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<モデル末期のA4アバントの購入を考えているのなら、オールロードクワトロを選びたい>
アウディA4アバントをベースに、SUVのテイストをプラスしたクロスオーバー車がアウディA4オールロードクワトロだ。このA4オールロードクワトロが、250台の限定車となって発売された。
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そのDNAを継承して登場したのが、アウディA4オールロードクワトロだ。洗練されスッキリとした印象のアウディA4アバントに、SUVのタフなデザインテイストをプラスし、今では独自の存在感をもつモデルとして成長した。
悩ましいのは、毎年限定車として登場する点だ。国内では2010年に250台、2011年に300台、昨年には200台の限定車として販売され、すぐに完売している。これだけコンスタントに売れるモデルなら、ひとつのグレードとして設定すればいいと思うのだが、色々な思惑があるようだ。例えば、モデル末期のA4は、激しい値引き合戦の中にいる。しかし、A4オールロードクワトロは、限定車ということで値引き合戦に巻き込まれることなく、値引きの必要がない。結果として、確実に収益が確保できるということもある。そんなこんなで、今年も250台が販売される。
ここ数年、毎年出るモデルなので、あまり期待はしていなかったものの、今年のモデルは、少々違う。なんと、パワーユニットがよりパワフルなものへと変更された。前年モデルや通常のA4アバント クワトロは、211psのTFSIエンジンを搭載する。しかし、今年のA4オールロードクワトロは、プラス13psの224ps/4,500-6,250rpmへとパワーアップしている。A4アバント クワトロが211ps/4,300-6,000rpmなので、やや高回転型となっているのが特徴だ。トルクは350Nmと同じ。
さらに、燃費にも変化があった。A4アバント クワトロが13.6㎞/Lに対してA4オールロードクワトロは13.4㎞/Lと、0.2㎞/Lとなっている。これは、単にエンジンの性能というよりは、車重のアップや車高のアップによる空気抵抗によるものと思われる。この新しいパワーユニットは、おなじみのデュアルクラッチ式トランスミッション7速Sトロニックと組み合わされる。モデル末期であっても、こういったモデル末期のクルマを見放さずに、しっかりと改良・進化されているとこは、さすがアウディともいえる。
足回りでは、専用18インチホイール&タイヤを装備。悪路での走破性を高めるためる専用サスペンションを採用。ボディカラーは、グレイシアホワイトとダコタグレーの2色を用意。内装はブラックを基調に本革シート(ミラノレザー)を採用、暖かな色合いのビューフォートオークのデコラティブパネルが配されている。
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ただ、A4オールロードクワトロもモデル末期の割には安くはない。BMWのAWDモデルである320i xDriveツ-リングM Sportの価格は5,540,000円。限定車で珍しいクロスオーバー車とはいえ、モデル末期であることを考えると、リセールバリューを含め、他のモデルとじっくり比較評価して決めるといいだろう。
■アウディA4 オールロードクワトロ価格:620万円