三菱eKスペース

<自動ブレーキ「e-Assist」装備を装備したものの、未だ横滑り防止装置さえ用意されていないグレードも>

三菱eKワゴン三菱は、軽自動車の「eKワゴン」、「eKカスタム」、「eKスペース」に、低速域での追突被害軽減自動ブレーキである「e-Assist」を装備した新グレードを設定し発売を開始した。

三菱のeKシリーズは、日産との合弁会社がNMKVにより企画開発されている。日産ブランドでは、デイズシリーズとして発売。このeKシリーズには、ワゴンRがライバルとなるハイト系ワゴンであるeKワゴン、タントがライバルになるスーパーハイト系ワゴンのeKスペースの2タイプが用意されている。

軽自動車は、燃費や使い勝手、室内スペースなど、各社で競い合っており、猛烈な勢いで進化している。三菱のekシリーズも同様に、着実に進化してきたモデルでもある。

しかし、燃費やスペースなどでは同等レベルに戦ってきた三菱ekシリーズだが、大きく遅れていたのが安全装備。各メーカー、約30㎞/h以下での低速域自動ブレーキを用意していたのだが、eKシリーズだけこうした装備が用意さていなかった。自動ブレーキなど、安全装備が注目される中、eKシリーズにとっては販売面でハンデと言えるものだった。ダイハツのムーヴの自動ブレーキの装着率が80%と言われる中、多くの顧客を逃がしてしまった。

三菱eKシリーズそこで、ようやく前方車両への衝突を回避または衝突被害を軽減する、低車速域衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM-City)および誤発進抑制機能を採用した予防安全技術「e-Assist」搭載グレードを設定し発売を開始した。e-Assist装備車には、横滑り防止装置ASC(アクティブスタビリティコントロール)が標準装備される。

このFCM-Cityは、約5km/h~約30km/hの低速走行時に、レーザーレーダーが前方車両を検知。衝突の危険があるときは、ブザー音とメーター内の警告灯で注意喚起するとともに、自動ブレーキで衝突の回避または衝突被害の軽減を図る。

eKシリーズは、このe-Assistにより軽自動車マーケットの標準的な安全装備を得た。ただし、安全装備面での進化も激しく、ダイハツは後方誤発進抑制機能まで用意している。こうした競争激化の状態なので、後出しですでに他社に負けているという部分は、少々物足りない部分でもある。

eKシリーズの選び方は、とにかくe-Assis装備のグレードを選ぶことだ。困ったことにeKワゴンは、e-Assist付き以外は横滑り防止装置さえも装備できない。すでに、普通車では横滑り防止装置の装着が法令で義務化されており、やや遅れて軽自動車にも義務化されている。そうした装備なので、まず横滑り防止装置装着グレードを選ぶことが重要だ。すでに、ムーヴは全グレードに横滑り防止が標準装備されている。

■三菱eKワゴン価格:E e-Assist 2WD 1,121,040円~G e-Assist 4WD 1,414,800円

■三菱eKワゴン カスタム価格:M e-Assist 2WD 1,346,760円~T e-Assist 4WD 1,631,880円

■三菱eKスペース価格:E e-Assist 2WD 1,300,320円~G e-Assist 4WD 1,567,080円

■三菱eKスペース カスタム価格:カスタムG e-Assist 2WD 1,595,160円~カスタムT e-Assist 4WD 1,856,520円