ザ・対決 トヨタ 新型 プリウス VS 中古車 トヨタ 2代目 プリウス
トヨタ プリウス新旧編
トヨタ 新型 プリウス vs 中古車 トヨタ 2代目 プリウス

 3代目トヨタ プリウスは、発売から約4カ月経っている現在、バックオーダーは大量で、その勢いは止まるところを知らず。予算に枠がある補助金を受けられないという事態になるほど。確かに、新車で新型プリウスを買うのはいいのかもしれないが、このような事態になってくると、注目すべきは2代目、すなわち先代のプリウスの中古車だったりする。
 性能や完成度は問題なし。燃費もいい。さらにデザインも新型がそれほど変えて出なかっただけに、古くさく感じることもあまりない。もちろんこれが一番大切なことかもしれないが、中古車は価格が安い。マイナーチェンジ後の後期型なら、年式的にも古くはない。
 なにがなんでも新型プリウス! と、いうことでなければ約10ヶ月も新型プリウスを待つことなく、2代目プリウスを中古車ですぐに手に入れるという選択もありだ。今回は、そんな視点で「新型プリウスと2代目プリウスの中古車を徹底比較評価」2代目プリウスの中古車にスポットを当て、ムリのないスマートなカーライフを送るためのテクニックを教えます!

佐藤まいみ
PHOTO/高木博史 構成・文/近藤暁史
モデル/ 佐藤まいみ

ROUND1:ファーストインプレッション

トヨタ 新型 プリウス
トヨタ 新型 プリウス リヤ
大きく変わったところはないけれど
着実な進化を遂げて、大人気!

 デザイン的には2代目プリウスを踏襲しており、一見すると、そのスタイルはあまり変わっていないように思える。ただ、サイズ的には全長で15mm長く(4460mm)、全幅も20mm拡大(1745mm)されており、ひと回りほど大きくなっているし、それにより、存在感は確実にアップしている。また、傾斜のきついフロントまわりやスパっと切り落としたかのようなテールなど、デザイン面でも未来感をさらに強く感じるようになった。
 やはり気になるのはハイブリッドシステムはTHS IIという名称からもわかるように、初代から連綿と続くタイプ。それだけに性能には磨きがかけられ、まずエンジンの排気量を1.5リッターから1.8リッターにアップ。これには可変バルブタイミングやアトキンソンサイクルなどの技術を採用し、単体で見てもチャンとしたエコユニットに仕上がっている。
 またモーターの出力&効率も高められていて、しっかりとアシストしてくれるし、トルクを増幅するリダクション機構を追加したことで、モーターの小型・軽量化にも成功。さらにモーターだけで走ることができるEVモードも55km/hまでと飛躍的にアップしただけでなく、走行距離も大きく伸びたのはうれしい点だ。
 そして注目すべきは、静粛性と滑らかさ。とくにエンジンとモーターの切り替えは、気にしていないとわからないほどで、振動などはほとんどなく、ごく普通に乗ることができる。ただし、先代より話題になっている足まわりのセッティングは、グレードによってバラバラ。全体的には乗り心地はかなり改善されているが、上級グレード、しかもツーリングセレクション系のほうが完成度は高いといっていいだろう。

[エコ&燃費]
EVモードの使用範囲が広がったなど、量産車のなかではエコ度は文句なしの世界トップだろう。たとえば燃費はカタログ値ながら、38.0km/Lを達成しており、これは量産ガソリン車で世界トップ。

[安全性能]
全席3点式シートベルトやサイド&カーテンエアバッグ、ヒルスタートシステムが標準装備となるのは当たり前。ステアリングも協調制御して横滑りを防止するS-VSCやトラクションコントロールなども全グレードで標準で装備される。

[取材時実測燃費]
28.9km/L

[新型 トヨタ プリウス価格帯]
205.0〜327.0万円

中古車 トヨタ 2代目 プリウス
中古車 トヨタ 2代目 プリウス リヤ
長期間新型を待つくらいなら
中古車だ!

「21世紀に間に合いました」をキャッチフレーズに登場した初代からどう変わるか興味津々だった2代目。もちろん大きく進化したのはハイブリッドシステムだった。エンジンは初代プリウスと同じ1.5リッターのままとしたが、モーターの出力や制御を大幅に進化させることで、走りを一新。それまで、エンジンとモーターの切り替わりなどでかなりギクシャクしていたのが、滑らかになった。とくにマイナーチェンジ後の後期型では、かなり改良されている。
 スタイル的にもセダンから5ドアハッチバックへと変身することで、広大なパッケージングを確保。とくに後席とラゲッジのスペースは格段にアップしたのは、"使えるエコカー"という点で評価できるだろう。
 新型プリウスと違う部分を整理しておくと、まず排気量が新型が1.8リッターに対して2代目は1.5リッターとなる。さらにEVモードは2代目で世界初で採用されたので付いている。逆に2代目だけの特徴としては、シフトがより小ぶりでステアリング横にあり、操作がしやすかった。また前席はウォークスルーを採用しており、左右の移動ができるなどだ。この点は新型にはないだけに、中古車で選ぶときのアドバンテージとなるはず。
 新型と2代目の燃費もそれほど大きな差がなかった。今回のテストでは約1.0km/L程度の差。実用燃費で約5%の差なら、価格の安い中古車の方がコスト的には安くつく。


[エコ&燃費]
 新型の世界トップの燃費に目がいくが、じつは2代目も10・15モード燃費で35.5km/Lと立派なモノだし、数値的には約3km/L違うだけ。実用燃費でも、制御が緻密になっているので新型のほうがいいとはいえ、大きく違うことはないというのもまた事実だ。

[安全性能]
 ハイテク安全装備充実化の過渡期に登場したこともあってか、横滑りを防止するVSCが付くのは上級グレードのGのみ。スタンダードのSには付かない。またプリウスEXに関しては、設定はなく、オプションでも用意されていないので、価格以外はあえて買う理由は見あたらない。

[取材時実測燃費]
27.8km/L

[2代目 トヨタ プリウス価格帯]
233.1〜335.0万円(新車時)

[2代目 トヨタ プリウス 中古車相場]
2005年式:110〜200万円
2006年式:150〜230万円
2007年式:150〜240万円

新型 トヨタ プリウス G
ボディサイズ(全長x全幅x全高)
4460×1745×1490mm
車両重量
1350kg
エンジンタイプ
直列4気筒DOHC
総排気量
1797cc
エンジン最高出力
99ps(73kw)/5200rpm
エンジン最大トルク
14.5kg-m(142N・m)/4000rpm
モーター最高出力
82ps(60kw)
モーター最大トルク
21.1kg-m(207N・m)
ミッション
電気式無段変速機
10・15モード燃費
35.5km/l
サスペンション(前/後)
ストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)
ベンチレーテッドディスク/ディスク
税込価格
245.0万円
中古車 2代目 トヨタ プリウス S
ボディサイズ(全長x全幅x全高)
4445×1725×1490mm
車両重量
1260kg
エンジンタイプ
直列4気筒DOHC
総排気量
1496cc
エンジン最高出力
76ps(56kw)/5000rpm
エンジン最大トルク
11.2kg-m(110N・m)/4000rpm
モーター最高出力
68ps(50kw)
モーター最大トルク
40.8kg-m(400N・m)
ミッション
電気式無段変速機
10・15モード燃費
35.5km/l
サスペンション(前/後)
ストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)
ベンチレーテッドディスク/ドラム
税込価格
238.35万円(新車時)
トヨタ 新型 プリウス 1.8リッターエンジン

ハイブリッドシステムは2代目プリウスと共通のTHS IIを採用。だが、排気量アップやリダクション機構を追加するなど改良が重ねられている。

トヨタ 新型 プリウス 15インチホイール

標準系は15インチタイヤ&アルミホイール(写真)が標準装備。ツーリングセレクションは17インチとなり、しっかりしたハンドリングが特徴だ。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス 1.5リッターエンジン

エンジン排気量は初代と共通の1.5リッター。トルクを増幅するリダクション機構を持たないこともあり、モーターは新型より大きなものを搭載する。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス 15インチホイール

2代目プリウスも15インチタイヤ(写真)が基本で、ツーリングセレクションは16インチとなる。実用燃費に関しては15インチ仕様が有利だ。

トヨタ 新型 プリウス インパネ

2代目プリウスと比べてすっきりした印象のインテリア。収納付きの大きなセンターコンソールを採用し、左右のウォークスルーができなくなった。

トヨタ 新型 プリウス シフトレバー

ミッションは新型プリウスでも電気式無段変速機を採用する。EVモードだけでなくエコモードやパワーモードといった走行モードが追加された。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス インパネ

インパネ中央のディスプレーは全車に標準装備。楕円ステアリングなどユニバーサルデザインが取り入れられており、誰でも使いやすい工夫がある。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス シフトレバー

プッシュボタン式のPレンジを採用するなど、今見ても未来的なシフトレバー。EVモードを初めて採用した点も見逃せない部分といえる。

トヨタ 新型 プリウス メーター

タッチトレーサーと呼ばれる新機能を採用した。ステアリングスイッチに触れると、スピードメーターの両脇にどのボタンをさわっているかが表示される。

トヨタ 新型 プリウス エネルギーモニター

エネルギーモニターはメーター内部に表示されるようになった。ナビ画面と同時に見られるようになったのはいいが、表示が小さく旧型より見にくくなった。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス メーター

新型プリウスと同様、視認性のいいセンターメーターを採用している。スピードメーターやシフトポジションだけでなく、エアコンの作動状況も表示される。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス エネルギーモニター

エネルギーモニターは、ナビ画面にカラーで大きく表示される。ナビと同時に見られないのは不便だが、見やすさに関しては新型プリウスより優れている。

トヨタ 新型 プリウス フロントシート

収納スペース付きの大きなセンターコンソールを新たに採用した。ピラーの形状を工夫することで死角を減らし、運転しやすくなった。

トヨタ 新型 プリウス リヤシート

ボディの形状やパッケージングを見直し、頭上の空間や足元スペースの余裕が増している。シート地はスエード調のファブリックを採用。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス フロントシート

新型プリウスとは異なり、左右のウォークスルーが可能。各部にユニバーサルデザインを取り入れることで、誰にでも使いやすい造りだ。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス リヤシート

後席のスペース(特に頭上)は、わずかに新型プリウスに及ばない。人数分の3点式シートベルトやヘッドレストは、標準装備なので安心だ。

トヨタ 新型 プリウス ラゲッジ

ラゲッジ容量は拡大され、使い勝手が高まった。それほど広くなったという印象はないが、ゴルフバッグが3つ入るようになった。

トヨタ 新型 プリウス ラゲッジ

リヤシートを収納すれば、広々したスペースが現われる。開口部も広く作られているので、大きな荷物の積み下ろしにも苦労はない。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス ラゲッジ

ゴルフバッグが2つしか入らないのが弱点だったようだが、実用上困るほど狭いわけではない。広さ、形状ともに大きな不満はない。

中古車 トヨタ 2代目 プリウス ラゲッジ

リヤシートはレバーを引くだけで簡単に収納できる。フロアは段差もなくフラットなので大きな荷物も積みやすく、使い勝手は良好。

トヨタ 新型 プリウス vs 中古車 トヨタ 2代目 プリウス

 新型 トヨタ プリウスは、基本的にはキープコンセプトのモデルチェンジといっていい。ただ自慢のハイブリッドシステムは、高速燃費改善のために排気量を1.8リッターにアップ。またトルク増幅効果のあるリダクション機構を採用することで、モーターの小型・軽量化を実現した。走りは標準車とツーリングセレクションでかなり印象が違うので、両方に試乗して確認した方がいい。
 対する2代目のプリウスだが、こちらは従来同様1.5リッターエンジンを搭載。モーターも大きく重いものだが、ハイブリッドとしての完成度は新型プリウスと比べても、それほど遜色はない。カタログ燃費は今回対決させた新型プリウスのGと、2代目のSでは35.5km/Lだ。実用燃費でもそれほど大きな差は付いていないので、程度のいい2代目の中古車もオススメだ。

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