ルノーキャプチャー

<約8%トルクをアップし205Nmへ! さらに、キビキビ感と燃費を両立するギヤ比に変更し魅力をアップ!>

ルノーキャプチャールノーは、コンパクトSUVであるキャプチャーをマイナーチェンジし発売を開始した。

ルノー キャプチャーは、「Explore(冒険の旅に出る)」をテーマとするコンパクトSUV。キャプチャーは、BセグメントのSUVでボディサイズは、全長4,125×全幅1,780×全高1,585㎜。コンパクトなボディサイズをもつBセグメントのSUVは、欧州を中心に高い人気を集めている。

このBセグメントのSUVは、欧州だけでなく日本でも高い人気を誇っっている。一般的なコンパクトカーでは、実用的過ぎて遊び心が足りないこと、やや背が高いことによるアップライトなドライビングポジションとなることから運転がしやすいなどの理由から人気を得ている。

そうしたこともあり、日本国内には多くのライバル車が存在する。同じフランス車であるプジョー2008、イタリア車ではフィアット500X、日本車ではマツダCX-3、日産ジューク、トヨタ アクア Xアーバン、ホンダ ヴェゼル、スズキ SX4 Sクロスなどがある。パワーユニットも豊富で、ガソリンにディーゼル、ハイブリッドが用意され、さらにFFや4WDもあり選択肢は豊富だ。

この豊富な車種、仕様の中、輸入車であるルノー キャプチャーは、なかなか厳しい状況に置かれている。まず、エンジンは1.2Lターボのみでハイオク仕様。最近ではガソリンが安くなったが、やはりハイオク仕様というのは、このクラスでは敬遠されがちだ。また、4WDは無くFFのみ。降雪地域の顧客の選択肢から外れてしまう。また、安全装備面でも物足りない。歩行者検知式自動ブレーキなどが用意されていないのだ。プラットフォームなどを共有する日産ジュークには、歩行者検知式自動ブレーキが標準装備化されている。ルノーと日産の関係を生かし、早急な安全装備が望まれるところだ。また、価格も輸入車ということもあり高めの設定。多くの競合国産車が多いセグメントなので、価格競争力は高くない。

ただし、キャプチャーには、他を圧倒する魅力がある。それは、キャプチャーのデザインだ。洗練されたスタイリッシュなデザインは、さすがルノーと呼べるものだ。機能的な装備面では、やや見劣りするものの、キャプチャーのデザインは間違いなくこのクラスでトップレベル。極端な見方をすれば、このデザインだけで買ってもいいと思うほどだ。

インテリアデザインも個性的だ。コンパクトなサイズながら、広がり感と力強さを融合したインパネデザインが採用されている。シートカラーもカラフルなものが用意され、小さなクルマらしい躍動感がある。さらに、このシートはジッパーで脱着可能なジップシートクロスと呼ばれるアイデアが採用された。

今回のマイナーチェンジでは、こうしたデザイン面に関しては、ほとんど手が加えられていない。外観上では新ボディカラーが追加された。ルーフをボディカラーと異なる色にした2トーンのベージュ サンドレM(ボディ)+イヴォワール(ルーフ)と、ベージュ サンドレM(ボディ)+ノワール エトワールM(ルーフ)が加わった。

大きな変更点は、エンジンの出力が変更だ。1.2Lのターボエンジンは、120psから118psへと2psのパワーダウンされた。その代りに最大トルクは190Nmから205Nmへと約8%も増大。約8%もトルクが増していると、アクセルを踏んだ瞬間から、より力強さは感じる。これだけでなく、なんとギヤ比まで変更してきた。1~3速はローギヤード化され、4~6速はハイギヤード化された。キャプチャーの最大トルク発生回転数は、2,000回転とダウンサイジングターボの中ではやや高めの設定。エンジンの回転がわずかに上がるまでのトルクの細さをローギヤ化で補いキビキビ感をさらに出している。逆に一定速度まで加速した場合、最大トルクが205Nmに増大されたことを生かし、4~6速をハイギヤード化しエンジンの回転数を抑制。より低燃費なクルージングを可能としている。キビキビ感と低燃費を両立させた格好だ。

こうした再チューニングされたエンジンとミッションに、ようやくアイドリングストップ機能であるストップ&スタート機能が加わった。これにより、燃費は17.2㎞/Lへ向上した。マイナーチェンジ前のキャプチャーは、燃費が公表されていなかったが、こうした改良により、実燃費も大幅に向上していると予想できる。

ルノーキャプチャールノー キャプチャーの価格は、エントリグレードのゼンが2,569,000円。上級グレードのインテンスが2,672,000円となっている。価格差は約10万円。装備差も微妙で、大きなところでは16インチがゼン、インテンスは17インチとなる。インテンスは2トーンボディカラーになるので、この価格差ならインテンスを選んだ方が満足度は高い。ただ、キャプチャーは、国産車と比べるとやや価格は高めだ。洗練された美しいスタイルは魅力的で、懐の深いフットワークはSUVながら気持ちのよい走りと乗り心を両立する。デザインや走りの質の優先順位が高いのならば、満足いく選択になる。

ただし、今がキャプチャーの買い時ではない。やはり、歩行者検知式自動ブレーキが装備されていないので、安全面であまりお勧めできない状況にあるからだ。すでに、EURO NCAPでは、歩行者検知式自動ブレーキが標準装備化されていないと最高評価となる5星が取れなくなっていく。このまま放置すれば、販売面に悪影響を及ぼすことは確実。ルノーも遅かれ早かれ、歩行者検知式自動ブレーキの装備するしかない状況だ。そうなると、やはりキャプチャーの買い時は、歩行者検知式自動ブレーキが装備されてからということになる。

■ルノー キャプチャー価格

・ルノー キャプチャー インテンス 2,672,000円
・ルノー キャプチャー ゼン 2,569,000円