ホンダには自由で独創的なアイディアで、今までに「ないものをつくる」という思想が創業以来流れ続けている。今回の東京モーターショーにも、そんなホンダの挑戦精神が現われたコンセプトカーが出展されていた。もちろんそれらのクルマは走る楽しさや使い勝手の良さだけではなく、現在の地球環境を考えたものでもある。
こうしたホンダのもの作りの姿勢を表わすのがCR-Zコンセプト2009やスカイデッキ、EV-Nなどのコンセプトカーだ。さらに、すでに市販されている燃料電池FCXクラリティや使い勝手だけでなく燃費の良さも売りにしたミニバンのステップワゴンなど、多くのハイブリッドや電気自動車のコンセプトカー、そして市販車が伊東考紳社長により、プレスカンファレンスで次々に紹介されていった。
そんなホンダ ブースで最大の注目車は、やはり次世代ハイブリッドスポーツであるCR-Zコンセプトだろう。インサイトやシビック ハイブリッドで培われた技術を元に、1.5リッターエンジンを搭載したハイブリッドカー初のスポーツモデル。燃費の良さだけでなく、走る楽しさも追求しており、ハイブリッドとして初の6速MTを採用のもポイントだ。
内外装のデザインは、最近のホンダ車に共通する五角形のフロントグリルやスポーティな室内空間などを取り入れている。エクステリアデザインはかつてのスポーツモデルCR-Zのような雰囲気もあり、期待が持てる仕上がりだ。このCR-Zコンセプト2009は、コンセプトカーとはいうものの、来年の2月には市販が予定されていることが伊東社長により明言された。クルマ好きをも唸らせる次世代ハイブリッドの登場が待ち望まれる。
近い将来のミニバン像を提案するコンセプトカーであるスカイデッキ。空力を重視した滑らかなフォルムとハイブリッドシステムにより、優れた低燃費を実現するという。また室内空間もハンモック状のシートやセンターコンソール内にバッテリーを収納する技などを採用し、居住スペースも驚くほどの広さを確保している。
全長2860mmというコンパクトボディながら、電気自動車ならではのパッケージングで、大人4人がきちんと乗れる室内空間を確保している。フロントのボンネット部分は、エンジンではなくラゲッジスペースとなっているのは、いかにも電気自動車らしい。さらにドライバーと歩行者間のコミュニケーションシステムなども搭載し、乗る人はもちろん周囲にも優しい新世代の自動車だ。