ROUND2:達人によるコダワリ評価

評価するのはこの達人たち
松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価GO!
エンジン
Engine
レクサス IS250C
BMW 335iカブリオレ
レクサス IS250C 2.5リッターエンジン BMW 335iカブリオレ 3リッターツインターボエンジン
松下 宏

IS250Cに搭載されるV6の2.5リッターは、レクサス用に開発された直噴エンジンとして定評がある。パワー&トルクの数値もこのクラスのエンジンとしては優れている。

8点

BMWの3リッター直6の直噴+インタークーラー付きパラレルツインターボは、絶品ともいえるエンジンだ。吹き上がりの滑らかさ、トルク感など、どれも素晴らしいフィールだ。

10点
片岡 英明

直噴V6エンジンは高回転まで軽やかに回り、レスポンスも鋭い。排気サウンドも心地よい。自然吸気の2.5リッターエンジンを積むこともあり、発進直後のトルクは少し物足りない。

8点

直噴の3リッター直6ツインターボは全域にわたって滑らかでパワフルだ。高回転の切れは鋭いし、実用域のトルクも厚みがある。すべてに余裕があり、エンジンサウンドも官能的だ。

10点
国沢光宏

オープンモデルにハイパワーエンジンなど不要、というのがトヨタの考え方。実際その通りだと思う。2.5リッターでなんの不満もありません。パワーがあっても持てあまします。

8点

高価なオープンモデルなので多少高い価格を付けても売れるだろう、というのがBMW的な考え方。2.5リッターエンジンにして安い価格を付けてくれたほうがうれしい。

7点
SUBTOTAL
24点
27点
ミッション
Transmission
レクサス IS250C
BMW 335iカブリオレ
レクサス IS250C ステアリング&シフトレバー BMW 335iカブリオレ ステアリング&シフトレバー
松下 宏

トヨタの6速ATもかなりよくできている。変速時のつながりやショック、またシフト操作時のダイレクト感など、いずれもこのクラスの水準を超えるレベルに達している。

8点

最新仕様のBMWの7速DCTも相当にデキがいい。変速ショックの小ささに加え、マニュアル操作したときのレスポンスのよさが特筆モノ。変速の俊敏さでトヨタの6速ATを上回る。

10点
片岡 英明

評判のよい電子制御6速ATを採用する。変速は滑らかだし、変速レスポンスも鋭い。登坂路や下り坂では最適なギアをセレクトしてくれる。パドルシフトは高速道路などで重宝。

8点

最新モデルは6速ATに代えて2ペダルマニュアルのツインクラッチ7速DCTを採用した。変速は俊敏だし、ダイレクト感も素晴らしい。操る面白さはATの一歩上を行く。

9点
国沢光宏

ごく普通の6速トルコンAT。絶対的なパワーが低いこともあり、超滑らかな変速を楽しめます。巡航時の回転数低く、燃費だって悪くない。マニュアルシフト時の操作性は良好。

7点

以前は普通の6速トルコンATだった。レクサスほどじゃないものの、まったく不満を感じない滑らかな変速をしてくれた。新型の7速DCTは価格を考えて1点を減ず。

6点
SUBTOTAL
23点
25点
足回り
Suspension
レクサス IS250C
BMW 335iカブリオレ
レクサス IS250C 走り BMW 335iカブリオレ 走り
松下 宏

ベースとなるISのフットワークは悪いものではなく、重量が増えたオープンモデルでも軽快感のある走りが可能だ。ただし、乗り心地とのバランスではBMWに及ばない。

7点

硬めにチューンされた足まわりなのに、不快感を感じさせることのない優れた乗り心地が確保されている。このあたりの味付けは日本車がなかなか追いつけない部分である。

9点
片岡 英明

低速走行で、路面が荒れているところを走るとボディからブルブルとした振動が伝わる。が、ボディはしっかりしており、スピードを上げるとフラット感を増す。操舵も軽やかだ。

7点

こちらもルーフを開けるとブルブルと振動が出るなど、しっかり感はできのいいクーペに及ばない。的確な路面追従性を見せるが、ハンドリングの軽快感は思いのほか薄く感じる。

8点
国沢光宏

ガッチガチの乗り心地である普通のISと180度違って柔らかい味付け。屋根開けてノンビリ走るにはちょうどよい感じだ。多少ペース上げてもなんら問題ありません。

7点

BMWの乗り心地の上質さにゃ、日本のメーカーは依然敵わず。いつになったらBMWのようなクルマを作れるのだろうか? 日本車を代表してレクサスに頑張ってほしい。

9点
SUBTOTAL
21点
26点
デザイン
Design
レクサス IS250C
BMW 335iカブリオレ
レクサス IS250C エクステリア BMW 335iカブリオレ エクステリア
松下宏

オープンしたときのカッコよさやインテリアの仕上がりなどはいいのだが、クローズドボディのときにデザインがもうひとつ。オープンカーにありがちな話なのだが……。

7点

オープンにしたときだけでなく、リトラクタブルハードトップを閉じてクーペボディの状態にしたときのカッコよさもBMW 335iカブリオレの特徴。せっかくのハードトップはこうでなくちゃ。

8点
片岡英明

IS250をベースにしているが、2ドアに改造し、電動メタルトップにしている。まとまりのいいデザインだが、やや腰高な印象だ。インテリアは洒落たセンスで、見栄えもいい。

7点

クーペほどスタイリッシュではないがまとまりはいい。リアも視覚的に腰高に見えないようにデザインしている。インテリアはドライバー優先のデザインだが、大人っぽく演出した。

8点
国沢光宏

カッコ悪いISながら、クーペボディになると案外面白い。これで250万円の価格差があるならば納得できるレベルだろう。それでも335iカブリオレには届いておらず。

8点

TOPを開けてもよし、閉じてもよし! 4シーターのオープモデルのなかではもっとも閉じたときの違和感が少ないと思う。インテリアの質感や色合いも苦しゅうないです。

9点
SUBTOTAL
22点
25点
プレミアム度
Premium
レクサス IS250C
BMW 335iカブリオレ
レクサス IS250C エンブレム BMW 335iカブリオレ エンブレム
松下 宏

プレミアムブランドとしてのレクサスのオープンカーなのだから、搭載エンジンも(中国にある)3リッターや(アメリカにある)3.5リッターにしたら良かったのではないか。

8点

BMWのエントリーモデルというイメージの強い3シリーズをベースにしている点でやや弱い部分もあるが、インテリアの仕様や素材などを見てもプレミアム感は十分に高い。

9点
片岡 英明

レクサスの看板を背負い、小さいながらも高いクオリティを誇っている。トヨタならではのユーザーに対するきめ細かい配慮も怠りない。FRスポーツとしての魅力もある。

8点

運転が楽しい7速DCTを手に入れたことによりプレミアム感がワンランク高められた。右ハンドル車だけでなく左ハンドル車が用意されているのもユーザーの優越感をくすぐる。

9点
国沢 光宏

コストパフォーマンスを考えた場合のプレミアム度は素晴らしく高い。BMW 335iカブリオレと並べたってなんら遜色ないですから。そう考えるとレクサスもタイしたもんだ。

8点

プレミアム度はレクサスより高い。されどホンのわずか。とてもじゃないけれど、300万円の価格差があると思えません。つまり割高だということ。商品としちゃ厳しい。

6点
SUBTOTAL
24点
24点