国宝犬山城で戦国時代にタイムスリップした後は、
100年の歴史を持つ「ひつまぶし」を堪能する。
犬山城
4年ほど前に女性の間でも流行した戦国武将ブーム。以来、多くの女性が全国各地の城めぐりを楽しんでいるそうです。そこで、今回は国宝犬山城へドライブ。名古屋市内から、およそ2時間。国道41号線を走り、小牧市を抜けると犬山城下に到着です。城下は、『尾張の小京都』と呼ばれるほど歴史ある神社仏閣や文化財が多く、その場所に立つとタイムスリップしたかのようで、戦国時代の町民になった気分で犬山城を眺めてしまいます。

■犬山城 1537年に織田信長の叔父である織田信康によって建てられた天守は、現存する日本最古の木造形式です。「松本城」「彦根城」「姫路城」とならんで、国宝4城のひとつに指定されています。そして犬山城の大きな魅力は、古き構造でありながら天守閣まで登る事ができること。城を攻める敵兵になった気分で4層構造の城内を繋ぐ急な階段を登ると、天守閣に到着。そこからの眺めは、正に圧巻。目の前には、広大な濃尾平野と雄大な木曽川を眺めることができます。眼を閉じ戦国時代へと遡れば、遠くに名古屋城や岐阜城の姿も思い描くことができます。
歴代の城主や家臣しか見ることのできなかった眺めをしばし堪能、気分は歴代城主に仲間入りです。
犬山城内

■犬山城下 犬山城の麓にある三光稲荷神社には、家内安全や交通安全を願う人から、縁結びなど恋の成就を願う人まで、多くの方が参拝されているそうです。縁結びの祈願に使用する絵馬は少し変わっていて、ハート形をしていました。
三光稲荷神社 鳥居
三光稲荷神社 絵馬

■城下町 犬山城から南へと伸びるおよそ1.5kmの本町通り。ここが犬山城下町のメインストリートになります。餅に団子、漬物に犬山焼など道の両脇には当時の家屋を活かした個性的な飲食店や雑貨屋が並びます。この日も多くの観光客で賑わいを見せていました。
犬山城下町
(おみやげなどの詳しい情報はこちらのサイトへ)

■犬山おどき
いくつかあるカフェの中で、是非、お勧めしたいのがこちら。
本町通りを超えるとすぐに、円相が描かれた暖簾が目に留まります。

犬山おどき 入口
ここは、平成18年に築100年の建物を改装してつくられたカフェ「犬山おどき」です。

「店名は能で使われる『男時(おどき)』からとりました。おどきには、運がいい、勢いがあるという意味があるんですよ」
そう話してくれたのはオーナーの青井 琳さん(以下 青井さん)。犬山おどきのある場所は、元々は青井さんのご実家で提灯を作る作業場だったそうです。

犬山おどき 青井さん
3代目となる青井さんも、無論、提灯づくりの職人さん。カフェ内には、作業スペースがきちんと設けられています。毎年行われる犬山祭りでも、青井さんが作った提灯が使われているそうです。

黒を基調とした店内を言葉で表現するならば、和と洋の融合です。賞まで獲られたデザインは、設計士さんと5年かけて思案したと言います。建築家や店舗設計を生業とされている方は、一度、見学してみてはいかがでしょうか?
犬山おどき 店内

城下町散策で乾いた喉が、冷たいものを欲しているのでアイスコーヒーをオーダー。すると、アイスコーヒーと共に運ばれてきたのは、グラスに入ったおひねり。

犬山おどきおひねり 五円玉
聞くと、成田山で祈祷した5円玉で財布に入れておくと良いとのことでした。
当日、オーダーはしなかったものの、こちらのお店の名物は田楽串トーストとのこと。お時間のある方は、お楽しみください。

■あつた蓬莱軒 名古屋に訪れたのなら、一度は味わってほしいのが「蓬莱軒の“ひつまぶし”」。

あつた 蓬莱軒 入口
超有名店で、土日には長蛇の列ができますが、味わってみればそれも納得です。

あつた蓬莱軒の創業は明治6年。
この頃、本店のある名古屋市熱田区は『蓬莱』と呼ばれており、
その地名をとって蓬莱軒と名付けられたそうです。
「この周辺は、宿場町でした。そのお客様を相手に、元々は懐石料理店を営んでいました。その際、料理の締めとして出していた『鰻茶漬け』や出前で『鰻丼』を提供していました。その頃、鰻丼は陶器の器を使用していたのですが、出前の際、割れてしまうことがありました。そこで、思案した結果、“おひつ”にいれることになりました」と、教えてくれたのは6代目若女将 鈴木裕子さん。続けて、何故、現在のようにおひつ内で分ける習慣ができたのかを尋ねると意外な答えが返ってきました。

あつた蓬莱軒本店 6代目若女将 鈴木裕子さん
6代目若女将 鈴木裕子さん

「3人前、4人前の鰻丼では、取り分ける際に鰻が行き渡らないことがありました。そこで、はじめは混ぜご飯のように崩してから食べていました。ただ、それではあまり見栄えがよろしくないと言うことで、おひつ内で人数分を分けるようになりました」
今でこそ、当たり前となっている食べ方、
①膳目-うなぎの味を堪能
②膳目-ネギ・ワサビ・ノリの薬味を加えて
③膳目-お茶漬けについて
④膳目-お好みで
ですが、以前は鰻茶漬けの流れで本物のお茶を使用していたといいます。

あつた蓬莱軒本店 ひつまぶし
鰻重が苦手という方も、是非、一度お召し上がりください。何故か蓬莱軒のひつまぶしは好物になるはずです。理由は、タレ。ひつまぶしに使用されているタレは、門外不出。蓬莱軒で働く職人さんでさえも触る事ができない、鈴木家が140年間守り続けている味だからです。

今回訪れた場所は、全て多くの時を重ねた場所ばかり。
歴史が作りだした建造物や味は、決して真似の出来ない、唯一無二の存在でした。

□犬山城
住所 愛知県犬山市犬山北古券65-2
TEL 0568-61-1711
公式HP http://inuyama-castle.jp/
犬山城アクセスマップ

□三光稲荷神社
住所 愛知県犬山市犬山北古券41-1
TEL 0568-61-0702
公式HP http://inuyama.gr.jp/shrines-temples-historicsite/shrine/2713

□犬山城下町(観光案内所)
住所 愛知県犬山市犬山東畑36
TEL 0568-61-2825
公式HP http://www.inuyama.gr.jp/(観光案内所)
公式HP http://inuyama.gr.jp/culturalassets-themepark/culturalassets/4050(犬山城下町)

□犬山おどき
住所 愛知県犬山市犬山南古券19
TEL 0568-61-5274
公式facebook http://www.facebook.com/inuyamaodoki?ref=ts&fref=ts

□あつた 蓬莱軒 本店
住所 愛知県名古屋市熱田区神戸町503
TEL 052-671-8686
公式HP http://www.houraiken.com/
あつた蓬莱軒本店 アクセスマップ