スズキ ハスラーとスズキ スペーシアギアを徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などさまざまな角度から調査した。
ともにスズキの独壇場とも言えるSUVテイストの軽自動車である両車。
最新モデルであるハスラーの魅力は、予防安全装備や乗り心地、静粛性など。スペーシアギアの魅力は、スーパーハイト系ならではの高い全高と両側スライドドアの使い勝手の良さだ。
何を重視するかを決めてから選びたい。
- この記事の目次 CONTENTS
- ハスラーの特徴
- スペーシアギアの特徴
- 1.燃費比較
- 2.価格比較
- 3.購入時の値引き術
- 4.デザイン比較
- 5.室内空間と使い勝手
- 6.安全装備の比較
- 7.走行性能の比較
- 8.リセールバリュー比較
- 10.まとめ・総合評価
スズキ ハスラーは、2020年1月にフルモデルチェンジし2代目となった、ハイト系軽自動車だ。
初代ハスラーは、発売当時、SUVテイストをもつ軽自動車がマーケットに無かったことから、大ヒットモデルとなった。
実用車として人気のワゴンRがベースであることを感じさせないほど、遊び心あふれるデザインが特徴だ。
一方、スズキ スペーシアギアは、2018年12月に登場した新型車だ。
初代ハスラーで得たノウハウを生かし、人気のスーパーハイト系にもSUVテイストをもつスペーシアギアを投入した。
車名から分かる通り、スペーシアをベースとしたモデルとなる。
SUVテイストの軽自動車は、スズキの独壇場といえるカテゴリー。
ハイト系のハスラーなのか?それともスーパーハイト系のスペーシアギアなのか?
クラスが異なるSUVテイストの軽自動車を徹底比較評価する。
ハスラーの特徴
優れた乗り心地と静粛性
ハスラーのターボモデルは、フルモデルチェンジしたことで、クラストップレベルの静粛性と快適な乗り心地を手に入れている。
ターボ車はパワーもあるので、高速道路でも楽々ロングドライブが楽しめる。
アウトドア的なハスラーの魅力をさらに引き出したといえる。
スペーシアギアの特徴
アウトドアにスライドドアという利便性と積載性をプラス
今までスーパーハイト系にSUVテイストをプラスした軽自動車は無かった。そのため、スペーシアギアの価値は高い。
アウトドア志向の顧客に、スライドドアの利便性と、高い全高がもたらす積載性を初めて提供したのだ。
1.燃費比較
ハスラーの評価は4.5点
スペーシアギアの評価は4点
両車マイルドハイブリッドを搭載、ともにクラストップレベルの低燃費
ハスラーの燃費は30.4㎞/L(JC08モード)、スペーシアギアの燃費は、28.2㎞/L。
両車ともにマイルドハイブリッドのみの設定となっている。
ハスラーとスペーシアギアの燃費差は、車高と空気抵抗、車重の差によるものだ。
スーパーハイト系のスペーシアギアは、背が高いため空気抵抗が大きい。
さらにスライドアを装備しているため、車重が重い。
660㏄と排気量が小さい軽自動車は、車重により燃費が大きく変動する。
スーパーハイト系のスペーシアギアが、燃費値が悪くなるのは仕方がないのだ。
両車ともにクラストップレベルの燃費値になっているのは、高く評価できる。
ともにマイルドハイブリッドシステムを搭載する両車だが、その制御は異なっている。
スペーシアギアは、クリープ時にわずかな時間EV走行可能だが、ハスラーはクリープ時のEV走行ができない。
ハスラーが、より燃費を重視した制御に変更したことが要因だ。
2.価格比較
ハスラーの評価は3点
スペーシアギアの評価は3点
一見、お買い得感のあるスペーシアギアだが…?
ハスラーのおすすめグレードは、ターボ車のハイブリッドXターボ。価格は1,612,600円。
対するスペーシアギアのおすすめグレードは、こちらもターボ車で1,727,000円だ。
価格差は、約11万円となる。
単純に価格差だけを見ると、スーパーハイト系で両側スライドドアを装備しているスペーシアギアの方が、お買い得感があるように見える。
しかし、ハスラーにはカーテンエアバッグと標識認識機能、全車速追従式クルーズコントロールが標準装備されている。
また、歩行者検知式自動ブレーキも、昼間だけでなく夜間にも対応している。装備はハスラーが上回るのだ。
装備も含めて考えると、価格的には同等程度といった印象だ。
3.購入時の値引き術
ハスラーの評価は4点
スペーシアギアの評価は3点
値引きの期待大なスペーシアギア、しばらく期待できないハスラー
ハスラーは、2020年1月にフルモデルチェンジしたこともあり、しばらくの間は厳しい値引き状況になる。バックオーダーも多いためだ。
値引きのポイントは「納期」。
注文してから1ヶ月程度の納期であれば、バックオーダーもそれほどなくなっているのでチャンスとなる。
また、今までは強力なライバル関係となるモデルが無かったハスラーだが、2020年中頃にはライバル車となる新型車「ダイハツ タフト」が投入される予定だ。
この頃にはバックオーダーも減っていると予想できるので、値引き拡大のチャンスとなるだろう。
新型タフトの見積り書を持ってハスラーの商談に入れば、一定の値引き額が引き出せる。
一方、スペーシアギアも直接のライバル車はないものの、スーパーハイト系はN-BOXのひとり勝ち状態が続いているため、厳しい戦いを強いられている。
すでに未使用車も流通しているので、一定の値引きが引き出せるだろう。
ただ、何もせずに商談すれば値引きは厳しいので、N-BOXやタントの見積書を先に取ってから商談を始めるとよい。
本命はあくまでN-BOXやタントで、スペーシアギアは価格次第。さり気なくそんなアピールをすれば、他車に取られまいと値引き勝負に出てくるだろう。
4.デザイン比較
ハスラーの評価は4点
スペーシアギアの評価は3.5点
タフネスさを感じさせるハスラー、遊び心あふれるスペーシアギア
2代目ハスラーは、初代ハスラーのスクエアなフォルムと丸型ヘッドライトを組み合わせたデザインを踏襲している。
初代と異なる点の1つは、フェイスデザインだ。
初代よりもフードを持ち上げることで、厚みのあるフェイスとなった。顔が大きく見え、迫力がアップしている。バンパーやフェンダーまわりのデザインもボリュームが増し、タフなSUV感が大幅にアップ。
ただ、先代よりも可愛らしさは減っている。
インパネデザインについては、タフさをアピールする3連インパネカラーガーニッシュを採用。
上下のバーでガーニッシュを挟み、力強い骨格を表現した。かなりユニークなインパネデザインとなっている。
このように、プラットフォームなどはワゴンRと共用するものの、外観や内装デザインは、まったく共通性を感じさせないとことがハスラーの特徴でもある。
一方、スペーシアギアはハスラーとは異なり、スペーシアと名が付くだけあって派生車の位置付けとなる。
そのため、全体のシルエットはスペーシアとほぼ同じ。
しかし、フェイスデザインがまったく異なるので、まるで違うモデルに見えるのが特徴だ。
スクエアなフォルムに丸形ヘッドライトの組み合わせは、ハスラーと同じ。
しかし、スペーシアギアのヘッドライトは、少々小さめ。
左右のヘッドライトとグリルをつなぐガーニッシュをブラックアウトすることで、オリジナリティのある引き締まった顔に作り上げている。
アンダーガード風のバンパーも、ハスラーほどボリューム感はなく、タフネスさはない。
その代わり、可愛らしさは感じさせる。
インパネまわりの基本デザインも、外観同様、スペーシアと同じだ。
メーターやシートステッチなどには、オレンジのアクセントカラーをプラス。
さらに、ツールボックスをモチーフにしたインパネアッパーボックスを採用し、遊び心ある空間にまとめられている。
同じSUV系のテイストをプラスした軽自動車だが、ハスラーは独自性を貫くデザインなのに対して、スペーシアギアは派生車としてのスタイルを保っている。
オリジナリティという面では、ハスラーが勝る印象だ。
5.室内空間と使い勝手
ハスラーの評価は3.5点
スペーシアギアの評価は4.5点
居住スペースは同等、長く大きな荷物を積むならスペーシアギア
ハスラー、スペーシアギアともに軽自動車なので、全長3,395mm×全幅1,475mm、ホイールベース2,460mmとなっている。
ホイールベースは同じなので、前席や後席などの居住スペースもほぼ同じだ。
異なるのは全高だ。
ハイト系のハスラーは1,680mm、スーパーハイト系のスペーシアギアは1,800mm。
両車ともにアウトドアでの使い勝手を重視し、後席の背面やラゲッジフロアに、汚れがふき取りやすい素材を採用している。
ハスラーは、荷室下に防汚タイプのラゲッジアンダーボックスを用意。
ラゲッジボードを外せば荷室高が拡大する。
背の高い荷物を収納することができ、ボックスは取り出して洗うことができる。
汚れたものの収納に便利な機能だ。
一方、スペーシアギアは全高が高いため、より高さのある荷物の積載が可能だ。
仕様にもよるが、27インチの自転車も積載可能。
両側スライドドアもあるため、狭い駐車場での乗り降りや、荷物の出し入れも楽々できる。
小さな子供なら立ったままクルマから乗り降りでき、車内での着替えなども容易だ。
高齢者の乗降もしやすい。
使い勝手という面では、やはりスペーシアギアが上回る。
6.安全装備の比較
ハスラーの評価は3.5点
スペーシアギアの評価は2.5点
夜間の歩行者検知ができるハスラーが一歩リード
予防安全装備は、まさに日進月歩といった状態だ。
最新モデルであるハスラーは、予防安全装備も最新。
肝心の自動ブレーキは、従来は昼間の歩行者検知のみだったが、夜間の歩行者が検知できるようになった。
視界が制限される夜間の歩行者検知ができるようになったことで、より安全性能は高くなっている。
ただ、今や自転車検知も当たり前になりつつあるので、更なる進化を期待したい。
他の安全装備では、踏み間違え防止制御など、多くの安全装備を備えた「スズキセーフティサポート」を用意している。
エアバッグ関連では、サイド&カーテンエアバッグが標準装備されている。
スペーシアギアは、ハスラーよりデビューが古いため、残念ながら昼間の歩行者のみ対応の自動ブレーキになっている。
その他の安全装備である「スズキセーフティサポート」は、ハスラーと同等レベル。
ただ、エアバッグ類は、カーテンエアバッグが用意されていない。
予防安全装備を装備していないグレードもあるため、単に安いからといって、こうしたグレードを選んではいけない。
安全性能面では、ハスラーが上回る。
7.走行性能の比較
ハスラーの評価は4.5点
スペーシアギアの評価は3点
クラストップレベルの乗り心地&静粛性を誇るハスラー
ハスラーは、非常に高い静粛性と快適な乗り心地を誇る。
ゴトゴトとした乗り味が無く、サスペンションがしなやかに動く。
大きな凸凹でも同じで、見事なくらいショックを吸収する。
路面追従性や、ボディ剛性の高さを感じさせる乗り心地だ。
ターボモデルは、さらに静粛性に優れる。
もはや軽自動車の枠を超え、並みのコンパクトカー以上といった印象だ。
ターボモデルのエンジン出力は、64ps&98Nmとパワフル。
高速道路でも余裕のあるクルージングができ、静粛性も高いので疲れない。
軽自動車はセカンドカーとしてのイメージが強いが、ハスラーのターボ車なら十分にファーストカーとしての価値がある。
ターボ車はやや高価だが、満足度は高い。
ハンドリングは、穏やか。
無駄にキビキビ感を出していないところに、好感がもてる。
癒し系の外観デザインに似合う、のんびりとドライブが楽しめる乗り味だ。
対するスペーシアギアは、少々ゴツゴツとした硬めの乗り味になる。
全高が高く、横転のリスクが高いため、サスペンションを硬めにしてリスクを低減する必要があるからだ。
自然吸気エンジンの出力は52ps&60Nm。車重は900㎏弱と重い。
急な坂道や高速道路などではエンジンの回転が上がるため、やや騒がしく感じる。
ややアンダーパワー感もある。
ターボモデルでは64ps&98Nmとなり、余裕が出てくる。
ロングドライブ派には、ターボモデルがおすすめだ。
注意したいのは、最低地上高だ。
ハスラーは180mmと十分な数値を確保しているのだが、スペーシアギアは150mm。
アウトドア感あふれる外観デザインなのだが、最低地上高は普通の軽自動車と同じ。
あまり荒れた道には近付かない方がよい。
8.リセールバリュー比較
ハスラーの評価は3点
スペーシアギアの評価は4点
スーパーハイト系のスペーシアギアは、高リセールバリューの期待大
軽自動車は、人気カテゴリーだ。
中でも圧倒的に高い人気を集めているのが、スーパーハイト系。
そのためリセールバリューは、全般的にやや高めに推移している。
人気絶頂のスーパーハイト系の中でもユニークなSUVテイストをもつスペーシアギアは、リセールバリューは高値維持傾向といえる。
一方、一世を風靡したハイト系モデルは、今では人気のスーパーハイト系にはやや劣る傾向だ。
ただ、SUVテイストをもつハスラーは、ユニークな存在なので高値傾向となる可能性が高い。
ただし、ライバルとなるダイハツ タフトが登場してくると、若干、リセールバリューは下がる可能性が高い。
10.まとめ・総合評価
ハスラーの総合点は30点/40点
スペーシアギアの総合点は27.5点/40点
スライドドアの有無が選択の分かれ目?
おすすめは、やはり最新モデルとなるハスラーだ。
予防安全装備や乗り心地、静粛性などの面では、スペーシアギアを完全に上回っている。
最低地上高も高いので、悪路にも強い。
こうした要素を重視するのであれば、ハスラーを積極的に選ぶとよい。
スペーシアギアが優れている点は、やはり高い全高による使い勝手の良さと両側スライドドア。
スライドドアは小さな子供をもつ家庭なら、かなり大きなメリットになる。
また、全高が高いので大きな荷物を積む場合なども便利だ。
ハスラーとスペーシアギアの選択は、使い方を明確にすることが重要。
自分にとって、何が重要な要素かを決めてから選択するとよい。
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ハスラーのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年1月(2020年1月)〜現在
- 新車時価格
- 128.0万円〜197.2万円
ハスラーの在庫が現在476件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。