
<クラウンハイブリッドの直4 2.5Lハイブリッドシステムを流用>

GS300hには、クラウンやIS300hと同じ最新の2.5Lハイブリッドシステムが搭載された。システム全体の出力は162kW (220ps)で、燃費は23.2㎞/L。クラウンハイブリッドやひとクラス下のレクサスIS300hと同じで、とくに特別なものはない。トヨタブランドとパワーユニットなど、共通化されていて、レクサスのオリジナリティに欠けているのもレクサス苦戦の理由でもある。
GSは、国内で存在意義を問われ続けてきたモデル。フルモデルチェンジで、走りのセダンとしてデビューしたものの販売面で苦戦。それもそのはず、ガソリン車はすべてハイオク仕様でアイドリングストップも装着されていない上に、低燃費化が急速に進む欧州勢にさえ完全に負けている状態。さらに、エコカー減税の対象とならないなど、国内で売るにはかなり難しい状態だ。
そんな状況下で、唯一売れるGSが450hなのだが、このGS450hは、トヨタのハイブリッド車の中でも異例で、とにかく速いハイブリッド車なのだ。そういう意味では、走りのGSにふさわしいパワーユニットだ。ただ、704万円からという価格はあまりにも高価だ。同じパワーユニットを積む旧型クラウンハイブリッド(3.5L)も高価だったとはいえ540万円だった。燃費と速さは優れていたが、価格が高価過ぎたのがGSが売れない理由といえるだろう。
そこで、もう少し安価で、スポーティなテイストを備え、燃費のよいGSをと望む声があるのも当然だ。そこで、搭載されたのがクラウンに使われた2.5Lハイブリッドシステムだ。価格は580万円からと、GS350よりも安く、GS450hよりも124万円も安い。さらに、GS450hを圧倒する低燃費性能をもち、燃料はレギュラーガソリンなので経済性に優れる。イニシャル&ランニングコストも安く、スポーティさも兼ね備え、バランスが良いグレードとなった。今後、恐らくGSのラインアップで最も売れるグレードになるだろう。
ただ、同じシステムを搭載したクラウンハイブリッドの存在がある。価格的には、当然クラウンハイブリッドの方が安い。大人気のクラウンハイブリッドは、もう街にあふれていすぎて・・・、という人にはレクサスGS300hが多少高価でも満足度は高いかもしれない。また、ハンドリング性能など、走りの質はレクサスが上で、走りに特化したFスポーツもある。

レクサスGS300hの追加と同時に、他のモデルも一部改良が施された。GS350(2WD車)に8-Speed SPDSを新採用。高速巡航での燃費向上に貢献するだけでなく、多段オートマチックトランスミッションならではの滑らかな加速と、最短0.2秒で変速するMポジションでのダイレクトな操作感を両立したスポーツドライビングが魅力だ。ただ、速さでは450hが上だろう。
また、安全装備も若干向上。走行中、ドアミラーで確認しにくい後側方を走行する車両をレーダーで検知し、ドライバーに注意喚起することで、車線変更時の安全運転を支援するブラインドスポットモニター(BSM)をオプション設定。 さらに、ヘッドアップディスプレイをカラー表示に変更し、視認性を向上させている。
エクステリアでは、全車フロントフォグランプをLEDタイプに変更。LEDクリアランスランプに昼間の被視認性を高めるデイライト機能を追加した。また、 “version L”には、19インチアルミホイールをオプション設定としている。
ボディカラーは、新たに “F SPORT”専用色ホワイトノーヴァガラスフレークを設定し、全11色となった。
■レクサスGS300h価格
レクサスGS300h 5,800,000円
“version L” 6,700,000円
“F SPORT” 6,600,000円
“I package” 6,200,000円
レクサスGS300h 5,800,000円
“version L” 6,700,000円
“F SPORT” 6,600,000円
“I package” 6,200,000円