<この小さなボディに180馬力という大パワーで弾け飛ぶように疾走する!?>
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フィアット500をベースとしたハイパフォーマンスモデルである「アバルト595」の50周年記念限定車「アバルト595 50th Anniversary」の予約受注をフィアットが開始した。このアバルト 595 50thアニバーサリーは、全世界限定でわずか299台。日本へは、たった50台しか導入されない希少だ。驚きの価格は、発売は2014年4月以降となるため、消費税増税後ということで消費税8%を含んだ価格となっていて4,849,200円。フィアット500のエントリーグレードは、約200万円なので、なんと約2.5台分ということになる。
この限定車は、1963年にトリノモーターショーで発表された「フィアット アバルト595」(フィアット アバルトは当時の呼称)が、今年で50周年記念車だ。当時のアバルト595をモチーフとした内外装を採用。各部に装着しているロゴもクラシックなデザインにするなど、記念モデルとして細部まで非常にこだわった仕様が特徴だ。つまり、50年前のアバルト595が現代のテクノロジーをまとって生まれ変わったといえる。アバルトとは、現在もフィアット車のハイパフォーマンスモデルを担っているブランド。
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そんなアバルトがプロデュースしたアバルト595 50thアニバーサリーエンジンには、アバルトの手によりチューニングされた1.4L の直列4 気筒DOHC16バルブターボエンジンが搭載されている。最高出力は180ps、最大トルクは25.5kg-mというパワーとトルクを発揮。今時、1.4Lエンジンで180馬力というのは、確かにパワフルだが驚くほどではない。しかし、このエンジンが、1,160㎏と軽い車重で、全長3,655mmと4mを大幅に切る小さなボディに搭載されていることを考えると、いったいどんな加速フィールが味わえるのか想像もつかない。まさに、弾け飛ぶように走る、まさにスーパーホットハッチと呼べるクルマだ。このパワーユニットは、695シリーズ(アバルト695 エディツィオーネマセラティとアバルト695 トリブートフェラーリ)と同一で、595の名を関するモデルでは史上最もパワフルな仕様だ。0-100km/h、わずか7秒という瞬足ぶりを発揮する。
また、トランスミッションには、シフト時間を短縮したATモード付5速シーケンシャルトランスミッション「アバルトコンペティツィオーネ」を採用。スポーツドライビングに対応するために、レーシングスタイルのパドル式スイッチを備えている。ただ、これだけのクルマなので、MTファンのためにもMT搭載車も用意してほしいところだろう。
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外観は、オリジナルである「フィアット アバルト595」と同様のサイドストライプが入っている。ホイールもリムにレッドとライナーで装飾された17インチのアロイホイールを装備。そのホイールの隙間から、レッド塗装されたブレンボ製4ポッドキャリパーがハイパフォーマンスモデルであることをアピールしている。インテリアも外観同様に、レッド&ホワイトでコーディネイト。センスの良さを感じるインテリアカラーの使い方は、さすがイタリア車といえる。
アバルト595 50thアニバーサリーの価格は、消費税増税後の8%で4,849,200円。このクラスのクルマに、約500万円という金額を投入できる顧客は、まさに筋金入りのアバルトファン。そのファンが納得の仕様となっているばかりか、50台という希少価値もある。