
クルマでしか行けないVol.39 茨城の田園風景と焼き鳥丼@どんぐり11
みなさん、『焼き鳥』と聞いて思い浮かぶのは何でしょうか?
まあ、殆どの皆さんが“居酒屋”ではないでしょうか?
これからの季節、冷えたビールと一緒に焼き鳥を召し上がる機会も増えることでしょう。さて、今回は絶品焼き鳥丼を求めて、新橋の駅前ではなく茨城県の奥地へとクルマを走らせました。
目指すは山奥の名店『どんぐり11』さん。
首都高を北上し常磐自動車道で友部ICへ。JR水戸線の線路を横切り山の中へと進んでいくと、トラクターが通るためにつくられたような幅の狭い農道へと差し掛かります。水が張られ、あとは稲を植えられるだけといった田んぼに落ちないよう、ゆっくりとクルマを進めます。
到着してビックリ!!
焼き鳥という言葉が似つかわしくない、ペンション風の建物。

のれんではなく、ゆっくりと扉を開けると、かわいらしい薪ストーブ。大きな窓からは、差し込むやわらなか光が店内へ差し込みます。その光の方に目を向けるとテラス席。その向こうには、田んぼや山といった豊かな自然の景色が広がります。

席について、早速お目当ての焼き鳥丼を注文。のんびりと景色やかすかに聞こえる鳥の声に耳を傾けながら待つこと10分。目の前には焼き鳥丼やスープなどがならびました。あまいタレの匂いを漂わせる焼き鳥丼。
一口食べると、驚きです。絶妙な柔らかさと、香ばしい焦げ目のついた鶏肉にまんべんなく絡んだタレの甘みが口の中で一気に広がります。丼の真ん中で誇らしげに鎮座する玉子に箸を差し込むとドロリと黄身が滲みだします。
次の一口はその黄身と一緒に口の中へ。「これもうまい!」 卵の甘さととろみが、鶏肉との絶妙なコンビネーションを演出。
いつもはサラダやスープなどを順番にいただく筆者ですが、この焼き鳥丼に限っては、箸が一度も止まることなく一気に完食でした。
食後にはテラス席でフォンダンショコラとコーヒーを注文。流れる風を体に感じながら、至福のひと時を過ごしました。
店主の安齊さんに、なぜこの場所で焼き鳥丼なのか尋ねると「元々は、東京の五反田で『竹の子』という名の焼き鳥の屋台をやっていました。しかし、区画整理などで同じ場所でお店ができなくなってしまいました。そのことをきっかけに妻の実家があるこの地にやってきました。タレは今でも当時のものを継ぎ足しながら使っているんです」と、焼き鳥丼のルーツ知り、その美味しさにも納得。
「この景色を十分に楽しんで欲しいですね」という安齊さんに、こだわりをお聞きすると「拘りは、この景観を維持するための草むしりを毎週欠かさないことだよ。でも、その草むしりがすごく大変。お客様のためだと思ってなんとか続けています」と、笑いながら話してくれました。
<アクセス>
どんぐり11
住所:茨城県笠間市下市原76−1
TEL: 0296-73-5712
営業時間/10:30〜17:00
定休日/月曜、火曜