
<専用ボディカラー、ミッドナイトパープルⅣを採用した300台限定車>

日産の販売戦略も大胆だった。SUVなのにFFのみという設定。オフロードや降雪地域での走破性云々は完全に無視。都会派SUVであり、セダンやコンパクトカーとしての使い方やライフスタイルの表現としての価値をアピールする。4WDのターボモデルもその後登場したが、このモデルも4WDとしての価値というよりは、SUVで走りを楽しむ、そんな印象の強いモデルだ。その後、さらにオンロードでの走りに特化したジュークニスモなどが登場し、まさに都会派SUVに振り切ったクルマというスタンスを明確にしてきた。また、2013年8月には、HR15DEエンジン搭載グレードにアイドリングストップ機能を追加し、低燃費化するなど、時代の要請にも的確に応えてきた。その結果、現在では日産SUVを支える1台として成長している。
今回投入された特別仕様車「プレミアムパーソナライズパッケージ」は、2013年8月に発売したパーソナライズパッケージに、更なるプレミアム感を演出した限定車だ。
ボディーカラーは、R34 GT-Rで好評だった「ミッドナイトパープルⅢ」を再現した「ミッドナイトパープルⅣ」を採用。見る角度や光の当たり方で、青紫、赤紫、赤、オレンジへとボディカラーが変化する。なんとも怪しげなボディカラーは、ジュークの個性的なデザインと相まって、圧倒的な存在感をアピールする。とくに、夜の繁華街などに似合いそうな不思議なボディカラーだ。
ノーマルとの変更点がボディカラーだけというのでは、あまりに寂しいということもあり、高輝度シルバー色のアウトサイドドアハンドルとアウトサイドミラー、更に専用17インチアルミホイールを設定。キラキラ感をプラスした、このジューク プレミアムパーソナライズパッケージは300台限定となる。15RX プレミアムパーソナライズパッケージの価格は2,090,550円と安くはない。限定車とはいえ、ほぼボディカラーが専用なくらい。慌てて買うというタイプの限定車ではないだろう。

ジュークがこの時期に、特別仕様車を用意するには訳がある。それは、ホンダが同じコンパクトSUVカテゴリーにフィットをベースとしたヴェゼルを投入したからだ。ヴェゼルには、ハイブリッドが用意され、当然燃費はジュークを上回る。さらに、ハイブリッド&ガソリン問わず4WDのラインアップが豊富。4WD車がターボモデルしかないジュークにとって、まさに強敵が出現したことになる。
都会派SUVとして割り切ったジュークに対して、ヴェゼルは既存のSUV的である意味幅の広い層を狙うモデル。方向性としては競合しないはずなのだが、ハイブリッドという武器もあり、FFモデルはヴェゼルに流れる傾向もある。そんな中、都会派SUVとしての価値をよりアピールする限定車で、少しでも販売台数をアップしたいという狙いもあるだろう。ヴェゼルというライバルが登場したことで、ジュークの値引きも大きくなるだろうから、しっかりと2車を競合させて値引きしてもらえればよい買い物になるだろう。
■ジューク「プレミアムパーソナライズパッケージ」
・2WD
15RSパーソナライズパッケージ 1,720,950円
15RX プレミアムパーソナライズパッケージ 2,090,550円
16GT プレミアムパーソナライズパッケージ エクストロニック 2,371,950円
・4WD
16GT FOUR プレミアムパーソナライズパッケージ 2,634,450円
・2WD
15RSパーソナライズパッケージ 1,720,950円
15RX プレミアムパーソナライズパッケージ 2,090,550円
16GT プレミアムパーソナライズパッケージ エクストロニック 2,371,950円
・4WD
16GT FOUR プレミアムパーソナライズパッケージ 2,634,450円
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