広州モーターショー プラグインハイブリッドカー エクステリア

プラグインハイブリッドだと主張しているけれど、完全なモックアップ。コンセプトカーだから許される?

中国メーカーでは、ハイブリッド車を作れないのか?

 11月23日から始まった広州モーターショーで「ハイブリッドの技術的な難しさ」を再認識させられた。中国は昨年の北京ショーから広州ショー、上海ショーまで「ハイブリッド祭り」という様相を呈していた。どこのメーカーのブースにも「Hybrid」というステッカー張ったクルマがあったほど。
 なのに今年の広州ショーを見たらハイブリッドの出展が極端に少ない。中国は明快である。「やらなくちゃならない」と判断すればガンガン進み、「こらダメだ」と考えたら効率の良い方法を選ぶ。大国だからして「厳しくても何とか克服しなければ生きていけない」みたいな努力をしなくていいのだろう。
 世界第2の電池メーカーであるBYD(カローラのパクりで有名)が、発売延期になったプラグインハイブリッドのコンセプトカーを出展していた程度。中国のメディアに聞いてみたら「開発に取りかかったものの複雑過ぎてキチンと動かないので中断しているメーカーが多い」のだとか。
考えて欲しい。日本ですら本格的なハイブリッドを実用化出来てるのはトヨタだけ。ホンダのような技術力を持っていても簡易式しか作れない状況。少なくとも中国の新興メーカーより、マツダや三菱自動車の方が優れている。冷静になって評価すると、中国のメーカーにハイブリッドなど作れまい。

日本メーカーの強力なライバルは韓国の現代自動車だ

 もう一つ。中国政府の方から「ステッカー張っただけのハイブリッドは出展するな」みたいな指導もあった模様。確かに中国のメーカーが出展してきたハイブリッド車と来たら凄いモノだった。動きそうもないクルマなど普通。ボンネット開けてみたら普通の駆動系だった、みたいなケースさえありましから。
 つまりボディにステッカーだけ張って「ハイブリッド車でございます」というのが、日本の新聞やTVで盛んに紹介されている「中国のモーターショーにも多くのハイブリッドが出展されていた」の正体なのだ。「なんちゃってハイブリッド」を引っ込めたら、もはや何も残らなかったのだろう。
 ただ皆無になったワケじゃない。「hybrid」というプレート張った紫の色のクルマは、クラウンやスマートのように「オルターネーターを減速時に積極的に使って電力回生する」というタイプ。ウソじゃないものの、「ハイブリッドとはなんぞや?」みたいな領域に入ってきてしまう。
 むしろ日本の強力なライバルになりそうなのは韓国の現代自動車。すでにホンダタイプのハイブリッド車を韓国国内で販売し始めているし(日本人には絶対試乗させない。何度も断られました)、広州にもワールドプレミアとなるディーゼル・ハイブリッドのSUVを出展してきた。
 もし現代自動車がハイブリッド技術を確立したら、ハイブリッドを持っていない日本の自動車メーカーは世界的に厳しい状況になってしまうと思う。少なくとも今後最短で10年。長ければ20年はハイブリッド&プラグインハイブリッドの時代が続く。マツダや三菱の頑張りに期待したい。

広州モーターショー 現代自動車 ディーゼル ハイブリッドSUV エクステリア
広州モーターショー オルタネーター ハイブリッドカー エクステリア
広州モーターショー オルタネーター ハイブリッドカー エンジンルーム
上海モーターショーに出ていたステッカーハイブリッドカー

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