さなモーターを設置している。悪路走破性という面では、かなり物足りないが、ちょっとした雪道の登り坂などでは、安心感がある。FF(前輪駆動)車よりは駆動力がしっかりと伝わり、スリップして走れなくなることはない。さらに、静粛性も高いので、高級車感がある。
乗り心地は、リヤサスペンションが少々ドタバタする傾向がある。そのため、3列目シートの乗り心地は少々微妙だ。
20系ヴェルファイアはガソリン車とハイブリッド車どっちがおすすめ?
走行性能を考えると、ヴェルファイア20系は後期に追加されたハイブリッド車がおすすめだ。しかし、ハイブリッド車は中古車価格が高い。ガソリン車とハイブリッド車、それぞれの中古車価格相場からおすすめの探し方を解説する。
20系トヨタ ヴェルファイアの中古車相場
20系ヴェルファイアは、人気のLクラスミニバンということもあり、中古車価格はやや高値となっている。
|
2009年式 (前期/ガソリン車) |
2012年式 (前期/ガソリン車) |
2012年式 (後期/ハイブリッド車) |
中古車相場 |
約40~120万円 |
約80~160万円 |
約140~230万円 |
※2023年4月時点の中古車相場
前期のガソリン車は買い得感が出てきているので、好みのグレードとエンジンで選択すると良い。
しかし、後期モデルは選択が難しい。ハイブリッド車の安値な価格帯の車両でも、ガソリン車の高値価格帯の車両が買えてしまうからだ。
予算重視ならば、ガソリン車を選ぶと良い。もし、予算に余裕があるのなら、ハイブリッドの上級グレードも満足度が高くなるのでお勧めだ。
ハイブリッド車の中級グレードくらいの予算であれば、ガソリン車の最上級グレードを狙うのもよいだろう。装備がよければ、満足度も高くなる。
20系ヴェルファイアは前期と後期どっちがおすすめ?
予算抜きであれば、後期モデルがお勧めだ。
パノラミックビューモニターがオプションで装備されているからだ。また、条件がハイブリッド車であれば、後期モデルになる。
ただ、パノラミックビューモニターとハイブリッド車以外の部分は、前期も後期もそれほど大きな差がある訳ではない。そのため、こだわりがなければ、安価な前期モデルを選択した方がコストパフォーマンスに優れる。
20系ヴェルファイアの前期・後期、それぞれのお勧めグレードは?
前期、後期問わず高い人気を誇っているのが、Z系グレードだ。搭載パワーユニットを問わず、最も売れているため、流通している中古車のほとんどがZ系グレードだ。
まずは、Z系グレードを中心に選ぶと良い。
V系グレードを買うなら最も装備が充実しているLエディションがお勧めだ。ただ、中古車流通量は非常に少ない。
同様に前期、後期問わずお勧めなのが特別仕様車だ。20系ヴェルファイアでは、豪華装備をプラスした特別仕様車の人気が高く、中古車流通量も多いため選びやすい。
ここからは、前期・後期モデルの特別仕様車「20系ヴェルファイア」のお勧めをそれぞれ紹介する。
|
20系ヴェルファイア |
年式 |
中古車相場 |
前期モデル |
プレミアムセレクションⅡタイプゴールド |
2011年式 |
約70~140万円 |
後期モデル |
ゴールデンアイズⅡ |
2014年式 |
約120~220万円 |
前期モデル特別仕様車:プレミアムセレクションⅡタイプゴールド
デュアルパワースライドが装備されているほか、豪華装備だけでなく、実用面でもメリットのある装備も充実している。
後期モデル特別仕様車:ゴールデンアイズⅡ
ヘッドライトに入れられたゴールドのアクセントが特徴的な特別仕様車だ。
ゴールデンアイズⅡにもデュアルパワースライドが標準装備されている。さらに、パワーバックドアまで装備している。また、アルカンターラのシート表皮も高級がある。
後期ハイブリッド車のお勧めは?
後期ハイブリッド車のお勧めは、エアロパーツが付いたZR系グレードだ。
2011年に20系ヴェルファイアハイブリッドが投入された。ZR系グレードは、ハイブリッド車のなかでも人気だった。
2011年式のZR Gエディションは、人気が高く中古車流通量も多い。本革シートやツインムーンルーフ、助手席パワーオットマン、エグゼクティブパワーシートなどが標準装備され、とても贅沢な仕様でお勧めだ。
2012年には、特別仕様車「プレミアムシートエディション」を追加された。
|
20系ヴェルファイア |
年式 |
中古車相場 |
後期モデル |
プレミアムシートエディション |
2013年式 |
約160~260万円 |
20系ヴェルファイアは前期・後期ともに特別仕様車がお勧め
20系ヴェルファイアの中古車選びは、前期・後期ともに人気のZ系グレードをベースにした特別仕様がお勧めだ。
ガソリン車の場合、特別仕様車にオプション設定の純正ナビやツインムーンルーフ、プレミアムサウンドシステムが装備されているのであれば、さらに満足度が高くなる。
20系ヴェルファイアのスペック
代表グレード |
20系ヴェルファイア2.4Z Gエディション |
ボディサイズ[mm] |
4,885mm×1,840mm×1,900mm |
ホイールベース[mm] |
2,950mm |
最小回転半径[m] |
5.9m |
車両重量[kg] |
1,940kg |
エンジン型式・種類 |
2AZ-FE型直4DOHC |
総排気量[㏄] |
2,362㏄ |
最高出力[kW(ps)/rpm] |
125kW(170ps)/6,000rpm |
最大トルク[N・m(kgf・m)/rpm] |
224N・m(22.8kgf・m)/4,000rpm |
燃費(JC08モード)[km/L] |
10.8km/L |
駆動方式 |
前輪駆動 |
ミッション |
CVT |
サスペンション前/後 |
ストラット/トーションビーム |
タイヤサイズ前/後 |
215/60R16 |
ヴェルファイアのカタログ情報
![](https://221616.com/assets/img/car-topics/noimage.jpg)
- 現行モデル
- 令和5年6月(2023年6月)〜現在
- 新車時価格
- 655.0万円〜674.8万円
ヴェルファイアの在庫が現在281件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。