屋根が開けばいいのか メルセデスベンツAクラス クルマのこととなるとつい饒舌になってしまいます。ちょっと行き過ぎ、時々反省したりもします。
でも、タイヤが4本付いて、もっともメカニカルなものの一つでありながら、優秀なデザイナーが芸術の域に迫ることも珍しくない素敵な「ボディ」という閉空間を有する自動車は、同時にもっともロマンチックなものでもあると思うのです。

だから、眺めているだけだって楽しいし、ドライブしているうちに移ろう車窓もしかり。そしてしばしドライブして到着した旅先での思い出は、絶対に「そのクルマと一緒だったからこそ」であるはずです。

その点、「クルマの屋根が開くかどうか」
・・・これは案外私の中で重要であり、また、長く憧憬の先にあることのように思うのです。

景色のいいところに着いたら、窓を開け、シートを倒し、屋根を開け放てば、日の光、潮の香り、ヒンヤリとした高原の風、とめどなくあふれる夜空の星・・・おおいに降り注ぐことでしょう。

今週私の目に留まったのは、紺色のメルセデスベンツA160です。
このクルマには実は「ラメラルーフ」と名づけられた開口部の非常に大きいサンルーフが装着されています。昔のお風呂の蓋には、板を何本も渡すことで覆うというものがありましたが、あんな風でしょうか。ぱたぱたと重なって後ろにまとまります。

絶対的には小さなボディのルーフ部分を、めいっぱい開放的に!!
そんな意気込み、心意気までも形にした装備だなあと思うのです。メルセデスベンツ初のコンパクトハッチバックとして、デビュー時には結構たくさん紹介されたものですが、探すと、装着されているクルマの少ないこと。

おそらく、ただでさえ安くはなかったこのクルマにこれを装備すると、価格はかなり当時のオーセンティックなラインナップのエントリーグレードCクラスに近づいてしまう・・・そんな事情もあったのかもしれませんね。

でも、「微笑みのメルセデス」これに勝るクルマの価値ってあるでしょうか?いまなら気軽に「お散歩ドライブ」に出かけられる一台、しかも20000km。
こんなクルマなら、「特に予定なし。でもちょっとお出かけ」
そんな週末を楽しめそうですね。

くっきりとした濃紺のメルセデスが、満開の桜の下でボディにも車内にもとめどない桜吹雪を受ける様・・・そんな風景はとても素敵だと思いませんか?

『屋根が開けばいい』
それも立派なクルマ選びのポイントだと、私は思うのです。

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