フィアット パンダ
<3ドアの500は実用性で買えなかった顧客にとって、うれしい5ドアのパンダが登場>
フィアット パンダがフルモデルチェンジし、3代目となり6月1日より発売が開始される。パンダは、フィアットを代表するコンパクトカー。とくに、初代パンダは爆発的なヒットとなった人気モデルだ。まるでスクエアな鉄板を組み合わせたような四角いボディなのだが、巧みなデザインにより、なんともスタイリッシュなスタイルだった。

2代目パンダは、ボディサイズを大きく拡大。初代パンダのイメージを感じさせつつも、とくに全高は大きく伸び、まるでハイトワゴン系ともいえるデザインへと変貌を遂げた。その結果、広大な室内スペースとラゲッジスペースを確保した。

そして、フルモデルチェンジした3代目パンダは、若干ボディサイズを多くしたが、逆に全高を抑え、全長3,655×全幅1,645×全高1,550mmとなった。全高を抑えることなどで、空気抵抗係数は、このセグメントとしてはトップレベルの0.32を達成しているという。

フィアット パンダ搭載されるエンジンは、フィアット500にも搭載される0.9Lで2気筒ターボのツインエアエンジン。2気筒エンジンゆえの振動などのデメリットさえも、味に替えてしまうくらいユニークなエンジンで、63kW(85ps)/5500rpm と、145Nm(14.8kgm)/1900rpmのというパワーとトルクをアウトプット。まるで、オートバイのようなフィーリングが特徴だ。

このユニークなエンジンに、アイドリングストップ機能やエコスイッチなどの低燃費化技術をプラス。ATモード付き5速シーケンシャル・トランスミッションのデュアロジックを組み合わせ、JC08モードで18.4kmLという低燃費を実現した。

フィアット パンダパンダは、フィアットのモデルラインアップで、これから重要な意味を持ちそうだ。人気の500は3ドアだ。3ドアゆえに、かなり500のキャラクターが気に入った顧客のみとなる。実用性を考えるのなら、やはり5ドアが有利。デザイン的には、500とは若干違うが、パンダも笑ったように見える独特の顔も500に劣らない個性を発揮。500では実用性が低く、購入を諦めていた顧客にとって、注目のモデルとなるだろう。

パンダの価格は、208万円。これは、多くの基本的なパーツを共有する500ツインエアPopよりも12万円安い設定。最近の輸入車は、価格訴求がマーケットに響いた結果、販売台数を伸ばしている傾向ある。フィアットもそういったことを意識したのだろう。ただ、VWアップ! のmove up!4ドア168万円と比べると、まだまだ高価な印象がある。