レクサスIS

<2.0Lターボを搭載したIS200tの燃費は13.2㎞/L! IS300hには、AWDが加わった>

レクサスISスポーティセダンとして人気のレクサスISに、2.0Lダウンサイジングターボエンジンを搭載したIS200tが追加された。

レクサスISは、2013年5月にフルモデルチェンジされ、現在2代目となっている。2代目ISから、クラウンと同様の2.5L直4のハイブリッドシステムを搭載したIS300hが登場。ハイブリッド車人気の追い風もあり、レクサスISシリーズ中IS300hは抜群の人気を誇った。このハイブリッド車が売れる理由は、システム出力220psを誇り23.2㎞/Lという低燃費も両立している点にある。ISには、その他V6の2.5Lと3.5L V6が用意されたが、旧世代のエンジンでアイドリングストップ機能さえ装備されておらず、燃費が悪い。燃費は3.5Lで10.0㎞/L、2.5Lで10.6㎞/Lというもので、今時、エコカー減税の対象にもならないだけでなく、ライバルとなる欧州車などにも大きく引き離されている状況なのだ。こうなると、当然、売れるのはハイブリッドの300hということになる。

しかし、多様化の時代にハイブリッド車一本勝負では、さすがに分が悪い。日本だけでなく、ハイブリッド車のフィーリングに違和感を感じる顧客も多くいるの。だからといって、燃費が悪いのでは選択肢には入らない。そこで、登場したのが2.0L 直4ダウンサイジングターボエンジンを搭載したIS200tだ。

IS200tに新搭載された8AR-FTS型2.0L直4ターボエンジンは、245ps&350Nmを誇る。このエンジン、すでにSUVのNX200tに搭載されているものと基本的に同じもの。NX200tは、238ps&350Nm。トルクは同じだが、最高出力はIS200tが若干上回る。IS200t用に高回転化されパワーアップされているようだ。単純にNX200tのものを流用ではなく、IS200t用にチューニングしオリジナリティアップしている点は好感が持てる。IS200tの燃費は13.2㎞/L。ガソリン車に比べ30%以上も燃費向上が図られた。ただし、それでもメルセデス・ベンツC250の16.0㎞/Lに比べると、少々物足りない状況だ。

少々残念なのは、この8AR-FTS型2.0L直4ターボエンジンは、どうやらレクサス専用ではない。この秋にマイナーチェンジするクラウンにも搭載が予定されている。クラウンとレクサスの価格差は大きいが、ハードはほぼ共通。豪華装備ではなくハード面でもレクサスならではのユニークなポイントが欲しいところだ。

ミッションもNX200tから変更されている。NX200tは6速ATだったがIS200tは、IS350と同じ8速ATが採用された。

また、走行性能面でもIS200tは特別視されている。フロントにパフォーマンスダンパーを標準装備。走行中に生じるボディのたわみや微振動を吸収し、ハンドリング特性をシャープにするとともに、乗り心地も向上させるアイテム。このパフォーマンスダンパーは、IS300hには装備されていない。レクサスは、IS200tはISシリーズの中で、最もスポーティな仕様と位置付けているようだ。

また、IS200tの投入と同時に、IS300hにもようやくAWD が加わった。すでに、クラウンハイブリッドにAWDが搭載されていたので、随分時間がかかった印象だ。このAWDシステムは、クラウンと同じ。前後輪に動力を配分するトランスファーにトルセンLSDを採用。トランスミッションからの駆動トルクを適切に配分し、高い走破性と優れた操縦安定性を実現。さらに、カウンターギヤ歯車の加工精度を向上させるなど、高い静粛性も確保している。このIS300hにAWDが投入されたことで、積雪地域でスポーティセダンを望んでいた顧客には朗報だ。例えば、燃費の良いBMW320dなどにはAWDの設定が無い。そのため、高級セダンでAWDで燃費が良いクルマという選択肢はクラウンハイブリッドくらいしかない状態。IS300hのAWD加わったことで、選択肢が増えたことになる。同時に、エコカー減税免税クラスのメリットも享受できるようになった。

新ターボエンジン車のIS200tに、AWDのIS300hと選択肢を増やし、更なる販売増を増やしていくと思われるISシリーズだが、今回も残念ながら安全装備の強化は見送られている。現在のレクサスISは、自動ブレーキ関連の安全装備が用意されておらず、非常に物足りない状況が続いている。旧式のレーダークルーズコントロールさえもオプション設定という状態。日産スカイラインは、エントリグレードを除き自動ブレーキやブラインドスポットモニター系の安全装備は標準装備されている。他の輸入車も上級グレードになると、ほとんどこうした安全装備は標準装備化されている。軽自動車でさえ、すでに歩行者検知タイプの自動ブレーキが用意され始めていることを考えると、現在のISシリーズの安全装備は、もはや軽自動車以下ともいえる。レクサスISの購入を考えているのなら、こうした安全装備が用意されてからが買い時だ。

■レクサスIS200t価格
・IS200t 4,544,000円
・IS200t“version L” 5,087,000円
・IS200t“F SPORT” 5,092,000円

■レクサスIS300h価格
・IS300h 2WD(FR) 4,999,000円/AWD 5,403,000円
・IS300h “version L”  2WD(FR) 5,567,000円/AWD 5,971,000円
・IS300h“F SPORT” 2WD(FR) 5,572,000円/AWD 6,278,000円