アクアをベースとしたハイブリッドシステムを搭載!コンパクトミニバン シエンタが12年ぶりにフルモデルチェンジ!


トヨタシエンタトヨタは、コンパクト ミニバン であるシエンタを12年ぶりにフルモデルチェンジし発売を開始した。

初代シエンタは2003年に登場。一旦、生産を中止したものの、2011年にマイナーチェンジし再び登場した。全長は4,120㎜とコンパクトカー並みでありながら、7人乗りを可能とし、スライドドアもプラスされており、子育て層やシニアなどにも便利で使い勝手も抜群なモデルだ。

ライバルのホンダ フリードと闘い続けるシエンタ

初代シエンタのライバル車として、ホンダ フリードが存在している。フリードは、モデル途中からハイブリッド車が追加された。このハイブリッド車の登場で、フリードは人気モデルとなった。基本的なハードが古いシエンタでは、燃費やパッケージングなどでフリードには勝てずジリ貧状態。早急なモデルチェンジが期待されていた。逆に、フリードは価格設定が高めなのに人気車種となり、ホンダにとってはドル箱と言える存在だ。

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そして、ようやく新型シエンタが登場した。新型シエンタのベースとなったのは、コンパクトハイブリッドカーのアクアだ。フロント部分は、アクアのものを使用しながら後方部分を7人乗りに対応すべくホイールベースを2,750㎜に伸ばし、全長は4,235㎜とした。先代シエンタと比べると、ボディはやや大きくなり全長で115㎜、ホイールベースが50㎜、全高5mm、それぞれ拡大された。

トヨタシエンタフロアの低床化も進んだ。従来型のフロア高385㎜から330㎜へ低床化。ハイブリッド車は、バッテリーの積載位置などにより、低重心化と前後重量バランスも最適化されている。

同時に、スライドドアの開口スペースも拡大された。開口幅665×開口高1,145㎜として、先代シエンタと比較すると幅で50㎜、高さで10mm拡大されている。スライドドアの開口スペースの拡大や低床化により、子供から高齢者まで乗り降りのしやすいクルマに仕上げられている。

ボディサイズが拡大されたことで、室内スペースも広くなった。新型シエンタのシート配列は、運転席から2+2+2の6人乗りと2+3+2の7人乗りが用意されている。2列目シートの2人乗り仕様は、ゆとりあるスペースが魅力。3列目シートの居住性も向上している。先代シエンタに比べ、シート幅が+70㎜、ニークリアランスも+20mm拡大された。この3列目シートへのアクセスを容易にするため、3列目シートへの開口幅も拡大された。

小さなスペースで7人乗りを可能とするために、色々な工夫が施されている。なんと、3列目シートは2列目シート下に収納が可能。このことにより、2列目シートをゆったりモードにしも、3列目シート部分はフラットで広いラゲッジスペースとして使える。その他、多彩なシートアレンジが可能だ。

燃費面はライバルのフリードを圧倒!


新型シエンタに搭載されるパワーユニットは、アクアと同じ1.5Lハイブリッドと1.5Lガソリンの2タイプ。1.5Lハイブリッドは、システム最高出力100psを誇る。燃費は27.2㎞/L。ライバルのフリードが21.6㎞/Lなので、圧倒的な差を付けたことになる。

1.5Lガソリンエンジンは、109ps&136N・mという出力をもつ。高圧縮比&アトキンソンサイクルといった低燃費技術を使った2NR-FKE型が搭載された。燃費は20.6㎞/Lという実力をもつ。ハイブリッドのフリードとは、わずか1.0㎞/Lしか違わないという低燃費エンジンだ。

新型シエンタの安全装備


トヨタシエンタ安全装備では、ようやくトヨタの自動ブレーキであるトヨタ セーフティセンスCが用意された。トヨタ セーフティセンスCは、単眼カメラと赤外線レーザーとの組み合わせたもの。普及版の赤外線に単眼カメラがプラスされたことで、30㎞/h以下の低速衝突に限定したものから80㎞/hまで自動ブレーキが作動するようになった。より高い速度域からの自動ブレーキが可能となったことで、被害軽減に効果は赤外線タイプより大幅に高くなる。また、単眼カメラを装備したことで、車線を認識。車線を逸脱しそうなときに警告音を発するレーンディパーチャーアラートも用意された。

残念なのは、カメラがあるに歩行者を認識できない点だ。死亡事故になりやすいのは、歩行者とクルマの接触事故だ。これだけ遅れて出して来た自動ブレーキなのだから、歩行者認識できるものが欲しかった。日産はノートに搭載されている自動ブレーキは、歩行者を認識し、60㎞/h未満なら自動ブレーキが作動する。対歩行者用自動ブレーキで重要なのは、より高い速度域から歩行者を認識できるかどうかだ。歩行者との死亡事故は、50㎞/h以上になると致死率は約80%以上だという。30㎞/h以下なら、致死率は10%程度となるという。つまり、衝突回避することが理想だが、少なくとも30㎞/h以下まで速度を下げることができれば致死率は大きく下がることになる。

こうした歩行者が検知できないトヨタ セーフティセンスCだが、さらに残念なのは全車にオプション設定というものだ。トヨタはセーフティセンスCは普及版。より多くのクルマにより安く搭載することで、「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献したいとしていたが、オプションでは意味が無い。歩行者検知式の自動ブレーキを全車に標準装備した日産ノートの方が、社会的貢献度は高いと言わざる負えない状況だ。

新型シエンタの使い勝手


使い勝手面では、低床化フロアや多彩なシートアレンジなど非常に高い完成度を持っている。しかし、16インチタイヤを選択するとシエンタの最小回転半径は5.8mにもなる。この数値は、トヨタの大型ミニバンで、全長が5m近くありホイールベース3mあるアルファード&ヴェルファイアなどと同等なのだ。全長4mちょっとのコンパクトカーの小回り性能ではない。狭い駐車場などでは、少し苦労するので、16インチタイヤは選択しない方がいいだろう。

新型シエンタの選び方


まず、ガソリン車かハイブリッド車かという選択になるだろう。価格差は、約35万円。燃費差は意外と小さく6.6㎞/L。この燃費差では、燃料費で元を取ることはできないだろう。予算重視ならガソリン車で十分だ。ただし、1.5Lでは少々パワー不足というのであれば、ハイブリッド車ということになる。また、ハイブリッド車の方が圧倒的にリセールバリューが高くなることが予想できるため、乗り潰すのでなければハイブリッド車と言う選択もよいだろう。

グレード選びは、最上級グレードのGがおすすめだ。エントリグレードのXとの価格差は、ハイブリッド車で約10万円。Xでは、右側がパワースライドドアの設定がない。さらに、スマートエントリーもオプション、運転席&2列目シートのアームレストまで削られている。グレード間の価格差は10万円程度なので、Gグレードを選んだ方がよいだろう。

そして、絶対に装着したいオプションがトヨタの自動ブレーキ「トヨタ セーフティセンスC」。Gグレードで54,000円のオプション。夜間など視認性も含め、よりスタイリッシュに見せたいのなら、少し高価だがLEDランプパッケージ(105,840円)もおすすめだ。

参考にしたいシエンタ値引き術


ほとんどの面で、ライバルのフリードを上回った新型シエンタ。そうしたこともあり、フリードを競合車としてもしばらくの間、値引きは厳しい状況下にある。急いでいなければ、いずれ出るはずの新型フリードを待ってからの方がいいだろう。待てないのなら、新型シエンタは、このモデルからトヨタの全チャネルで発売されている。経営母体が違う異なるチャネル同士で競合させれば、多少のサービスはあると思われる。

かなり強引な手法になるが、日産セレナがモデル末期ということもあり、お買い得な特別仕様車が出ている。ハイウェイスター Vセレクション+SafetyⅡ S-HYBRIDで価格は2,799,360円。両側スライドドアや自動ブレーキも標準装備されている。シエンタ ハイブリッドのGグレードにセーフティセンスCを装着すると約238万円。セレナが約280万円で、30万円値引きしてくれたら価格は250万円となる。40万円引きなら240万円。ほとんど値引きなしのシエンタとなら、それほど変わらない状況になる。ボディサイズの問題さえ気にならなければ、セレナを競合車として加えてみるのもいいだろう。

トヨタ シエンタ 価格


新型シエンタの価格は以下の通り。

1.5Lガソリン車

・X“Vパッケージ” 7人乗り 2WD 1,689,709円/6人乗り 4WD 1,831,091円~・G 6人乗り/7人乗り 2WD 1,980,327円/6人乗り 4WD 2,121,709円

1.5Lハイブリッド車

・X 7人乗り 2WD 2,226,763円
・G 6人乗り/7人乗り 2WD 2,329,855円

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