トヨタ プリウス エクステリア

プリウス大王が真相を徹底追及!

ここ数日、TVや新聞大きく取り上げられたトヨタ プリウスのブレーキ問題。新型プリウスのブレーキが効かない、ブレーキが抜けるといった苦情が米国のみならず国内でも寄せられているという。初代以来プリウスを乗り継ぎ、自他共に認めるプリウス大王の自動車評論家「国沢 光宏」が新型 プリウスのブレーキ問題を緊急レポート。その真相を追求する!

【2/15続報】プリウス ブレーキ抜け騒動 解説編 その2はコチラ!

トヨタ 新型 プリウスのブレーキがすっぽ抜ける!?

トヨタ 新型 プリウス フロント ブレーキ

 すでにTVや新聞で報道されている通り、トヨタ プリウスのブレーキに問題が発生した。「ブレーキを踏んでいるのに、突如すっぽ抜けて空走する」というもの。興味深いことに共通した状況で発生している。低い速度域から、弱いブレーキを掛けつつ、濡れたマンホールの蓋や凍結した路面、路面の段差などを通過した際、ブレーキが完全に効かなくなって空走するというもの。
 1人や2人ならアンチトヨタの誹謗中傷ということもありえるけれど、私のWebサイトに15件以上の一次情報を頂いたから驚く。当初、同じような条件で発生することの多いABSの作動じゃないか、と思った。古い世代のABSだと大幅に制動距離が伸びることも珍しくないです。私が乗っていた1994年式のオペル・アストラなんか、3連のマンホールで20mも滑走したこともある。
情報を送ってくれた人に問い合わせてみたトコロ、どうやら違う感じ。濡れたマンホールの蓋などでABSが作動するのは、一瞬かつ基本的に1輪。「ビビビ」という音や、ブレーキペダルの反力を伴う。最近のABSだと瞬時に油圧も復帰する。報告されるプリウスのすっぽ抜けの場合、4〜20mという長い距離を空走してます。

ABSの誤作動ではなかった! では原因は?

トヨタ 新型 プリウス エクステリア

 いろいろ考察した結果、原因が解ってきた感じ。御存知の通りプリウウスのブレーキシステムは普通のクルマと同じ油圧系と、モーターを発電機として稼働させ電力をリサイクルする回生系の2つを組み合わせてます。すっぽ抜けの発生している状況で稼働しているブレーキは、100%回生。
 この状態でタイヤのロックを感知したらどうか? 本来なら前輪のみに作用してる回生ブレーキを終了し、4輪の油圧ブレーキに切り替わる。けれどすっぽ抜けを体験した人の報告によれば、切り替わりが100%機能していないようなのだ。
 油圧系のABSなら1輪の油圧だけ抜く制御で済むものの、回生の終了=全てのブレーキの終了を意味する。ロックの感知で回生を終了すると、ノーブレーキ状態になってしまう。文字通りすっぽ抜けた感覚になるハズ。体験した人は皆さん「怖かった!」と言ってます。
 この件、自動車専門誌の「ベストカー」で紹介した。これを読んだ朝日新聞の記者さんが記事にしたら、トヨタも認めることになった、という流れでございます。
 ちなみにトヨタが記者会見で述べた状況は全く同じ。新車については1月からすっぽ抜けしない制御コンピューターに切り替わっているとのこと。既納車の制御コンピューターも順次対策されていくと思う。

達人プロフィール: 国沢光宏
職業:自動車評論家
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

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