助成金制度の期間は延長されたが95万台の予定台数を超えてしまうかも?

売れ切れ店続出のため4月以降も95万台までは助成を延長!

助成金の枠は95万台だが、すでに3分の1を超えている

 3月12日から3月31日までの期間を設けて始まった、ETC車載器を5250円安く買うことができる助成割引制度ですが、今回は3月20日から順次始まるETC利用車の大幅割引のタイミングが重なってしまい、カー用品店では売り切れが続出してしまいました。

 でも、このままでは月末までに助成を予定している台数の95万台に到達しない可能性があり、カー用品店などの混乱も予想されるので、助成を行っている財団法人高速道路交流推進財団は3月19日に、4月以降も3月12日からの助成台数が累計95万台を超えるまでは助成を継続し、3月中であれば95万台を超えても助成を行うことを発表しました。

 これで現場の混乱は多少は落ち着くと思いますが、助成開始から約1週間となる3月18日までの助成台数はすでに32万台を超えているので、ETC車載器の増産が間に合えば3月中に95万台を超えてしまう可能性が高く、4月以降の助成は期待できないかもしれません。よって、3月中のETC車載器の奪い合いはまだまだ続くような気がします。

大手カー用品店ではほとんど売り切れ状態だ

 3月中に手に入れるにはマメにカー用品店に足を運ぶか、財団法人高速道路交流推進財団のホームページに掲載されている、助成を受けて買うことができるディーラーや整備工場などに問い合せるしかないようです。ETC車載器を通販を売っている家電量販店などのホームページもチェックしておいたほうがよいでしょう。

 でも、このETC車載器は商品自体はおおよそ価格が決まっていますが、取り付け工賃などは店舗により違うので、この混乱に乗じて高めの工賃を設定しているところもあるようです。高めの工賃を取られてしまったら、助成を受ける意味も薄れてしまうので注意してください。

 大手のカー用品店では、その店舗で購入した車載器はアンテナ一体式で3000円、アンテナ分離式で5000円位(外車は5000〜8000円)の工賃を設定しているケースが多いようです。私がよく行くカー用品店では、車載器を持ち込んで取り付けだけ頼んだ場合は上記の工賃が2倍になるそうです。

どこまで乗っても1000円は地方部だけで大都市近郊は別料金

ネクスコのHPでも直前まで新しい割引の料金検索システムできないほどバタバタしている

 ここまでの混乱を巻き起こすひとつの原因を作った、ETCを利用した場合の土日・祝日の高速道路の大幅な割引ですが、実はそちらも大混乱しています。麻生総理大臣までも、「仙台から首都高速を経由して静岡まで行っても1000円」と誤った発言していましたが、この上限1000円以下という設定は地方部だけなので、東京や関西の大都市近郊区間を経由する場合は別な料金体系が発生します。

 東京近郊の場合は起点から東名は厚木、中央高速は八王子、関越は東松山、東北は加須、常磐は谷田部、東関東自動車道は成田までが都市部の扱いとなるので、ここを走った場合は地方部の1000円に加算して料金を支払うことになります。この近郊区間の料金も3月28日からは土日・祝日の6〜22時までは3割引となり、22〜6時までは5割引になります。

 つまり、麻生総理が言ったようなルートで仙台から静岡まで6〜22時の間で行くと、実際は3950円(東北道が1700円、首都高速が500円※日・祝日のみ、東名が1750円)掛かることになります。これでもETCを利用しないで行くと10600円も掛かるので、だいぶ安くなっているのですが、どこまで乗っても1000円だと思っていると、ちょっと拍子抜けした気分になってしまいます。4月29日からは東北道などの地方部から首都高を通り、再び東名などの地方部まで走った場合の1000円の2重取りがなくなるので、さらに1000円は安くなります。

新しい割引には様々な縛りがあり難解だ

 ただし、大都市近郊区間では現在も早朝夜間割引など様々な割引があり、それを上手く使っている人で、東京から100km程度の距離を走るような場合は、少ししか今回の割引の恩恵を得ることはできないでしょう。例えば東京から御殿場のアウトレットに買い物に行くような短い距離の場合は、現在は休日昼間割引が効いて1800円だったものが、3月28日からは1400〜1450円程度になるといった感じです。

 まぁ、東北道の加須から乗って青森まで行っても1000円なので、土日・祝日は1000円で走り放題みたいな言い方をしても間違ってはいないと思いますが、大都市近郊区間は別料金が発生することを頭に入れておかなくてはなりません。

 地方部は平日の9〜17時も3割引になりますが1回の走行が100km以内とか、1日に1台で2回までとか訳の分からない決まりがあるので、非常にわかり難い内容になっています。これを利用するために100km直前のインターで一旦降りて、また乗りなおすというクルマがこれまで以上に増えるに違いありません。

 なにはともあれ、春休みやゴールデンウィークなどにクルマで遠くまで帰省するような人は大きなメリットがあるはずなので、NEXCOなどのホームページを見ながら上手く土日・祝日の割引を活かせるドライブプランを立ててから出かけましょう。

 まだETCを装着していない人で、助成金に間に合わなかったとしても、年に数回遠出の機会がある人は、ETCを導入しておいても損はしないでしょう。そして、これから中古車を買おうとしている人は、ETC付きの中古車を探しましょう。ガリバーのネット割にはETC付きのお買い得な中古車がたくさん掲載されているので、そちらもチェックしてみてください!

※上記の例に挙げた高速料金は、まだ未確定な部分もあるので参考程度に考えてください。

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