クラウン誕生60周年記念、期間限定特別仕様車登場


トヨタ クラウン現行のトヨタ クラウンは、2012年12月にフルモデルチェンジし14代目となった。先代のV6 3.5Lのハイブリッド車から、2.5L直4ハイブリッドへ変更された。一時期は、V6から直4に変わったことで、安っぽくなったとみられ顧客離れが心配されたが、そんな心配などまったく関係なく大ヒットした。そんな14代目クラウンは、初代クラウンが1955年に誕生しているので、これでデビューから60年が経過したことになる。

日本を代表するセダンのひとつ「クラウン」


日本で現在売られているモデルで、これほど人気が続くモデルは非常に少ない。クラウンは、日本を代表するセダンと言ってもいい。なぜ、これほど長く人気モデルとして君臨できたかというと、やはりクラウンは、ほぼ国内専用車であるということが上げられる。もちろん、販売店の営業力もある。

最近では、多くのメーカーが、グローバル化という聞こえのいい言葉で、中国・北米をメインターゲットとしてボディをドンドン大型化させた。端的に言えば、日本のセダンは見放された格好だ。その結果、日本では使い勝手の悪いクルマが増え続けてきた。セダンの人気が無くなってきたことも追い打ちをかけ、国産セダンの人気はドンドン無くなってきた。しかし、セダンが売れていない訳ではなく、ほとんどが輸入車になったともいえる。国内で使いにくいのであれば、ブランド力のある輸入が強くなる。さらに、輸入車もBMW3シリーズのように、欧州では1,800mm超の全幅だったものを日本仕様では、1,800mmに変更し立体駐車場に対応するなど努力を重ねているのだから、輸入車が売れるのも当然だ。

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トヨタクラウンそんな中、唯一シッカリと売れ続けているのがクラウンだ。国内専用車ということで日本に特化したクルマ造りとなっていて、全幅は1,800㎜を守り、多くの立体駐車場にも対応する。ゴルフバッグも4つ収納でき、最小回転半径は5.2mと日本の狭い道や駐車場での取り回しが楽など、数多くの配慮がなされている。さらに、先進のハイブリッド技術も早くから採用し、圧倒的な燃費性能を誇った。

若い世代への話題づくりのひとつに


ただ、国内マーケットに最適化されたクラウンだが、大きな問題も抱えていたのだ。それは、顧客の高年齢化だ。若い世代の顧客がクラウンを選ばなくなってきていた。そうなると、いずれクラウンの顧客はいなくなる。そんな危機感を抱いたトヨタは、現行クラウンはデザインを一新。超保守派セダンといわれたクラウンを若い世代も興味を持ってもらえるようなデザインとしたのだ。

そこで、今回投入されたのが誕生60周年となったのを記念し、期間限定の特別仕様車を空色 edition」と「若草色 edition」。4月30日までの1ヶ月間、期間限定で注文を受け付ける。生産開始は、2015年6月を予定。

今回、登場した「空色 edition」と「若草色 edition」も、そうした若い世代へのアプローチともいえる。デビュー直後に話題になったピンクのクラウンと同様で、実際にこの特別仕様車のクルマを買わないにせよ、少しでも若い世代の話題になればいいという考えもあるだろう。

ベースはアスリートS、アスリートS Four


特別仕様車のベース車は、アスリートS(ハイブリッド車・2WD)、アスリートS Four(ハイブリッド車・4WD)。アスリートSは、人気グレードのひとつだ。さらに、現在販売中の特別仕様車“Black Style”で採用しているブラック塗装を施したフロントグリル(格子部分)やブラックスパッタリング工法で塗装を施した18インチアルミホイールなどの装備に加えた。

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クラウン誕生60周年記念特別仕様車価格


トヨタクラウンインテリアにも特別設定色「ホワイト」の本革シート表皮などを採用。インストルメントパネルサイドとドアトリムに空色、若草色の専用ステッチを施し内外色でカラーコーディネイトしているのが特徴。

余計なお世話かもしれないが、クラウンのボディカラーは白、黒、シルバーで全体の90%近くを占める。このボディカラーの構成比でも、いかにクラウンが保守的なセダンであるかが分かる。まぁ、イメージそのままだ。ただ、それは悪いことではなく、冠婚葬祭オールマイティな高級セダンとしての魅力がある。実は、こうしたこともクラウンの大きな価値ともいえる。そんな価値があるクラウンを、この若草色と空色にしたのでは、とにかく目立つ。残念ながら、この特別仕様車では、冠婚葬祭はちょっと無理な感じだろう。

こうした使い方以外では、今回投入された空色や若草色というボディカラーは、なかなか爽やかで好感が持てる。どれだけ若い世代の顧客に興味をもってもらえるか不明だが、鮮やかな特別仕様車を見てクラウンに興味をもってもらえればOKといったところだろか。クラウンに新たな価値を見出せるのか、非常に楽しみなボディカラーをもつ特別仕様車といえる。

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クラウン誕生60周年記念特別仕様車価格


・特別仕様車アスリートS“空色 edition”、“若草色 edition” 2WD 5,550,000円/4WD 5,766,000円

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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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