クルマでしかいけない番外編2 寄居PAで星の王子さまに出会う
昨今のSA・PAは凄いですよね。
ホテル併設をはじめ、温泉に有名レストランはもちろん、観覧車など。うーむ、こうなると目的地までの『休憩場所』という存在から、このSA・PAを目的に行きたくなりますね。

『星の王子さま』、この名前知らない人はいないかと。
そうです、あの名作です。惑星を旅し、最後はヘビに噛まれて自分の星へと帰っていく…。なんとも、愛しくもせつない…。
この星の王子さまをテーマとしたPAがある!とのこと。箱根にある「星の王子さまミュージアム」に訪れたことのある筆者にとって、あの時の感動を期待させます。

東京から埼玉、群馬を経由し新潟をつなぐ関越自動車道。
その関越道上り車線、埼玉県深谷市にある寄居PAが、星の王子さまPAとして生まれ変わり今年で4年になります。

本線から速度を落としてハンドル切りPA内へ進入すると、まずはその景観に驚かされます。他のSAやPAなら大きい、小さいといった違いはあっても一目でショッピングセンターや売店のそれだとわかりますがここは違います。


PA内にあるのは街なんです。

しかも、ヨーロッパへ訪れたのかと錯覚してしまうような建物。調べてみると、その街並みは『星の王子さま』の作者、サン=テグジュペリゆかりの地、南フランスのプロヴァンス地方の街並みとのこと。

どこか温かさを感じるこの街並みが、読んだ人の心をポッと温める『星の王子さま』のルーツだということにも納得です。

ガーデンにはバラに囲まれた王子さまの像
物語にでてくるキツネの住み家
この雰囲気だけでも、次回もここへ立ち寄りたいという気持ちにさせてくれますが、このPAを目的地に何度も訪れるリピーターが年々増えている理由は、プロヴァンス地方の街並みだけではありません。星の王子さまの世界観を存分に満喫してもらいたいという拘りが、訪れる人の心を鷲掴みにするんです。

一体どんなこだわりがあるのか?

まずは店名。カフェやレストラン、そしてグッズを販売しているショップなど、施設内の店名はすべて『星の王子さま』で使用されている一節からつけられているんです。ショップは星の王子さまとの別れ際の一節から「サンク・サン・ミリオン・ドゥ・グルロ(五億の鈴)」。

「サンク・サン・ミリオン・ドゥ・グルロ(五億の鈴)」と
名付けられたSHOP
店内では星の王子さまグッズや絵本が並ぶ
金色の麦畑をみると王子さまのことを思い出すというキツネの言葉からパン屋には「シュブー・トゥ・ドレ(金色の髪)」という徹底ぶり。

「シュブー・トゥ・ドレ(金色の髪)」と名付けられたパン屋
店名だけではなくお客様に提供するメニューにもこだわっているんです。

ボリューム満点の「パンバーニャ」
「パンバーニャ」は、ここでしか味わうことのできないプロヴァンスで一般的に食されているサンドイッチ。これは星の王子さまPA総支配人である鳥居さんがフランスへ行き、ここだけのために選んだ一品。

すなわち、ここ以外で「パンバーニャ」を味わいたい時にはフランスへ行かなくてはいけない!?ということ。選び抜いた粉を練り店の奥で焼き上げた丸いフランスパンと、周辺でとれる新鮮な野菜でいつでもつくりたての味を楽しませてくれます。

さらに、カフェでは作者のサン=テグジュペリがパリで活躍していた1930年代のコーヒーの味を再現。飲みやすくアレンジされた一杯をプロヴァンスの街並みの中で頂くことがきます。口をつけた時には感じた若干の苦みは、口の中で深い味わいに。
これが80年前にパリで飲まれていたコーヒーかと思うと、気分だけはフランスにいるかのよう。

カフェの名前は作者の「サン=テグジュペリ」
週末と休日にはスタッフの方が施設を案内してくれます
時報コーラス。週末と祝日の15時と18時にスタッフの方が歌と踊りを披露
高速道路の中にいることを忘れてしまうほどのめりこんでしまう「星の王子さまPA」は、クルマでしか行けないアミューズメントパークといっても過言ではないかもしれません。

『星の王子さま』を読み返してもう一度訪れた時には、きっと新しい発見ができることでしょう。

<アクセス>
寄居 星の王子さまパーキングエリア
関越自動車道 寄居PA(上り線)
住所:埼玉県深谷市本郷字北坂3064-4
TEL:048-598-4871
営業時間:各店舗によって異なりますので事前にご確認ください。
URL:http://lpp.driveplaza.com/