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モータースポーツがルーツのスポーツセダン、WRX STI
スバルWRX STIの歴史は、モータースポーツとの歴史でもある。元々、WRX STIはインプレッサのスポーツモデルだった。WRC(世界ラリー選手権)に参戦し、シリーズチャンピオンを複数回獲得。さらに、最近では、インプレッサの名前は外されWRXという単独の車名が与えられ、よりスポーツモデルであることをアピール。
最近では、ニュルブルクリンク24時間耐久レースでクラス優勝を果たすなど大活躍。WRX STIは、モータースポーツを通じて、その走りの質を進化させ続けている。
WRX STIのウリ
現在のWRX STIがデビューしたのは2014年8月。コンセプトを「Pure Power in Your Control」とし、スポーツセダンとしての「絶対的な速さ」と「クルマを操ることの愉しさ」を徹底的に鍛え上げた。WRX STIの心臓と言えるエンジンは、もはや熟成の域に達した名機EJ20型。水平対向4気筒ターボで、308ps&422Nmという大出力を誇る。

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サスペンションは、専用倒立式フロントストラットサスペンションを採用。タイプSには、ビルシュタイン製ダンパーが採用され、アルミ鍛造製フロントロアアームと組み合わされた。ブレーキは、ブレンボ製を装備。優れた制動力とコントロール性、耐フェード性を得ている。
WRX STIのウリは、卓越したハンドリング性能を誇るAWD。これを実現したのが、マルチモードDCCD[ドライバーズコントロールセンターデフ]だ。この機能は、ドライバーの好みやシチュエーションに合わせたセッティングが可能で、トラクション性能を自在に変えることができる。
また、コストパフォーマンスにも優れたモデルであることもWRX STIの人気を支えている。これほどまでのパフォーマンスを持ちながら、価格は3,790,800円。同等のパフォーマンスをもつ輸入車と比べると、半分程度の価格で楽しめるのだ。
新電子制御マルチモードDCCDが搭載され、より切れ味鋭いハンドリングマシンへ進化

また、ブレーキや足回りも改良している。新開発ブレンボ製18インチベンチレーテッドディスクブレーキ、新開発19インチアルミホイール&タイヤを採用した。これは、電子制御マルチモードDCCDの採用による回頭性能の向上と合わせ、コーナリングの限界性能をさらに向上させているようだ。
WRX STIは、元々ステアリング操作に対する反応速度の早いコーナーリングマシン。今回の改良により、さらに切れ味鋭いハンドリング性能を手に入れたようだ。
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外観デザインも大きく変更されたWRX STI
機能面の進化だけでなく、外観デザインも変更されている。フロントバンパーのデザインが変更されている。 新デザインのフロントバンパーは、左右のエアダクト部分がより大きく強調されたデザインとなった。視覚的な低重心感があるもので、より精悍でスポーティなフェイスとなっている。インテリアでは、スバル初となる電動調整式レカロ製フロントシートがオプション設定された。
安全装備面では、ステアリング連動ヘッドランプやドライバーの前方確認をサポートするフロントビューモニターが装備された。だが、MT車ということもあり、歩行者検知式自動ブレーキ関連の先進予防安全装備のアイサイトは装備されていない。
劇的進化をするはずのSGPを採用した新型WRXを待つのか? 熟成された現行車を買うのか?

WRX STIの選び方としては、やはりビルシュタイン製ダンパーと19インチホイールの組み合わせとなるタイプSがおすすめだ。購入後カスタマイズを考えているのなら、標準車でも良いだろう。また、WRX STIのリセールバリューは少々高いので短期で乗り換える場合でも安心だ。
リセールバリューを期待して、現行車を今買うべき!
ただ、重要なのは、現行車を今買うのか? ということだ。最新のインプレッサは、新世代プラットフォームSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用され劇的に進化した。この優れたパフォーマンスをもつプラットフォームが、いずれWRX STIにも採用されれば、現行モデルを超えるものとなることは確実だろう。そうであると、熟成された現行車を買うのか? それとも、しばらく待って、フルモデルチェンジしたWRX STIを買うべきなのか、非常に難しい選択になる。少々贅沢だが、予算に余裕があれば、WRX STIの高いリセールバリューをメリットに現行車を一度買って、フルモデルチェンジする直前に売却し、新型を買うというのも悪くない。<関連記事>
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スバルWRX STI 概要
スバルWRX STI主な改良内容は以下の通り。
デザイン
<エクステリア>・ 新デザインフロントバンパー
・ 19インチアルミホイール(ダークガンメタリック塗装)&245/35R19タイヤ
<インテリア>
・ インパネ加飾パネル&ドアスイッチパネル(ハイグロスブラック)
・ 運転席&助手席8ウェイパワーシート付RECAROフロントシート
(レッドステッチ+レッドアクセント+STIロゴ入り)
・ レッドカラーシートベルト
・ マルチファンクションディスプレイ(高精彩9インチ大型カラー液晶)
・ ディーラー装着オプションで、8インチサイズナビゲーションを設定
メカニズム
・ 新電子制御マルチモードDCCD・ brembo製18インチベンチレーテッドディスクブレーキ
ドリルドディスクローター&モノブロック対向6ポット/2ポッドキャリパー(イエロー塗装、STIロゴ入り)
・ サスペンション設定最適化
安全性・実用性
・ LED2灯ハイ&ロービームランプ+ステアリング連動ヘッドランプ・ フロントビューモニター
・ ルーフキャリアブラケット
価格
・WRX STI 3,866,400円・WRX STI Type S 4,060,800円
主要諸元諸元、燃費など
グレード WRX STI 「WRX STI Type S」全長/全幅/全高(mm) 4595/1795/1475
ホイールベース(mm) 2650
エンジン 種類 2.0ℓ DOHC16バルブ デュアルAVCS ツインスクロールターボ
最大出力[ネット][kW(PS)] 227(308)
最大トルク[ネット][N・m(kgf・m)] 422(43.0)
燃費[km/ℓ](JC08モード) 9.4
トランスミッション 6MT
駆動方式 AWD(常時全輪駆動)
サスペンション形式[前/後] ストラット式独立懸架/ダブルウィッシュボーン式独立懸架
タイヤサイズ 245/40R18 「245/35R19」
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。