この記事の目次 CONTENTS
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納期、4年超!? 世界的な人気を誇る高級オフローダー
ラダーフレームを使う理由とは?
4人乗りのエグゼクティブとオフロード、新グレードを設定し、より個性をアピール
ラダーフレーム車とは思えない乗り心地と操縦安定性
V6 3.5Lツインターボエンジンを搭載!
オフロード走行支援機能が充実
新型レクサスLX試乗記まとめ
レクサスLXの価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

新型レクサスLX が2022年1月に発売された。トヨタのランドクルーザーをベースに開発された高級オフローダーだ。今回はデビュー時に世界中からオーダーが殺到した大人気車種、新型レクサスLXの試乗記をお届けする。

納期、4年超!? 世界的な人気を誇る高級オフローダー

LX

レクサスLXは、トヨタブランドのランドクルーザーをベースに開発された高級オフローダーだ。
日本には、2015年に初めて3代目レクサスが導入された。グローバルでは、すでに4代目まで登場している。

新型である4代目レクサスLXは、ランドクルーザー同様、デビュー直後に世界中からオーダーが殺到するほど愛されているモデルだ。2022年4月末現在、レクサスのサイト上では納期が4年程度の超長期になるほどの高い人気を誇っている。
新型4代目レクサスLXは、伝統のオフロード性能とLexus Driving Signatureを追求したオンロード性能を両立している。いかなる路面状況においても、楽で上質な移動体験を提供することを目指して開発された。

ラダーフレームを使う理由とは?

LXの外観

オフローダーに求められるのは、タフなボディだ。
新型LXは、新開発のGA-Fプラットフォーム(車台)を採用した。強靭なラダーフレーム構造を継承しながら、約200kgも軽量化されている。

LXのフロントフェイス

一般的な高級SUVには、モノコックボディが採用されている。ラダーフレームよりも軽量で、乗り心地やオンロードでのハンドリングに優れているからだ。
しかし、モノコックボディにもデメリットがある。過酷なオフロードで何度も大きな力が加わるとボディが変形して走行不能になってしまうのだ。

LXに導入されている強靭なラダーフレームは、ボディでさえも交換部品のひとつのようなもの。ボディが歪んでもラダーフレームさえ変形しなければ、走行可能だ。命の危険にさらされるような過酷な場所からでも、生きて帰ってくることができる。

LXのリヤエンド

本来ならば、新型LXのような高級車には、モノコックボディのSUVが相応しい。しかし「過酷な道路環境下でも快適に移動したい」という富裕層のニーズを満たすためには、ラダーフレームという選択になるのだ。

4人乗りのエグゼクティブとオフロード、新グレードを設定し、より個性をアピール

オフローダーとしての悪路走破性を維持しながら、オンロードではモノコックボディのSUV並みの乗り心地や走行性能を両立することは難しい。
先代のLXでもオフロードとオンロードの両立を目指したものの、かなりオフローダー寄りであった。LXのオンロード走行はランドクルーザーよりは少々快適な程度で、価格はLXの方が400~600万円高価だった。この価格差を納得させるパフォーマンスと、LXの独自性が欠けていたのだ。

LXのフロントシート

そこで4代目新型レクサスLXは、より独自性を高めるための個性的な仕様を用意した。
最も分かりやすいのがLX600エグゼクティブだ。オフローダーのショーファードリブンで、4人乗りのグレードである。元々3列シートのモデルを後席重視にした結果、最大レッグスペースが1,000mmの広大なスペースが用意された。

LXのリヤシート

さらに助手席を前方に移動し、助手席背面のリヤシートディスプレイを倒せば、前方視界を確保しつつ、最大48度のリクライニングと座面角度をコントロールできる。助手席後ろのオットマンやマッサージ機能付きシート(リラクゼーション機能)も装備された。
もはや至れり尽くせりだ。一旦、後席に座ると前席に座るのが嫌になるほどである。

LXの荷室

さらに、通常グレードの5人乗り、7人乗りの他、OFFROAD(オフロード)という高いオフロード走破性を発揮するグレードも追加された。4WD機能は、3つのディファレンシャルロック(フロント・センター・リヤ)を標準装備している。扁平率の高い18インチタイヤを装備し、悪路での路面追従性を高めた。

OFFROADは機能面だけでなく、外観も若干異なる。

  • マットグレー塗装のホイール
  • ブラック塗装のホイールアーチモール
  • 黒光輝塗装を施したフロントグリル

エグゼクティブと比べると、全体的に締まった塊感がアップした。

ラダーフレーム車とは思えない乗り心地と操縦安定性

日本マーケットにおいて、新型LXでオフロードを走行するオーナーはかなり稀だろう。
気になるのは、オンロードでの走行性能だ。

姉妹車関係にあるランドクルーザーで高速道路を走った際は少々フラついており、まっすぐ走らせることが難しかった。電動パワステの設定はオフロード走行を重視しているため、オンロードではダイレクトな反応に欠ける。
現行ランドクルーザーの乗り心地は、先代と比べると大幅に向上している。だがモノコックボディの高級SUVと比べると、路面の凹凸はゴトゴトして収まりも物足りない。オフロード重視のセッティングなのだ。

LXのインパネ

対するLXエグゼクティブの走行性能は、モノコックボディの高級SUVレベルにかなり近づいている。
試乗してみると、ステアリング操作に対するレスポンスの良さを感じる。オンロードでも大きな車体ながらしっかりと動き、直進性でもランドクルーザーを大幅に上回る。
乗り心地も抜群に良くなった。AVS(Adaptive Variable Suspension system)という、路面や走行状態に応じてきめ細かく滑らかな減衰力を制御する機能の影響だ。
高速道路での操縦安定性も高まっている。AHC(Active Height Control suspension)が車速に応じて最適な車高に自動調整し、路面との干渉回避と操縦安定性を両立してくれる。かなり高い速度域でも、動きに不安は感じなかった。

LXのメーター

LXエグゼクティブは、ラダーフレームのオフローダーとしては異例なほど優れたレベルに至った。特に高速道路での走行性能は、ラダーフレームの高級オフローダーであるメルセデス・ベンツGクラスを上回るのではと感じるレベルだ。

新型LXの乗り心地は、ランドクルーザーを大幅に上回る。AVSやAHCの恩恵だ。
特に18インチホイールを履くオフロードの乗り心地は、22インチホイールを履くエグゼクティブよりも快適である。

ランドクルーザーを試乗した時には、あまり街中には向かないクルマと感じた。しかし、新型LXは街中でも積極的に乗りたいと思えるオフローダーに仕上がっている。静粛性や乗り心地はモノコックボディの高級SUVに近く、高速道路での操縦安定性も増したといえる。

V6 3.5Lツインターボエンジンを搭載!

LXのエンジンルーム

新型LX用にチューニングされたエンジンは、もとはガソリンV6 3.5LツインターボのV35A-FTS型だ。セダンのLSと同じ型である。出力は415ps&650Nm、燃費は8.0~8.1km/L(WLTCモード)だ。
新型LXの車重は、2,540~2,600kgという超重量級にもかかわらず、大出力のおかげでパワー不足は感じないどころか十分に速い。新東名の120km/h巡行も余裕たっぷりだ。アクセル操作に対するレスポンスも良好で好印象だった。

あえて言うなら、ランドクルーザーに設定されているV6 3.3Lディーゼルターボエンジンも取り入れたほうが良かったのではないだろうか。

オフロード走行支援機能が充実

オフロードでの走り 1

新型LXは、オンロードでの操縦安定性や乗り心地を大幅に進化させた。だからといって、オフローダーとしての走行性能に一切の妥協はない。むしろ悪路での接地感を高めつつ、さらに上質な乗り心地を実現している。AHCやAVSのチューニングをきめ細かく行った結果だ。
未舗装路では、細かい凸凹による振動をしっかりと抑え込んでいた。大きく体を揺さぶられることもなく走りきることが出来た。
オフロード走行では、マルチテレインセレクトを継続採用している。路面状況に応じたオフロード走行支援機能で、以下の6つのモードから選択可能だ。

  • AUTO
  • DIRT
  • SAND
  • MUD
  • DEEP SNOW
  • ROCK

新型LXは従来のブレーキ油圧に加え、駆動力やサスペンションを統合制御することが可能だ。さらに、従来ローレンジ(L4)のみだった動作範囲をハイレンジ(H4)にも拡張した。結果、岩石路の極低速走行から未舗装路の高速走行まで、制御範囲を拡大することに成功している。これは、世界中のどんな道でも楽で上質な走行を実現するためのものだ。
また、レクサスでは初めてAUTOモードを採用している。走行状況や各種センサーからの情報を得て最適モードを選択してくれるモードだ。

オフロードでの走り 2

悪路の走破性能は、AHCの機能拡張によって先代LXよりも大きく向上した。AHCは、ショックアブソーバーとガス・油圧併用のばねと金属ばねで車高を調整する機構のことだ。先代モデルでは前輪のみに装備していたが、新型LXには後輪にも装備され、より早く最適な車高設定が可能となっている。
AHCは操縦安定性や乗り心地に影響し、新型LXの優れた乗り心地を悪路からオンロードまで支える。大きな凸凹でも瞬時に車高を変化させ、ストロークの長いサスペンションと相まって、衝撃を大幅に緩和する。悪路での快適性は、ランドクルーザーを大幅に上回る。

新型レクサスLX試乗記まとめ

4代目新型レクサスLXは、姉妹車関係にあるランドクルーザーと明確に差別化できたようだ。
従来のLXは、豪華なランドクルーザーといった印象も隠せなかったが、新型LX はオンロードでもオフロードでも、ランドクルーザーとはまったく異なるドライブフィールを与えられている。レクサスの世界観とこだわりを表現したモデルへと成長した。
オンロードでの操縦安定性や静粛性、乗り心地などは、ラダーフレーム車としては世界トップレベルの実力車であるとも言える。レクサスファン以外にも幅広く支持されるモデルへと進化を遂げたのではないか。
新型レクサスLXは納期が4年になる場合も考えられるほどの人気車だ。新型レクサスLXに乗りたいがそれまでの乗り継ぎ先として中古車を探したい方はランドクルーザーやアウトランダーPHEVといった車種について検討をするのもよいだろう。

レクサスLXの価格・スペック

レクサスLX価格

グレード 価格
LX600 “EXECUTIVE” 18,000,000円
LX600 “OFFROAD” 12,900,000円
LX600 12,500,000円

レクサスLX 燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード LX600 EXECUTIVE
ボディサイズ 全長5,100mm×全幅1,990mm×全高1,895mm
ホイールベース 2,850mm
トレッド前/後 1,675mm/1,675mm
最低地上高 210mm
車両重量 2,600kg
エンジン型式 V35A-FTS
総排気量 3,444cc
最高出力 305kw(415ps)/5,200rpm
最大トルク 650N・m(66.3kg-m)/2,000~3,600rpm
トランスミッション 10速AT
WLTCモード燃費 8.0km/L
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
定員 4人