コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬おすすめの中古車・コンパクトカーを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。
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- トヨタ アクア
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デビューから3年以上が経過。さらに、マイナーチェンジも行われた。今、日本で一番売れている新車の普通車がアクアだ。一般的に新車でも人気が高いと中古車でも人気が高く、価格は高値となる。
しかし、アクアの場合、あまりにも流通量が豊富ということもあり、相場も安くなってきている。中古車だと世界トップレベルのコンパクトカーが、2012年式で130万円前後から良質の中古車が手に入る。
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- ホンダ フィットハイブリッド
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ハイブッリッド車が当たり前になってきただけに、中古車とはいえガソリン車を選ぶ時代ではなくなってきている。新型フィットハイブリッドは、まだまだ高値を維持しているが、先代フィットハイブリッドは、随分買い得感が出てきている。2011年モデルであれば、90万円程度で良質な中古車が見つかるようになってきた。この価格は、ガソリン車のトヨタ ヴィッツと同程度。ならば、ハイブリッド車を買う方が賢い。
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- フォルクスワーゲン ポロ
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北米のディーゼル車排ガス不正問題を受けてか、フォルクスワーゲン車がお買い得。とくに、日本でも使いやすいボディサイズをもつポロは、2012年モデルで120万円前後が相場と買い得感が高い。ポロの完成度は非常に高く良いクルマなので、これくらいの価格なら、初めての輸入車としてはピッタリなので裏3位とした。ただし、燃料がハイオク仕様なのが少々残念。
- 燃費・経済性
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アクア
デビュー当時のモデルでは、35.4㎞/Lという驚異的な低燃費を叩き出している。最新モデルは37.0㎞/Lとさらに燃費を向上させているとはいえ、非常に高い燃費性能をもつ。デビュー時の価格は169万円からと一見リーズナブルだが、実際にはたくさんのオプションを装備しなくてはならず、200万円からの予算が求められるモデル。そのモデルが、2012年式で、130万円前後で手に入るようになってきたので、車両価格や燃費経済性も含め高いレベルにある。
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フィットハイブリッド
現行のフィットハイブリッドとは違うシンプルな構造をもつIMAと呼ばれるハイブリッドシステムを搭載した旧型フィットハイブリッドの燃費は26.4㎞/Lを誇った。アクアと比べると大きな差だが、デビュー当時はトップレベルの燃費値。2011年式であれば、すでに100万円を切ったものがたくさん出ているので、ハイブリッド車としてはリーズナブルな価格になってきている。
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ポロ
2009年デビューと、すでにモデル末期になってきているが、燃費性能は何度も進化。デビュー当時は、10・15モード燃費で17.0㎞/Lだったのに対し、最新モデルで最も燃費の良い23.4㎞/Lという低燃費性能をもつまでに進化した。価格も2012年式くらいなら130万円前後で良質なものが選べ、輸入車としてはかなりリーズナブルな価格と言えるだろう。
ただし、燃料にハイオクを使うため、燃料費視点ではそれほど経済的とは言えない。
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- 装備・使い勝手
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アクア
アクアのトランクは、あまり広いとは言えないサイズ。たくさん荷物を積みたいという人には向かない。ツーリングパッケージ(16インチホイール)装着車には注意が必要。なんと、最小回転半径が4.8mから5.7mになる。5.7mという数値は、大型ミニバンであるアルファード/ヴェルファイア並み。コンパクトカーなのに、狭いところが苦手という本末転倒な仕様となっているからだ。
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フィットハイブリッド
ガソリン車と比べると、多少狭くはなっているもののトップクラスのラゲッジスペースを誇る。車内の広さも含め、旧型とはいえトップクラスの高いパッケージングが魅力だ。
是面が持ち上がるリヤシートは、長尺物の積載も可能としている。左側リヤシート下には、シートアンダーボックスと呼ばれる収納スペースまである。 -
ポロ
ポロのラゲッジスペースもアクア並みといったところで、それほど広くはない。しかし、後席は大人がシッカリと座れるスペースが用意されている。
前期のモデルでもサイドエアバッグや横滑り防止装置(ESP)は標準装備されているので、年式が古くても一定水準以上の安全装備は確保されている。最新モデルでは、低速域の自動ブレーキもひょじゅん装備化された。
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- 走行性能
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アクア
リヤシート下に大きく重いハイブリッド用バッテリーを搭載したことで、低重心化と前後重量バランスが普通のFF車より優れている。
そのため、なかなかスポーティな走りを見せるが、マイナーチェンジ前のモデルは乗り心地があまりよくない。マイナーチェンジ後のモデルから改善され、高速走行時の安定性を含めかなりレベルの高い走行性能を持つモデルへと進化した。 -
フィットハイブリッド
シンプルなハイブリッドシステムのため、モーター走行を上手にさせるには、繊細なアクセルワークが求められる。これが上手くできると、実燃費もかなり良くなる。さすがに、一世代前のモデルなので、走行性能は平凡なものとなるが、扱いやすく素直なクルマだ。
年式が古かったり、走行距離が多いモデルは足回りやボディが少々頼りない感じになっていたりする可能性が高いので、試乗してチェックしてから購入を考えるといいだろう。 -
ポロ
多少年式が古く、たくさん距離を走っていても足回りやボディがシッカリしているのがポロの魅力。
経年劣化は少ないので、長く乗れるクルマでもある。ハンドリング性能や乗り心地性能も、年々細かな改良が施され熟成されている。このクラスのクルマとしては、世界トップレベルの走行性能をもつ。
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- デザイン
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アクア
アクアの全高は1,455㎜と、このクラスの中でもかなり低い。これは、空気抵抗を減らし燃費を向上させる意図がある。結果的に、Aピラーは大きく傾斜しており、流れるようなルーフラインはスポーツカーのようにも見え、なかなかスポーティだ。インテリアデザインもユニークだが、質感はやや物足りない。
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フィットハイブリッド
前方部分を絞り込んだ前傾姿勢なシルエットをもつ。全席下に燃料タンクを配置したホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用している。床に燃料タンクがあるため、フロアは高め。
スタイリッシュというよりは、ポテッとした可愛らしさがある。フィットハイブリッドとガソリン車とのデザイン的な差別化は少ない。 -
ポロ
面白みのないデザインなのだが、とにかく隙がなくパリッとしたデザインをもつ。コンパクトカーは小さいことを武器として、可愛らしさをアピールするがポロには、そうした媚びた印象はない。
また、デザイントレンドを追っていないので、長く乗っていてもデザインの賞味期限は長く飽きのこないスタイルといえる。
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中古車値引き交渉術
アクアは、流通量がたくさんあるので選びたい放題。同じような仕様のクルマも見つけやすいので、アクア同士で多くのお店で競合させてみよう。
同じような仕様が近隣に無い場合、3代目プリウスも随分安くなってきているので、プリウスと競合させてみるのも面白い。まだお買い得感はないが、現行のフィットハイブリッドと競合させるのも良い。
先代フィットハイブリッドは、意外と買い得感が高く、ガソリン車であるトヨタ ヴィッツの相場とそれほど変わらない。
先にヴィッツやノートといったガソリン車で見積りをとっておき、先代フィットハイブリッドも見に来た程度で競合させてみるといいだろう。
値引き交渉が上手く進まなくなったら、ヴィッツやノートは現行モデルだからなぁ、と迷っている雰囲気出してみるのもいいだろう。
ポロは北米でのディーゼル車排ガス不正問題で、非常に厳しい立場にある。国産車に近い価格にまで価格は落ちてきているが、それでも国産ハイブリッド車並みといったところ。
とくにディーラー系中古車店は、下取り車が売られているケースが多く、なるべく早く現金化したい。
そのため、アクアや現行のフィットハイブリッドと競合させれば、一定の値引きが期待できそう。
商談時のポイントは、ハイブリッド車より燃費が悪く燃料がハイオクであることを上手く伝え、価格が下がるのならポロも魅力的といった雰囲気で商談を進めるといいだろう。
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トヨタ アクア
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ホンダ フィットハイブリッド
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フォルクスワーゲン ポロ
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軽自動車ハイト系
燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。
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軽自動車スーパーハイト系
燃費と小回りに加えて、アウトドアにも!
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ミニバン
広くて便利、ファミリーカーの代名詞
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コンパクト輸入車
人気急上昇中!意外とコスパのいい車種多し。
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SUV
デザインと走りを重視する人へ
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高級セダン
いつかは乗りたい、王道スタイル。
- クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏
CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員
アクアのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和3年7月(2021年7月)〜現在
- 新車時価格
- 198.0万円〜283.7万円
アクアの在庫が現在574件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。