トヨタは、17年振りにスポーツクーペのスープラを復活させ、2019年春に発売を開始する予定だ。5代目となる新型GRスープラは、GAZOO Racing(ガズー レーシング)が展開する、スポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデル。この新型GRスープラが、北米デトロイトショーで世界初公開された。デザインや走りの解説、発売時期や価格の予想も併せてお届けする。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1.17年振りに発売された5代目スープラ
- 2.トヨタデザインをアピールしたGRスープラ
- 3.ハンドリングにこだわり進化したGRスープラ
- 4.グレードごとに3タイプのエンジンをラインアップ
- 5.新型GRスープラの発売はいつ?価格はどのくらい?
- 6.新型トヨタ GRスープラ スペック
1.17年振りに発売された5代目スープラ
初代スープラは、1978年に誕生した。
歴代スープラは、直6エンジンとFR(後輪駆動)を継承している。
今回の新型GRスープラも、直6エンジンとFRを受け継いだ。

BMWとの共同開発でZ4がベースのクーペに
トヨタブランドは、販売台数が期待できないスポーツモデルを、自社で100%開発しない傾向にある。
86もスバルとの共同開発だ。
新型GRスープラも、BMWとの共同開発になっている。
新型GRスープラは、BMW Z4とプラットフォームやエンジンといった、基本部分が共通化されている。
そのため、新型GRスープラでは、トップグレード以外には直4ターボエンジンが設定されている。
Z4との大きな違いは、Z4がオープンボディなのに対して、新型GRスープラはクーペボディであることだ。
その他の、ホイールベースやトレッドといった基本的なスペックはZ4と同じだ。
2.トヨタデザインをアピールしたGRスープラ
新型GRスープラのデザインは、優美な曲線が組み合わされたグラマラスなものとなった。

実用的かつ特徴的なエクステリア
外観ですぐに目に入るのが、ダブルバブルルーフだ。
クーペ系のルーフデザインによく採用される手法となっている。
ルーフにコブがふたつあるように見え、空気抵抗を低減する効果もある。
サイドビューは、ロングノーズショートデッキでFR車らしさをアピールしている。
特徴的なのは、大きく膨らんだグラマラスなリヤフェンダーだ。
トヨタ車としては珍しく、フェンダーとツライチにセットされ、ボディとホイールの一体感も抜群だ。
シフトなどの細部パーツはBMW的
インパネデザインは、新型GRスープラオリジナルとなっている。
ただし、シフトノブといった細部パーツ類はいかにもBMW的に見える。
3.ハンドリングにこだわり進化したGRスープラ
新型トヨタGRスープラが目指したのは、キレのあるハンドリングマシンであること。
そのため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」にこだわった。
また、2シーターとすることで、86よりも100mm短いホイールベース2,470mmとなっている。
ホイールベースとトレッドの比は1.55。
他の量産スポーツカーと比較しても、トップレベルの数値を叩き出している。
つまり、優れた回頭性を誇るスペックになっているということだ。

重心高、重量配分に表れたBMWのこだわり
スポーツカーにとって重心高は、優れた運動性能を得るために重要な数値だ。
水平対向エンジンを搭載した86よりも、新型GRスープラはさらに低く設計されている。
そして、前後の重量配分も、BMWのこだわりである「50:50」となっている。
86やレクサスLFAをも上回るボディ剛性
スポーツ走行では、ボディ剛性の高さが重要になる。
新型GRスープラは、アルミニウムと鉄を用いた骨格構造をもち、異なる素材同士の接合強度が追求されている。
その結果として、ボディ剛性は86の約2.5倍を達成している。
この数値は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用した、レクサスLFAをも上回るものだ。
このような強固なボディにより、サスペンションはスムースに路面に追従する。
サスペンションは、フロントにダブルジョイントスプリングストラット式、リヤにマルチリンク式が採用されている。
アクティブディファレンシャル装備で優れた性能を発揮
より旋回性能と安定性を高める技術として、アクティブディファレンシャルも装備されている。
この機能は、VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって、後輪左右間のロック率を0~100の範囲で、無段階に最適制御するものだ。
優れた旋回性能と安定性、トラクション性能を発揮する。
4.グレードごとに3タイプのエンジンをラインアップ
新型トヨタGRスープラには、計3タイプのエンジンが用意されている。
トップグレードのRZに搭載されるのは、3.0L直6ターボ。
トヨタは、「直6エンジンがスープラのDNA」とアピールしている。
しかし、価格が高価になり過ぎることを警戒してか、Z4にも搭載される2.0L直4ターボ2タイプも用意している。

2.0L直4ターボも含め、グレード選択が可能
最上級グレードであるRZに搭載されるのは、最もハイパワーな直6ターボで340ps&500Nmを発生させる。
258ps&400Nmをアウトプットする2.0L直4ターボのグレードは、SZ-Rだ。
そして、197ps&320Nmの2.0L直4ターボは、エントリーグレードのSZとなっている。
3.0L直6ターボを搭載するRZの0-100㎞/h加速は、4.3秒とかなりの俊足だ。
エンジンはZ4と共通だが、出力が微妙に異なっている。
5.新型GRスープラの発売はいつ?価格はどのくらい?
新型トヨタGRスープラの日本発売時期は、2019年春とされている。
BMW Z4とは、同じ工場で生産されるようだ。
Z4に関しては、すでに工場から日本への出荷が始まっているという情報もあり、3月には日本での発売が予定されているとのことだ。
同じように、新型GRスープラも出荷されているということになれば、3月に発売ということになりそうだ。

価格は600万円程度からと予想
新型GRスープラの価格は、エントリーグレードのSZで500~600万円になると予想されている。
最上級グレードのRZは、700万円以上になるのではないだろうか。
6.新型トヨタ GRスープラ スペック
新型トヨタ GRスープラ スペックは以下の通り。
※ホイールベース、トランスミッションは全グレード共通。

トヨタ GRスープラ RZのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,380×1,865×1,295mm |
タイヤサイズ | 前:255/35R19 後:275/35R19 |
ホイールベース※ | 2,470mm |
トレッド | 前:1,594 後:1,589mm |
エンジン | 直6 3.0Lターボ |
最高出力 | 250kW[340PS]/5,000-6,500rpm |
最大トルク | 500N・m[51.0kgf・m]/1,600-4,500rpm |
車両重量 | 1,520kg |
0-100km/h | 4.3秒 |
トランスミッション※ | 8速スポーツAT |
トヨタ GRスープラ SZ-Rスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,380×1,865×1,290mm |
タイヤサイズ | 前:255/40R18 後:275/40R18 |
ホイールベース※ | 2,470mm |
トレッド | 前:1,594 後:1,589mm |
エンジン | 直4 2.0Lターボ |
最高出力 | 190kW[258PS]/5,000-6,500rpm |
最大トルク | 400N・m[40.8kgf・m]/1,550-4,400rpm |
車両重量 | 1,450kg |
0-100km/h | 5.2秒 |
トランスミッション※ | 8速スポーツAT |
トヨタ GRスープラ SZスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,380×1,865×1,290mm |
タイヤサイズ | 前:225/50R17 後:255/45R17 |
ホイールベース※ | 2,470mm |
トレッド | 前:1,609 後:1,616mm |
エンジン | 直4 2.0Lターボ |
最高出力 | 145kW[197PS]/4,500-6,500rpm |
最大トルク | 320N・m[32.6kgf・m]/1,450-4,200rpm |
車両重量 | 1,410kg |
0-100km/h | 6.5秒 |
トランスミッション※ | 8速スポーツAT |
スープラのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和1年5月(2019年5月)〜現在
- 新車時価格
- 490.0万円〜789.0万円