三菱エクリプスクロスPHEV vsトヨタRAV4 PHV

三菱エクリプスクロスPHEVとトヨタRAV4 PHVは次世代のプラグインハイブリッドだ。
電力バッテリーが十分な時はEV、無くなるとハイブリッドに自動変更されるクルマである。
今回は、エクリプスクロスPHEVとRAV4 PHVを徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、安全装備、走行性能などを比較・評価した。

この記事の目次 CONTENTS
三菱エクリプスクロスPHEVの特徴
トヨタRAV4 PHVの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

三菱エクリプスクロスPHEVの特徴

エクリプスクロス PHEV エクリプスクロス PHEV

三菱エクリプスクロスは、2018年3月に新型車として登場した。
発売当初はガソリン車のみだったが、後にディーゼル車が追加された。
そして、2020年12月に早くも大幅マイナーチェンジを敢行、ディーゼル車の代わりにPHEV(Plug-in Hybrid Electrical Vehicle)を新投入した。

PHEVは、外部電力を使い車載のバッテリーを充電するタイプのクルマだ。
通常はEVとして、充電した電力を使い走行する。
バッテリーの電力が無くなると、エンジンで発電した電力を使いモーター走行にシフトされる。

このエクリプスクロスPHEVのシステムは、1クラス上のアウトランダーPHEVと基本的に同じシステムを使っている。
2.4Lエンジンを搭載し、駆動用バッテリーの容量は13.8kWhだ。
満充電時でのEV航続距離は57.3km(WLTCモード)である。
送迎や通勤など、日々のチョイ乗り程度であれば、ガソリンをほとんど使わず走行ができる。
CO2の排出量を減らすだけでなく、ガソリンより価格が安い電力を使うことで経済性にも優れているのが特徴だ。

また、エクリプスクロスPHEVは4WDのみの設定で、4WD制御は三菱独自のS-AWC(Super-All Wheel Control)を採用している。
意のままに走行できる性能が楽しめる。

トヨタRAV4 PHVの特徴

RAV4 PHV RAV4 PHV

トヨタRAV4 PHVは、ベースとなるRAV4やハリアーと同じプラットフォーム(車台)が使われている。
最新のGA-Kと呼ばれるプラットフォームが採用され、2020年6月に発売された。

RAV4のPHVとは「Plug-in Hybrid Vehicle」の略である。
エクリプスクロスPHEVとは、呼び名が異なるものの、基本的な仕組みは同じだ。
コンセントや充電器などから電力供給を受け、バッテリー容量が十分な時はEVとして走行する。
バッテリーの電力が無くなると、ハイブリッドモードに自動変更される。

RAV4 PHVは、新開発のプラグインハイブリッドシステム「THSⅡ Plug-in」を搭載している。
2.5Lエンジンをベースに前後に各1つ、計2つのモーターを使った4WDだ。
システム出力は306psと、かなりパワフルである。
駆動用バッテリーの容量は18.1kWhと大きく、EV航続距離は95㎞と長い。
急速充電器には対応していないのが惜しまれる。

1.燃費比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 4.0
RAV4 PHVの評価は 5.0

ハイブリッド燃費はRAV4 PHVの圧勝!

 
  EV航続距離 ハイブリット燃費 バッテリー容量 1kWhの電力量で 走れる距離
三菱 エクリプスクロスPHEV 57.3㎞(WLTCモード) 16.4㎞/L(WLTCモード) 13.8kWh 4.15㎞
トヨタ RAV4 PHV 95.0㎞ 22.2㎞/L(WLTCモード) 18.1kWh 5.25㎞

EV航続距離は、概ね搭載されたバッテリーの容量に比例する。
トヨタRAV4 PHVは18.1kWhとエクリプスクロスより容量が大きい。
とはいえ、1kWhの電力量で走れる距離はRAV4 PHVが優れている。

同様に、ハイブリッド時の燃費もRAV4 PHVの圧勝している。
パワーユニットの効率はRAV4が大きく差をつけた。

2.価格比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 4.0
RAV4 PHVの評価は 3.5

買い得感ある価格のエクリプスクロスPHEV

 
  • 三菱 エクリプスクロスPHEV 3,848,900円~4,477,000円
  • トヨタ RAV4 PHV 4,690,000円~5,390,000円

価格帯だけを見ると、エクリプスクロスPHEVのコストパフォーマンスは優れているように感じる。

高コスト要因のひとつは、リチウムイオンバッテリーだ。
容量の大きいバッテリーを積むRAV4 PHVは、より高価になっている。

装備差は若干あるものの、それほど大きな差ではない。
ただ、コネクティッドサービスや予防安全装備などの性能差を含むと、RAV4 PHVがやや勝っている。
性能差分を考えると、RAV4 PHVのコストパフォーマンスもそれほど悪くはない。

3.購入時の値引き術

エクリプスクロスPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 3.0

エクリプスクロスPHEVは、大幅値引きの期待大!

三菱エクリプスクロスPHEVは、2021年4月現在、デビュー直後のモデルだ。
通常なら値引きは抑制されるタイミングである。
しかしコロナ禍に加え、三菱は販売低迷中のため、大幅値引きが提示される可能性も高い。

大幅値引きを勝ち取るためには、やはりライバル車との競合が重要だ。
RAV4 PHVはもちろん、価格帯が近いハリアーハイブリッド、ひとクラス上のマツダCX-8などと競合させるのが良いだろう。
三菱ディーラーは、必ずライバル車の見積りを取った後に行くことをおすすめする。
あくまで、アウトランダーPHEVは通りすがり的に見に来た程度で商談しよう。
本命がエクリプスクロスPHEVだと悟られないためだ。
エクリプスクロスPHEVを購入する条件として、はっきり「値引き次第」だと提示するとよい。
三菱ディーラーはある意味値引き慣れをしているので、勝負に出てくる可能性があるからだ。

トヨタRAV4 PHVも、コロナ禍の影響なのか、一定の値引きが出来そうだ。
もちろん、何もしないと値引きはほぼゼロになるので、しっかりと競合させたい。
ライバル車はエクリプスクロスPHEVだけでなく、価格帯が近いBMW X1やメルセデス・ベンツGLBなどと競合させるのも効果的だ。

また、トヨタディーラーは、全店全車種扱いである。
そのため、経営の異なるトヨタディーラー同士でRAV4 PHVを競合させるのもおすすめだ。

4.デザイン比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 4.0
RAV4 PHVの評価は 3.5

キャラの濃さではエクリプスクロスPHEVか?

エクリプスPHEVの外観 エクリプスPHEVの外観

三菱エクリプスクロスPHEVのデザインコンセプトは、「Daring Grace(大胆にして、優雅)」だ。
フロントフェイスには、三菱のデザインアイコンでもあるダイナミックシールドを採用した。
より大胆で迫力あるフロントフェイスになっている。
一段と洗練されていてスタイリッシュ感もプラスされた。

エクリプスPHEVのフロントフェイス エクリプスPHEVのフロントフェイス

リヤビューは、マイナーチェンジ前のモデルは、前傾したリヤウインドウを上下で二分割するというユニークなデザインを採用していた。
しかし、マイナーチェンジ後のモデルからは、一般的なリヤウインドウになった。

トヨタRAV4 PHVのデザインは、エクリプスクロスPHEVと同じようなエッジの効いたラインを多用している。

RAV4 PHVの外観 RAV4 PHVの外観

デザインコンセプトは、他のモデルと同じく「Adventure & Refined」だ。
「アクティブで力強いワクドキ感(Adventure)」と「都会にも似合う洗練さ(Refined)」を併せ持つデザインとしている。
RAV4 PHVは、専用のフロントグリルとロアモール、専用LEDデイライトを装備し差別化している。

RAV4 PHVの専用LEDデイライト RAV4 PHVの専用LEDデイライト

両車共にエッジの効いたデザインがベースということもあり、かなり個性的だ。
どちらも、好き嫌いが明確に出るデザインだろう。
ただ、キャラの濃さと言う点では、エクリプスクロスPHEVがやや上回る印象だ。
より注目されたいと言う点で判断すれば、エクリプスクロスPHEVがおすすめである。

5.室内空間と使い勝手

エクリプスクロスPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 4.0

使い勝手、気の利いた装備が多いRAV4 PHV

エクリプスPHEVのインパネデザイン エクリプスPHEVのインパネデザイン

三菱エクリプスクロスPHEVのインパネデザインは、全体的にボリュームがあり太く力強さを感じさせるセンターコンソールが組み合わされている。
いかにもSUV的でタフネスさを彷彿とさせる。
また、ブラックを基調とした内装色にシルバーの加飾をプラスし、ハイコントラストなインテリアにまとめている。

エクリプスクロスPHEVは、1クラス上のアウトランダーと共通のプラットフォーム(車台)を使っている。
そのため室内空間はなかなか広く、使い勝手も良い。

リヤシートは9段階のリクライニング機能をもち、荷室も359Lと大容量だ。

エクリプスPHEVのリヤシート エクリプスPHEVのリヤシート
エクリプスクロスPHEVの荷室 エクリプスクロスPHEVの荷室

トヨタRAV4 PHVのインパネデザインは、水平基調でワイドさを強調。

RAV4 PHVのインパネデザイン RAV4 PHVのインパネデザイン

大型9インチのディスプレイオーディオを標準装備している。
また、リヤシートヒーターを標準装備し、後席の快適性を向上させている。

RAV4 PHVのリヤシート RAV4 PHVのリヤシート

荷室容量も490Lと十分な広さをもつ。

RAV4 PHVの荷室 RAV4 PHVの荷室

室内スペースは、ほぼ互角といった印象。
こうしたプラグインハイブリッド車は、通常EV走行するため、エンジンがなかなか始動しない。
そのため、冬場はエンジン熱を使えないため室内は少し寒い傾向にある。
RAV4 PHVの後席シートヒーター標準装備は、後席に座るゲストに優しい。
エクリプスクロスPHEVは、オプション設定だ。
RAV4 PHVのフロントシートは、上から2グレードでシートヒーターに加えベンチレーションが付く。
エクリプスクロスPHEVのフロントシートは、上から2グレードはシートヒーターが付き、エントリーグレードはオプション、ベンチレーション機能はない。

そして、意外と重要なのが100V/1500Wのコンセントだ。
このコンセントを使うことで、家電などに電力を供給することができる。
アウトドアレジャーなどで家電が使えるようになり、利便性はとても向上する。
最も活躍するのが、台風や地震などの災害で停電した時だ。
電力供給によって、たくさんのスマートフォンの充電や、暖房や冷房などの使用が可能になるのだ。
災害時に多くの人をアシストすることができるクルマの付加価値は計り知れない。

エクリプスクロスPHEVのコンセントは、エントリーグレードでオプション、その他のグレードは標準装備だ。
RAV4 PHVは全車標準装備化と、価格が高い分装備が充実している。
しかし、急速電器に非対応なのが惜しい。
トヨタいわく、急速充電器をPHEVが使うと充電器が足りなくなるため非対応にしたとのことだ。
トヨタ各ディーラーに急速充電器を設置することが望まれる。

6.安全装備の比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 3.0
RAV4 PHVの評価は 4.0

自動ブレーキの性能、その他の機能などで上回るRAV4 PHV

 

三菱エクリプスクロスPHEVには、三菱の予防安全装備パッケージ「e-Assist」が用意されている。
重要な自動ブレーキは、昼間の歩行者のみ対応可能だ。

【エクリプスクロスPHEV】

機能名 エントリーグレード その他グレード
前後の誤発進抑制機能・車線逸脱警報 標準装備 標準装備
後側方車両接近警報・ 後退時車両接近警報 装着不可 中間グレード…オプション/上級グレード…標準装備
全車速前走車追従式 クルーズコントロール 装着不可 標準装備

三菱エクリプスクロスPHEVは前後の誤発進抑制機能、車線逸脱警報などが標準装備されている。
しかし、後側方車両接近警報や後退時車両接近警報、全車速前走車追従式クルーズコントロールは、やや物足りない設定だ。

トヨタRAV4 PHVの予防安全装備パッケージは「トヨタセーフティセンス」と呼ばれる。

【エクリプスクロスPHEV vs RAV4 PHV】

機能名 三菱エクリプスクロスPHEV トヨタRAV4 PHV
自動ブレーキ 昼間の歩行者のみ 昼夜の歩行者・昼間の自転車
車線維持機能 車線逸脱警報 車線維持機能
後側方車両接近警報・ 後退時車両接近警報 エントリーグレード…装着不可/中間グレード…オプション/上級グレード…標準装備 エントリーグレード…オプション/その他のグレード…標準装備

RAV4 PHVの自動ブレーキの性能は、エクリプスクロスPHEVを大きく上回る。
車線維持機能は、エクリプスクロスPHEVは車線逸脱警報なのに対し、RAV4 PHVでは車線維持機能だ。
RAV4 PHVは後側方車両接近警報や後退時車両接近警報がほぼ標準装備なのも高評価である。

このように、予防安全装備の機能や性能面では、完全にRAV4 PHEVが上回っている。

7.走行性能の比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 4.5
RAV4 PHVの評価は 4.5

とにかく走りが楽しいエクリプスクロスPHEV

エクリプスクロスPHEVのエンジンルーム エクリプスクロスPHEVのエンジンルーム

三菱エクリプスクロスPHEVは、前輪に82ps&137Nm、後輪に95ps&195Nmのモーターを装備する。
モータードライブ車らしく、アクセルレスポンスに優れ、スムースで力強い加速が魅力だ。

エクリプスクロスPHEVとアウトランダーPHEVはプラットフォーム(車台)とパワーユニットが共通している。
アウトランダーPHEVはやや柔らかめな乗り心地でラグジュアリーSUV感がある。
対するエクリプスクロスPHEVは、やや硬めの乗り心地で、キビキビと走ることができる。

そのキビキビ感を支えているのが、三菱独自の4WD制御技術S-AWC(Super-All Wheel Control)だ。
ドライバーが走行シーンに合わせて以下の4つのモードから選択することで、最適な走りが可能となる。

  • NORMAL(ノーマル)モード…万能で無難
  • SNOW(スノー)モード…雪道などの滑りやすい路面で車両挙動を安定
  • GRAVEL(グラベル)モード…悪路で優れた走破性と安定性を発揮
  • TARMAC(ターマック)モード…主に乾燥舗装路での旋回性と安定性を高次元で両立

この制御が意外なほどメリハリが効いてきて、なかなか面白い。

スノーモードは、車両の安定性を徹底している。
滑りやすい道では、とにかくタイヤを空転させないよう、ゆっくりとクルマを前に進めてくれる。

グラベルは、タイヤの空転をある程度容認するモードだ。
トラクションのかかる車輪を有効に使い、前方にクルマを押し進めてくれる。

ターマックは、もはやSUVとは思えないほど楽しい走りを見せた。
横滑り防止装置(ASC)をオフにして走れば、軽くドリフトさせて走行することも可能だ。
エクリプスクロスPHEVは床下に大きく重いバッテリーを搭載しているため、ガソリン車よりも低重心化されている。
こうしたメリットも生かし、グイグイグリグリとクルマが良く曲がる。

横滑り防止装置(ASC)をオンにすると、各モード共にやや挙動は異なるものの、何事も無かったように4WD制御技術S-AWCが4輪を的確に制御してくれる。
たとえ、アクセルをラフに踏もうと、ステアリング操作を雑にしようとも、滑りやすい路面でもスムースに曲がることができる。
ドライバーは何もしなくても安心して走ることが可能、というオートマチックさも魅力のひとつだ。

トヨタRAV4 PHVは、2.5Lエンジンを使った新開発のプラグインハイブリッドシステム「THSⅡ Plug-in」を採用している。

RAV4 PHVのエンジンルーム RAV4 PHVのエンジンルーム

フロントモーターは182ps&270Nm、リヤモーターは54ps&121Nm、システム出力は306psと非常にパワフルな仕様だ。
0-100km/h加速タイムは6.0秒と、ちょっとしたスポーツカー並といえる。
アクセルをグッと強く踏み込むと、頭が後方に引っ張られるような加速感が味わえる。
モータードライブなので、非常にスムースだ。

RAV4 PHVで特筆すべきは、静粛性だ。
吸遮音材を最適配置し、ダッシュパネルやフロアの吸音材の範囲も拡大した。
さらに接合部の隙間も細部まで埋めたり、高遮音性ガラスを採用し風切り音を低減したりと、入念なノイズ対策を実施している。
そのため、走行中は極めて高い静粛性を実現することが可能となった。
ほとんどエンジンの始動や停止も分からないほどの静けさを誇る。
静粛性の高かったハリアーハイブリッドでさえ、まったく敵わない。

RAV4 PHVの乗り心地は、なかなか良好である。
PHV化されボディ剛性がアップしたことや、車重が重くなったことが功を奏した。
不快な突き上げ感もほとんどなくフラットで快適に街中を走り抜けることができる。

エクリプスクロスPHEVとRAV4 PHVでは、やや走りのテイストが異なる。

エクリプスクロスPHEVは、リヤモーターの出力が高く、ドライバーの腕次第でFR(後輪駆動)のような走りが楽しめる。
4WDの制御幅も広く、色々なシチュエーションに対応可能だ。
オン、オフ問わず運転を楽しみたいのならエクリプスクロスPHEVをおすすめする。

対するRAV4 PHVの高い静粛性能と快適な乗り心地、力強い加速力などは、ロングツアラー向きともいえる。
より快適・経済的に長距離移動したいのであれば、RAV4 PHVが良いだろう。

8.リセールバリュー比較

エクリプスクロスPHEVの評価は 3.5
RAV4 PHVの評価は 4.0

両車ともに、やや不透明なリセールバリューに

三菱エクリプスクロスPHEVのリセールバリューは、人気カテゴリーのSUVなので、少し高めとなる可能性が高い。
ただ、三菱のブランド力が低いため、トヨタやスバルなどのSUVと比べるとリセールバリューは低めになるだろう。

トヨタRAV4 PHVのベースとなるRAV4 は高いリセールバリューを保っている。
さらに、RAV4 PHVは一時期売れすぎて、バッテリーの供給が間に合わないという状況になったほどだ。
こうした状況を踏まえると、RAV4 PHVのリセールバリューも高値確実といえる。

ただ、少し不安もある。
プリウスPHVのリセールバリューは、少々低迷している。
また、輸入車のPHEVもガソリン車と比べるとリセールバリューが低くなる傾向がある。
数年後にはRAV4 PHVもリセールバリューが下がる可能性もあるので注意したい。

9.まとめ・評価

尖ったエクリプスクロスPHEVか? 完成度の高い無難なRAV4 PHVか?

三菱エクリプスクロスPHEVは4WD制御技術S-AWCの制御により、オンオフ問わず楽しい走りが魅力的なクルマだ。
走りの楽しさと言う点では、RAV4 PHVを上回っている。
運転を楽しみたいというのであれば、エクリプスクロスPHEVがよい。

トヨタRAV4 PHVは、予防安全装備の性能や機能、装備、パワーユニットの効率、優れた静粛性と乗り心地などの面では、エクリプスクロスPHEVを上回る。
車両価格がエクリプスクロスPHEVに比べ高価だが、その分以上の価値ある。

RAV4 PHVは、総合力が高く多くの人に合い、良くも悪くも無難な選択といえる。
エクリプスクロスPHEVは、走行性能は絶対に譲れない、そんな人向けのモデルだ。

  エクリプスクロスPHE RAV4 PHV
総合得点(40点満点) 30.0点 31.5点
1.燃費 4.0点 5.0点
2.価格 4.0点 3.5点
3.購入時の値引きしやすさ 3.5点 3.0点
4.デザイン 4.0点 3.5点
5.室内空間と使い勝手 3.5点 4.0点
6.安全装備 3.0点 4.0点
7.走行性能 4.5点 4.5点
8.リセールバリュー 3.5点 4.0点