ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

乗る人すべてが快適に過ごせるゆとりのパッケージング

 5月20日、スバルは基幹車種であるレガシィB4/レガシィ ツーリングワゴン/アウトバックを発表した。新型レガシィシリーズは、存在感のあるデザインと優れた環境性能を手に入れ、居住性や質感も大幅にアップさせた。
 基本的なコンセプトは従来と同様「ドライバーズファン」を追求し、走る楽しさを追求したクルマ作りがなされている。だが、今回は「パッセンジャーズファン」も同時に高めるべく、パッケージングを大幅に見直したことにも注目したい。ボディサイズを95mm(アウトバックは45mm)延長し、その拡大分の多くを後席スペースにあてることで、居住性を大幅に改善している。また全幅も50mm広げ、左右席間の距離も30mm拡大され、ゆとりが増している。
 エンジンは2リッターが廃止され、2.5リッターのターボとNA(アウトバックは2.5リッターと3.6リッターNA)になった。だが中低速いきを重視したセッティングや、2.5リッター車に新採用されるCVTなどのおかげで、カタログ値はもちろん、実用燃費も改善するなど、環境面に対する配慮も万全だ。
 新型レガシィ ツーリングワゴン/レガシィ B4のグレード構成は、ターボが2.5GTでNAエンジン搭載車が2.5iと呼ばれる。それぞれベースの他にラグジュアリーなLパッケージとSパッケージが設定される。さらにSパッケージでは6速MTも選べるのが特徴だ。またアウトバックは2.5iと3.6Rの2グレード。Sパッケージの設定はなく2.5iがベースとlパッケージ、3.6RはLパッケージのみとなっている。

  • スバル 新型レガシィ ツーリングワゴン
  • 2.5i Sパッケージ
  • スバル 新型レガシィB4
  • 2.5GT Sパッケージ
  • スバル 新型アウトバック
  • 3.6R

レガシィらしさを保ちつつ存在感の増したフォルム

新型レガシィ/アウトバックのデザインは、すでに今年のニューヨークショーなどでも公開されているとおり。従来のレガシィらしさを感じさせる雰囲気を残しつつ、ボディサイズの拡大などにより、存在感を高めている。
 フロントまわりで目を引くのは大きなヘッドランプ。そして先代レガシィや他のスバル車にも共通する翼をイメージしたフロントグリルなどで、レガシィらしさをうまく表現している。さらに各部にクロームメッキのパーツを用いることで、車格を越えた高級感も演出されている。
 サイドビューは、立体的な前後フェンダーがとても印象的。リヤまわりのデザインはというと、B4はショートデッキ&ロングキャビンのスタイルを受け継いでいる。ツーリングワゴンとアウトバックは、サイドからリヤにかけてガラスが連続的につながったデザインから、カラード化されたDピラーを新たに配置するなど、レガシィらしさを保ちつつ、新鮮なイメージをプラスすることに成功している。

レガシィ ツーリングワゴンとレガシィ B4に設定されるSパッケージには、18インチのタイヤ&ホイールが装着される。

2.5iのベース車とLパッケージは写真の16インチタイヤ&ホイールが標準装備。2.5GTは17インチ仕様となっている。

アウトバックは、全車17インチのアウトバック専用アルミホイールが装着される。SUVらしい力強いイメージなのが印象的だ。

後席でもゆったりとくつろげるゆとりある室内空間

 インテリアは「品格」と「ゆとり」をテーマにデザインされている。その言葉通り、室内空間はとても広々とした印象だ。特に後席はパッケージングを大幅に見直したことで、足元スペースを始め、かなりの余裕が生まれていることに驚かされる。
 運転席まわりでは視界が広く確保され、ボディサイズのアップを感じさせない取り回しの良さを実現した。また電動パーキングブレーキの採用によりレバーを廃止。これによりセンターコンソールまわりに新たな収納スペースを設けるとともに、ドリンクホルダーを西遊並列に配置するなど、ゆとりと使い勝手を高めているのに注目したい。
 装備面ではHDDナビや本革シートなどをオプションで用意。さらに横滑り防止装置や後席の3点式シートベルトやヘッドレストも標準装備するなど、安全性も高められている。ただサイド&カーテンエアバッグがベースグレードではオプションとなってしまうのは残念なポイントといえる。

インパネのデザインは3モデルとも共通だが、クレードにより各部のパネルがアルミ調/木目調/カーボン調と異なっている。

フロントシートまわりは収納スペースも充実し、左右席の間隔も先代レガシィ/アウトバックに比べて30mm広くなっている。

後席は足元スペースが68mm拡大され、ゆとりある着座姿勢がとてるようになった。内装色は一部のグレードでアイボリーも選べる。

メーターは文字盤が大きく視認性に優れている。瞬間燃費計を装備し、視覚的にもエコドライブをサポートしてくれる。

全車に電動パーキングブレーキを採用した。センターコンソールまわりのスペースを有効活用し、収納スペースの拡大に成功した。

サンルーフはレガシィ/アウトバックともにLパッケージとSパッケージにオプションで装着することができる。

全幅の拡大や電動パーキングブレーキの採用で、収納スペースが拡大。特にドリンクホルダーは並列になり、使いやすさがアップ。

レガシィ B4のトランクは十分な広さがあり、使い勝手はとてもいい。トランクスルー機構も備え、長尺物の搭載も可能だ。

ディーラーオプションのアタッチメントをつければ、マウンテンバイク(スバル XB)を車内に積むこともできる。

レガシィ ツーリングワゴン/アウトバックのラゲッジはかなりの広さ。サムソナイトの大型スーツケースを余裕で4つ積み込める。

後席の背もたれを倒せば驚くほど広いスペースが現われる。ラゲッジのサイドにあるレバーを引けば簡単に後席を収納可能だ。

ラゲッジのフロアをめくれば、ここにも収納スペースが用意されている。トノカバーをきれいにしまえるのも見逃せないところ。

新開発CVTの採用などで燃費も大幅に改善

 新型レガシィ/アウトバックに搭載されるエンジンだが、こちらも一新されている。エンジン形式こそ水平対向のままだが2リッターが廃止され、レガシィ B4/レガシィ ツーリングワゴンは2.5リッター4気筒のターボとNA、アウトバックは2.5リッター4気筒NAと3.6リッター6気筒NAが搭載される。特に2.5リッターエンジンは、従来型に対して9割の部品を新設計とすることや新開発CVTの採用などにより、先代の2リッターSOHCと同等のカタログ&実用燃費を実現したというから驚きだ。
 また2.5リッターターボは6速MT、5速ATともに285ps&35.7kg-m(従来は6速MTが280ps、5速ATが260ps)というハイパワーながら、先代2リッターターボとほぼ同等の12.0km/Lというカタログ燃費をマーク。アウトバックの3.6リッターエンジンもやはり先代3リッターエンジンと同等の実用燃費を実現しているなど、環境性能は大幅に改善されている。
 ミッションは2.5リッターNAが新開発のCVT、その他は5速ATまたは6速MTと組み合わされる。駆動方式はもちろんAWDで、3つの走行モードが選べるSI-DRIVEも引き続き搭載している。
 価格はレガシィ B4が220.5万円〜328.65万円、レガシィ ツーリングワゴンが236.25万円〜343.875万円、アウトバックが267.75万円〜370.125万円となっている。

構成パーツの9割を新設計した2.5リッターNAエンジン。フリクションロスの低減やCVTの採用で、従来の2リッターNAと同等の燃費を実現。

2.5リッターターボエンジンはレガシィ ツーリングワゴンとレガシィ B4のみの設定。5速ATでも6速MTでも同じ285psをマーク。

アウトバック専用の3.6リッター6気筒エンジン。従来の3リッター6気筒と同等の実用燃費を実現したというのには驚かされる。

2.5リッターのNAエンジンには、新開発のCVTが組み合わされる。滑らかな走りはもちろん、燃費の良さにも貢献している。

すでにお馴染みとなったSI-DRIVEは全車に標準装備。従来よりも各モードごとの違いを明確にした設定が与えられているという。

レガシィ ツーリングワゴンとレガシィ B4の2.5GT Sパッケージには6速MTも用意される。節度感あるシフトフィールが味わえる。

代表グレード スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i Lパッケージ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4775×1780×1535mm
車両重量[kg]1500kg
総排気量[cc]2457cc
最高出力[ps(kw)/rpm]170ps(125kw)/5600rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]23.4kg-m(229N・m)/4000rpm
ミッションCVT
10・15モード燃焼[km/l]14.0km/l
定員[人]5人
税込価格[万円]267.75万円
発売日2009/5/20
レポートCORISM編集部
写真高木博史