ホンダNボックス

<実質価格引き下げか? 装備充実で価格据え置き!繁忙期に価格勝負に出たN-BOX!>

ホンダN-BOXホンダは、軽自動車N-BOX 、N-BOX+ をマイナーチェンジし発売を開始した。

ホンダN-BOXは、非常に全高が高いスーパーハイト系に属する軽自動車。このクラスは非常に人気が高く、たくさんのライバルがいる。ダイハツ タントやスズキ スペーシアなどが競合車となり、激しい販売合戦を繰り広げている。

N-BOXは、デビュー当時、Nシリーズ第1弾として2011年11月にデビュー。N-BOXの全高は1,770mm、ホイールベース2,520㎜と、最も背が高くクラストップの室内スペックを誇ったモデルだ。このクラストップレベルの室内を実現したのは、ホンダのM・M(マン・マキシマム、マシン・ミニマム)思想から生まれたセンタータンクレイアウト。この技術により、N-BOXは広大な室内スペースを手に入れることができた。

そのため、全高があまりに高く燃費こそナンバー1にはならなかったが、N-BOXは大ヒットする。2015年に入っても10ヵ月連続で軽四輪車新車販売台数第1位となっている。ただ、この数字はN-BOXだけでなくN-BOX+やN-BOXスラッシュも含まれている。

ホンダN-BOXN-BOX人気の大きな理由は、広大な室内スペースだ。ただ、それだけではなく、高い安全性能をもっていたこともヒットの理由のひとつなのだ。今でこそ標準装備化されつつある横滑り防止装置(VSA)が、デビュー当時から標準装備されていた。当時、オプションが当たり前だったことを考えるとかなり思い切った戦略に出た。これは、ホンダの安全思想が高いというよりは、N-BOXの背高パッケージングを成立させるための手法だった。実は、N-BOXのように背が高く、幅の狭いクルマは、横転の危険性が非常に高くなる。他のライバルメーカーが、あまり背を高くできなかったのもこれが理由だ。N-BOXは横滑り防止装置(VSA)を標準装備することで、横転の危険性を回避。さらに、滑りやすい路面での高い操縦安定性を確保した。当時、横滑り防止装置を装備しない軽自動車が多かったこともあり、安全装備面でも一歩リードしていた。

そんなN-BOXだが、マイナーチェンジで一部グレードを除き「360°スーパーUV・IRカットパッケージ」や「ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器(ナビ連動タイプ)」を標準装備。こうした追加装備を装着しながら、N-BOX G・Lパッケージの価格は1,370,000円と、従来モデルから価格はアップしていない。この追加装備分お得になった。実質、価格引き下げといってもいいだろう。

ホンダN-BOXさらに、販売戦略上重要なエントリグレードに「C」タイプを設定。このグレードは、より価格志向の顧客向けに装備を厳選し低価格としている。Cタイプの価格は1,198,000円。しかし、実際に買うとなると、あまりに装備が簡素化されているため、一般ユーザー向けというより、営業車として使うクルマとしてのイメージが強い。こうした廉価グレードの設定は、営業上大きな意味をもつ。実際はほとんど売れないグレードで、おとりグレードとも呼ばれ広告宣伝で「N-BOXは1,198,000円から!」などと、ライバルに対して安さを強調するために使われるケースが多い。実際、タントの最廉価グレードが1,220,400円、スペーシアGが1,274,400円なので、120万円を切ったのはN-BOXだけ。価格訴求するにはピッタリというわけだ。

今回のマイナーチェンジは、残念ながらクルマの基本性能の向上というより、販売面を第一に考えたものといえるだろう。2015年12月までの軽自動車販売台数ナンバー1、その後の2016年3月までの2015年度販売台数ナンバー1を狙うためものだ。

なぜ、こうした戦略をとるかというと、ホンダは2015年度の新車販売で苦戦している。とくに、軽自動車は昨年末にスズキVSダイハツの販売合戦により大量の自社登録車が生まれ、中古車マーケットで大安売りされている。新車同様のクルマが新車より大幅に安く売られているのだから、新車が売れなくなるのは当然。この影響で、ホンダの軽自動車も苦戦している。これを打開するには、ホンダも価格をより安く見せる必要があるのだろう。

ホンダは、人気が高いN-BOXを使い、是が非でも2-3月の繁忙期で1台でも多くの販売台数を稼ぎたいという狙いがある。ホンダの都合は抜きにしても、我々顧客側から見れば、装備が良くなり価格も据え置きならメリットもある。当然、販売の現場では値引きも期待できるはず。2~3月の繁忙期は、N-BOXが買い時になるだろ。

ホンダN-BOX

<主な変更点>
○装備の充実
単板窓ガラス採用車として世界で初めて※3、紫外線(UV)を約99%カットし、ジリジリした暑さを生む赤外線(IR)を軽減するガラスをすべての窓に採用した「360°スーパーUV・IRカットパッケージ」をC・Gを除く全タイプに標準装備。
また、「ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器(ナビ連動タイプ)」をN-BOX C、N-BOX G、N-BOX + Gを除く全タイプに標準装備。
○N-BOXに「C」タイプを追加
装備を厳選したお求めやすいベーシックタイプとして「C」タイプを新たに設定
・VSA(車両挙動安定化制御システム)
・エマージェンシーストップシグナル
・ヒルスタートアシスト機能
・フルオートエアコンディショナーなどを標準装備
○ボディーカラーに新色を追加
プレミアムアイボリー・パールおよびブリティッシュグリーン・パールの2色を新たに追加。また、2トーンカラースタイルとして、プレミアムアイボリー・パール&ブラウン、ブリティッシュグリーン・パール&シルバーを追加。

ホンダN-BOX価格

・N-BOX C FF 1,198,000円~G・ターボLパッケージ 2トーンカラースタイル 4WD  1,659,400円

・N-BOXカスタム G FF 1,670,000円~G・ターボLパッケージ 2トーンカラースタイル 4WD 1,859,400円