ホンダ新型ハイブリッドカー「インサイト」エクステリア

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5ドアハッチに生まれ変わった新型「インサイト」がいよいよデビュー!

 ホンダから新しいハイブリッドカー「インサイト」が発表された。インサイトの名前ではこれが2代目となるが、共通するのはガソリンエンジンとモーターで走るハイブリッドカーという点だけ。初代インサイトがスポーツカー風の2人乗りクーペボディだったのに対し、新型インサイトでは実用的な5人乗りの5ドアハッチバックボディと、全く異なる成り立ちで生まれ変わった。189万円からと手頃な価格も武器に、最大のライバル「トヨタ プリウス」に立ち向かう!
ホンダ新型ハイブリッドカー「インサイト」リアビュー

5ナンバーサイズのコンパクトなボディで使い勝手も良好!

 ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」を想わせるインサイトの未来的なフロントマスク

 地球環境問題や石油価格高騰といった社会情勢を受けて、以前にも増して低燃費・低排出ガスのエコカーが人気を集めている。その中で、現在最も現実的な選択肢となるのが「ハイブリッドカー」だ。97年に初代モデルがデビューした「トヨタ プリウス」は、既に世界で120万台以上もの販売が行われており、名実共に世界のハイブリッドカーの代表格として君臨する。
 いっぽう、ホンダの初代インサイトも99年にデビューしているが、特殊なボディ形状が災いし大きく注目を集めることはなかった。その後4ドアセダンの「シビック」をベースとした「シビック ハイブリッド」なども投入されたが、こちらもプリウスを脅かす存在には至っていない。
 今回新たに登場した新型インサイトは、そんな過去の呪縛を断ち切るかのように全く新しく生まれ変わった。その流麗なボディ形状は、ハイブリッドカー最大のライバルである「トヨタ プリウス」を相当に意識していることが伺えるようだが、しかし実際のボディサイズは全長x全幅x全高が4390x1695x1425mm、ホイールベースは2550mmと、5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディを持つ。3ナンバーボディのプリウスに対し全長で55mm、全幅で30mm、全高で65mmも小さいのだ。車体デザインはフロントからリアゲートに至るまでワンモーションで仕上げ、ハイブリッドカーらしい未来的なフォルムに仕立てた。また上面のみならずアンダーボディまでも空気抵抗に対する配慮を加えることで、高速走行時の低燃費化に大いに効くCD値0.28を実現する空力ボディとしている。

ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 エクステリア
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 リアビュー
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 フロントマスク
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 リアシート
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 フロントシート
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 インパネ

シンプルなシステムでロープライス「189万円」を実現した!

ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 エクストラウィンドウは初代インサイトとの密かな共通項

 新型インサイトに搭載されるハイブリッドシステムは、初代インサイトやシビック ハイブリッドと同じパラレル式。エンジンの動力をモーターで補助するシンプルなシステム、IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を採用する。IMA自体も従来モデルに比べモーターやバッテリー等の小型・軽量化が図られ、より効率が高められた。組み合わされるエンジンは1.3リッター i-VTEC。モーターのアシストを得て1.5リッター車並みの走りを得ながら、10.15モード燃費は30.0km/L、より現実的な走行モードを追加した新しい燃費表記JC08モードでも26.0km/Lと、圧倒的な低燃費をマークする。
 ただし、ライバルのトヨタ プリウスは現行型で10.15モード燃費が35.5km/L、JC08モードで29.6km/Lと、さらに高い低燃費性能を達成している。プリウスのハイブリッドシステム「THS II」は、モーターとエンジンが高度な統括制御を行うシリーズ・パラレル式を採用。モーターだけで走行するモードもあり、その分燃費が良いのは当たり前だ。しかし複雑なシステムを搭載するため、ベーシックグレードで233.1万円からと価格が高くなってしまい、多くのユーザーが手を出しにくいことも事実だ。
 ホンダではシンプルなIMAの採用や、フィットなど他の量販モデルとの部品共有などを行うことで、新型インサイトを低価格に抑えることに成功。ベーシックな「G」グレードで189.0万円、最上級の「LS」グレードでも221.0万円とグッと身近なプライスとした。新型インサイトの低価格戦略によって、ハイブリッドカーを身近にもっと多くのユーザーに使ってもらうことが何よりの正義だとホンダでは主張している。

ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 1.3リッターi-VTEC[VCM(バリアブル・シリンダー・マネージメント)]エンジン+IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 IPU(インテリジェントパワーユニット)
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 パッケージング(イメージ)
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 インテリア
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 イメージスケッチ
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 風の流れによってデザインされたというエクステリア

「エコアシスト」で低燃費運転をもっと楽しんじゃおう!?

ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 未来的な運転席周り

 またホンダでは、低燃費走行はドライバーのスキルに因る所が大きいという点にも注目。これを補助する「エコアシスト(エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム)」を新型インサイト全グレードで標準装備する。エコ運転度を速度表示やマルチディスプレイに色表示で表す「コーチング機能」や、低燃費走行の習熟度を葉っぱの数で採点する「ティーチング機能」など、楽しい仕掛けが盛り込まれているあたりはいかにもホンダらしいところだ。さらに昨年デビューした新型「オデッセイ」に初採用された「ECON」モードも装備。エンジン出力制御やエアコンの省エネ化に加え、アイドルストップ領域の拡大や減速時に作動する回生ブレーキの充電量を増加させるなど、インサイト独自の機能も追加されている。

 低価格化を武器に、ハイブリッドカーの新たな覇者を目指す新型インサイト。ただし今年の5月には、最大のライバル「プリウス」がフルモデルチェンジを実施することが明らかになっている。トヨタの次の一手も気になるところだ。一部新聞などの報道によれば、さらに燃費を向上させた新型投入に加え、なんと現行型プリウスも併売するとの噂も聞こえてくる。インサイトに対抗すべく、現行型を低価格に設定し売るというのだ。これが事実だとすれば、ホンダの戦略がそれだけ有効だったということの裏返しでもある。いずれにせよ2009年は、インサイトとプリウスが新車市場の話題を独占するのは間違いないところだろう。

ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」概念図
理想の低燃費運転を楽しく支援してくれる「エコアシスト」の概念図。「ECONモード」「コーチング機能」「ティーチング機能」の3つの機能から構成される。
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 アンビエントメーター(ブルー:燃料消費が多い状態)
色の変化で直感的に運転状況が把握できるアンビエントメーター。写真のブルーは「燃料消費が多い状態」。良好な場合グリーンへと変化するのだ。
ホンダ 新型ハイブリッドカー「インサイト」 「ECON」スイッチ
「ECON」スイッチをONにすると、エンジン出力制御やアイドルストップ領域の拡大、IMAの回生量増加、エアコンの省エネ化などを行いさらに燃費が良くなる。
ホンダ 新型 インサイト エクステリア

( Photo:ホンダ・和田 清志・CORISM編集部/モデル:佐藤 まいみ/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

代表グレード
L(FF・5ドアハッチバック)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4390x1695x1425mm
車両重量[kg]
1190kg
【エンジン】総排気量[cc]
1339cc
【エンジン】最高出力[ps(kw)/rpm]
88ps(65kW)/5800rpm
【エンジン】最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
12.3kg-m(121N・m)/4500rpm
【電動機(モーター)】最高出力[ps(kw)/rpm]
14ps(10kW)/1500rpm
【電動機(モーター)】最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
8.0kg-m(78N・m)/1000rpm
トランスミッション
HondaマルチマチックS[自動無段変速機]
10・15モード燃焼[km/l]
30.0km/L
定員[人]
5人
消費税込み価格
205.0万円
発売日
2008年2月6日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
和田 清志

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