ライター紹介

自動車評論家

国沢 光宏 氏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

盲点! 走行用バッテリーよりも寿命が短い12Vバッテリー(しかも高価!)

 今回はショックアブソーバー交換を紹介しようと思っていたのだけれど、残念ながら「推奨出来ません」。良い結果出た製品を発見したら改めて取り上げたい。少なくとも15インチホイールのプリウスに、17インチ用のアブソーバーを組むのは意味無しです。
 取り急ぎプリウスユーザー(従来型も含む)に推奨したいのが、バッテリーの延命装置。といっても走行用のニッケル水素バッテリーでなく、リアのラゲッジスペースに搭載されている12Vの制御用バッテリー用だ。このバッテリー、驚くほど高い。
 室内に搭載されるため密閉式のバッテリーが指定されており、ディーラーだと6万3千円+工賃。ネット販売の最安値で送料込み3万円弱といったあたり。しかも案外寿命は短い。従来型プリウスの場合、4年目にディーラーで「交換した方がいいです」。
 2代目プリウスユーザーの多くが、3〜5年で交換を余儀なくされている模様。ちなみにクルマの寿命と同じくらい長持ちする走行用バッテリーは12万8千円。6万3千円の制御用バッテリーを3〜5年に一度交換しなくちゃならないなんて、悪い冗談だ。

最大の難点は怪しいネーミングだが・・・

さてバッテリー延命装置である。この製品最大の難点がネーミング。なんと『のび〜太』という。怪しい商品名です。けれど寿命を延ばすロジックは納得出来る。バッテリー性能の低下は、電極が「サルフェーション」と呼ばれる結晶に覆われるため。
 のび〜太は電極にパルスを流すことにより、サルフェーションの付着を防ぐ。メガネ屋さんや宝飾店にある「超音波の汚れ落とし」をイメージして頂ければいいだろう。この製品、私は6年くらい前から使っている。今まであまり紹介しなかったのは、効果を確認していなかったから。
 けれどのび〜太を使い始めてから、今まで一度もバッテリー交換していない。ちなみにディーラーでバッテリー交換を宣告された従来型プリウスは、ダメモトで装着。見事復活し、現在6年目ながら全く問題なく稼働しています。
 理論上、鉛バッテリーの寿命は9年前後と言われている。9年持つかどうか、実証に3年掛かるけれど、少なくとものび〜太を使っているバッテリーは全て6年以上問題ない。決して安い商品じゃないけれど(ここの通販で8100円)、高価なプリウス用のバッテリーならモトは取れる。

「のび〜太」をプリウスに装着した際の注意点

注意して欲しいのは、クルマに乗る間隔が長く、しかもチョイ乗りしかしないというケース。常時パルスを出すため、わずかな電力を使う。電圧11Vになると自動停止するのだけれど、プリウスの電圧管理って厳格。11Vになると、ハイブリッドシステムの『!』(コーションマーク)が点いてしまう。
 あまり乗らない人は、そもそもプリウスを買っても割高なだけ。制御用バッテリーも3〜5年ごとに交換することをすすめておく。もちろん普通のクルマのバッテリーにも有効です。