トヨタで人気のコンパクトカー、パッソがマイナーチェンジされた。大きな変更は、より可愛らしさが増した外観デザインだ。
パッソの購入を検討している人にとって、気になるのは前モデルとの変更点ではないだろうか。とくに、安全装備やドライバーをサポートしてくれる機能については、必ずチェックしておきたい人が多いだろう。
この記事では、どんな点に注目してパッソを選ぶべきか解説している。新旧比較だけでなく、グレードごとの比較もチェックし、購入の参考にしてほしい。

この記事の目次 CONTENTS
1. 今回のパッソ マイナーチェンジは細かな変更のみ
2. 新しくなったトヨタ パッソは見た目の好みで選ぼう!
3. 自動ブレーキが標準装備化されていないグレードに注意
4. 2016年のフルモデルチェンジでの変更点
5. パッソが売れる要因は、トヨタブランドと圧倒的な営業力
6. トヨタ パッソの価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1. 今回のパッソ マイナーチェンジは細かな変更のみ

パッソの販売台数が好調ということもあり、今回のマイナーチェンジ箇所は少ない。その中で、分かりやすい変更点はデザインだ。
MODAには、大開口のフロントグリルや、L字型のフォグランプベゼルが装備された。より可愛らしさが増した上に、高級感もアップしている。ボディカラーには、暖色系の「ブリリアントカッパークリスタルマイカ」を新設定している。

また、MODA“G package”には、15インチのアルミホイール、フォグランプベゼルに配したLEDイルミネーション、合成皮革+ファブリックシート、本革巻きシフトノブをセットにした「ドレスアップパッケージ」が新設定されている。

標準車ともいえるXシリーズのデザイン変更は、さらに少ない。フロントグリル上部に、シルバー塗装のアクセントをプラスした程度だ。

2. 新しくなったトヨタ パッソは見た目の好みで選ぼう!

トヨタ パッソは、標準グレードのXとMODAのうち、どちらのタイプが好きかを決めるところから始めるといい。搭載されるエンジンは1.0Lと同じなため、デザインの好みで選べばOK。デザインで選べなかったら、必要な装備の有無で選ぶといい。

予算重視ならXがおすすめ

可愛らしいデザインが魅力のMODAは、Xと比べるとやや高めの価格設定となっている。予算重視ということであれば、Xがいいだろう。
ただし、人気が高いのはMODAの方だ。リセールバリューもMODAの方がやや高い。

XとMODAでおすすめなのはMODA

おすすめとなると、やはりMODAだ。MODAにはGパッケージも用意されているが、価格差は約16万円とかなり大きい。
大きな装備差は、アルミホイールとスーパーUVカットガラス、LEDフォグランプなど。こうした装備の有無は好みによるので、どうしても必要かというと少々微妙だ。

まずはMODAをベースにして必要なオプション選択し、Gパッケージと比較してみるといいだろう。

3. 自動ブレーキが標準装備化されていないグレードに注意

パッソの予防安全装備である「スマートアシストⅡ」は、「スマートアシストⅢ」に進化した。
「Ⅱ」は歩行者検知ができなかったが、「Ⅲ」では歩行者検知ができるようになった。ほかにも、歩行者検知式自動ブレーキや、オートハイビームなどが搭載されている。

このスマートアシストⅢは、エントリーグレードのXを除き、全車標準装備化された。歩行者検知式自動ブレーキは、もはや必須といえる装備だ。未装備は1グレードとはいえ、企業としては予防安全に対して消極的な姿勢と言わざるを得ない。

運転支援装備の充実で安全確認もラクラク

周囲の安全を確認できる「パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ」が搭載されている。これは、周囲のカメラ映像を加工し、クルマを俯瞰から見ることができる機能だ。駐車時の安全確認をサポートしてくれる。

ほかにも、前後方向の障害物を検知する「コーナーセンサー」も、ほぼ標準装となっている。

パッソは小さなクルマだが、運転支援に対する装備が充実しているのも、人気の理由のひとつだろう。

4. 2016年のフルモデルチェンジでの変更点

現行パッソは、2016年にフルモデルチェンジし、3代目となった。3代目パッソから、フェイスデザインが異なるMODAが投入されている。MODAは、女性ユーザーをより意識した、可愛らしいデザインが目を引くクルマだ。
2代目パッソと比べてホイールベースが延長され、前席と後席の間が75mm広がった。コンパクトなボディながら、後席でもゆとりあるスペースが確保されている。

また、3代目パッソから、全車1.0Lエンジンに統一されている。2代目パッソまで用意されていた、1.3Lが廃止されているのだ。統一された1.0Lエンジンは、優れた低燃費性能を誇る。69ps&92Nmという出力をもち、燃費は28.0km/Lだ。

自動ブレーキ関連の予防安全装備は、ダイハツの衝突回避支援システム(スマートアシストⅡ)が搭載されている。

パッソは、トヨタ傘下であるダイハツが、開発から生産までを担当しているモデルだ。ダイハツブランドではブーンとして販売されており、ブーンとパッソは姉妹車になる。

5. パッソが売れる要因は、トヨタブランドと圧倒的な営業力

トヨタ パッソは、Aセグメントに属するコンパクトカーだ。国内で主流なのはBセグメントと呼ばれるカテゴリーで、トヨタ車の場合、アクアやヴィッツが属する。
パッソはBセグメントに分類されるクルマより小さく、パッソMODAの全長はわずか3,680㎜しかない。Bセグメントのコンパクトカーの全長は、4,000㎜程度。いかに、パッソが小さいか分かる。

パッソのライバル車となるのは、同じクラスの日産マーチやスズキ スイフト、三菱ミラージュだ。ただし、ライバル車の全長は約3,800㎜前後となる。パッソはライバル車と比べても、ひと回り小さいボディサイズになる。
ここまで小さくなると軽自動車と競合することになり、販売面では不利になるケースが多い。しかし、パッソは好調な販売台数を維持している。2018年上半期の販売台数は20,540台となり、登録車の販売台数ランキングでは23位となっている。

パッソは、マイルドハイブリッド機能を搭載したスイフトと比べると、機能やスペース、走行性能にそれほど優れた点があるわけではない。それでも売れる理由は、やはりトヨタブランドと圧倒的な営業力が大きいのだろう。

6. トヨタ パッソの価格

パッソX 2WD 1,177,200円
“S” 1,242,000円
“L package・S” 1,344,600円
“G package” 1,474,200円
パッソX 4WD 1,350,000円
“S” 1,414,800円
“L package・S” 1,517,400円
“G package” 1,647,000円
パッソMODA 2WD 1,533,600円
“G package” 1,695,600円
パッソMODA 4WD 1,706,400円
“G package” 1,868,400円