ルノー 新型 カングー[欧州仕様車/ボディカラー:Vert Cactus(ベール カストゥス メタリック)] Vertは「緑」、Cactusは「サボテン」の意味だ。

全長で180mm、全幅で155mm拡大

ルノー 新型 カングー[ボディカラー:Jaune Agrume(ジョン アグリュム)] フロントマスク

 ルノージャポンは、ハイトワゴン「カングー」をフルモデルチェンジし、9月11日より発売する。コンセプトは"LUDOSPACE"(ルドスパス:遊びの空間)。プラットフォーム変更によりボディサイズは大幅に拡大。室内・荷室ともに空間が広がった。
 「ルノー カングー」は、小型な車体寸法ながら広い空間を持つ実用性の高いワゴンだ。欧州などでは商用車としても広く愛用されている。1997年の初代モデル登場以来、愛嬌のあるスタイリングや走りの良さと相まって世界市場ではおよそ250万台を販売。日本でも2002年より導入され、既に9000台以上を売っている。
 そんな中、2007年欧州では10年ぶりのフルモデルチェンジを実施。2年経って、いよいよ日本へと正式導入されることになった。2代目となる新型カングーでは、プラットフォーム(車台)をメガーヌやセニックなど1クラス上のモデルが使用するルノー日産Cプラットフォームへと上位移行させたのが大きなニュースだ。先代の寸法が4035x1675x1810mm(全長x全幅x全高)だったのに対し、新型 カングーでは4215x1830x1830mmとボディサイズがかなり大きくなっている点に注目したい。全長で180mm、全幅で155mmの拡大は、もはや別のクルマと言っても良いかもしれない。特に車幅の拡大により、日本では先代の5ナンバーサイズから3ナンバーへと「進化」しており、街中などでの使い勝手において不安が残るところだ。これに対しルノーでは、最小回転半径が先代より短い5.1mとし、ボンネットもショート化。運転席のアイポイントも100mm高められ、ウェストラインも低められ見晴らしが良くなり死角が減るなど、取り回しはむしろ良好になっていると主張している。

ルノー 新型 カングー[AT車] インパネ
すっかり「乗用車」的に生まれ変わった新型カングーのインパネ周り。シフト位置もAT/MTともにセニック同様にセンターコンソールへと移動した。
ルノー 新型 カングー インテリア
サポート性を高めた運転席シートには高さ調整機能が追加。「HOOPS(フープ:しゃぼん玉)」と名付けられたオシャレなシート地も魅力的だ。
ルノー 新型 カングー ラゲッジルーム
リアのトノボードは上下2段に高さ調整可能。未使用時にはリアシート裏に畳み収納も出来る。荷室は660リッターから最大2866リッターまでの大容量に拡大する。

ファミリーワゴンとしての機能は大幅アップ

ルノー 新型 カングー[ボディカラー:Jaune Agrume(ジョン アグリュム)] 観音開きタイプのリアゲート

 ボディは大きくなったとはいえ、先代同様の愛嬌のあるスタイリングイメージは継承された。インテリアも、鉄板むき出しだった(これはこれで味があったが)先代に対し、より乗用車的に進化を遂げた。カングーの持ち味のひとつである荷室の空間もさらに拡大。助手席の前倒し機能も追加され、2.5mの長尺物も積めるほどになった。あわせて客室内の収納スペースも増やされている。もちろん、先代同様に後部のドアは左右観音開き式のダブルバックドア。写真の通り、こちらは相変わらずの鉄板むき出しスタイルだ。
 先代カングーはコンパクトゆえ後席スペース、特に足元スペースなどは狭いほうだった。新型では足元周りが43mm拡大。同様に室内の左右幅も拡大した。後席スライドドアも開口部が20mmも広げられている。ファミリーワゴンとして使うことを考えると、新型カングーのボディの拡大は歓迎すべきことかもしれない。なお新プラットフォームの2重フロア構造や遮音材の追加投入などにより、静粛性も大幅に高められているという。
 新型カングーに搭載されるのは、先代同様の直4 1.6リッター「K4M」型DOHCエンジン。マニュアルモード付き4速ATに加え、イマドキ希少な5速MTモデルも用意されている。安全面でも新プラットフォームの効果が生きており、衝突安全性も高められている。またカーテンエアバッグなど6エアバッグも装備される。能動安全面では、ASR(トラクションコントロール)やEBD付きABSなどを装備するが、ESC(横滑り防止装置)がオプションでも設定されていない点は残念。
 新型ルノー カングーの価格は、消費税込みで219.8万円/229.8万円[5速MT/4速AT]。快適装備として、オートライトやオートワイパー、クルーズコントロールなども新たに装備しながら、先代に対し最小限の価格上昇に留められた点は評価したい。ボディカラーは、標準タイプ6色に加え、注文生産で6色と全12色から選択可能。コダワリ派には嬉しいポイントだ。

ルノー 新型 カングー オーバーヘッドコンソール
先代よりお馴染みオーバーヘッドコンソール。このほかアンダーフロアボックスなど収納が充実している。
ルノー 新型 カングー 3連式コンソールボックス
従来型では左右にあった蓋付きのコンソールボックスはセンターの後席前方上部に移動した。
ルノー 新型 カングー サイドブレーキ
サイドブレーキは、フランスの郵便局"La Poste"との共同開発。女性でも容易に操作出来るという。
ルノー 新型 カングー[ボディカラー:Vert Cactus(ベール カストゥス メタリック)] リアビュー
ルノー 新型 カングー[欧州仕様車/ボディカラー:Jaune Agrume(ジョン アグリュム)]先代よりやや淡くやわらかい印象のイエローだ
代表グレード
カングー 1.6[AT]
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4215x1830x1830mm
車両重量[kg]
1420kg
総排気量[cc]
1598cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
105ps(78kW)/5750rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
15.1kg-m(148N・m)/3750rpm
トランスミッション
マニュアルモード付き4速AT
10・15モード燃焼[km/l]
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
229.8万円
発売日
2009年9月11日
ルノー 新型 カングー 新車見積もり
希望しない電話は一切なし
2日以内のスピード回答
諸費用を含めてカンタン・安心なお見積もり
新車見積もりはこちら

ルノー カングーの話題はコチラもチェック!

【スクープ!】今秋いよいよ日本デビューの新型『ルノー カングー』が「SIS 東京スペシャルインポートカーショー 2009」会場で日本初公開!

【新車情報】 (2009.06.23)

ルノージャポンは5月22日に「SIS 東京スペシャルインポートカーショー 2009」会場内で開催された「カングー・ジャンボリー」イベントで、今秋デビュー予定の新型『カングー』日本仕様が、日本初公開された。 >> 記事全文を読む


【東京モーターショー2007】乗って楽しい! ルノー「カングー コンパクト コンセプト」画像集を行動派のアナタにお届け!

【新車情報】 (2007.11.06)

東京モーターショーに出品された「カングー コンパクト コンセプト」は、総ガラストップ、脱着可能なリアルーフでオープンカーのような開放感を味わえる、乗って楽しいクルマ! >> 記事全文を読む


【フランクフルトショー07】人気のフレンチワゴン「カングー」が遂にフルモデルチェンジ! 世界初公開「ルノー NEW カングー 」

【新車情報】 (2007.09.12)

ルノーは9月11日より開幕したドイツ・フランクフルトショーで、新型「カングー」を世界で初めて公開した。高いユーティリティはそのままに、快適性や安全性を大きく進化させた。 >> 記事全文を読む