総合評価
スズキ ワゴンR 走り ダイハツ ムーヴ 走り
スズキ ワゴンR スティングレー
ダイハツ ムーヴ カスタム
松下宏

際立って特徴的な部分がないのが不満点となるが、実際に走らせてみるととても出来のいいクルマに仕上がっている。乗り心地のよさや静粛性の高さは軽自動車の水準を超えたものといえる。今回から大きく展開したCVTもよくできていて、不満な点がほとんどないクルマになっている。軽自動車の定番商品らしい仕上がりだ。

内外装に流麗かつ先進的なデザインを採用したのが大きな特徴。必ずしも圧倒的な支持を得られなかったため、今年になって四角いムーヴコンテを追加してきたが、基本的にはムーヴのデザインを評価したい。エンジンの実力は群を抜いているし、走りのバランスもそこそこのレベルにある。登場時点が古いので総合的にはやや不利。

片岡英明

ライバルを徹底的に研究し、ベストセラーカーとしての自負もあるから開発陣はかなり頑張ったことがわかる仕上がりである。軽自動車レベルを超えた質感を身につけ、標準仕様は日常域での実用性能も群を抜いて高い。また、走りの実力を大幅にレベルアップしたことも高く評価できる。スティングレーはスポーティで、わかりやすい。

登場から3年目を迎えたが、進化の度合いが大きかったため、今でも魅力は色あせていない。快適性やキャビンの広さなどは今も一級と言える。ワゴンRよりカジュアル感覚が強く、エンジンもCVTもいい仕上がりだ。ただし、個性を主張するあまり、使い勝手では今一歩の面も感じられる。横開きのバックドアも好き嫌いが分かれそうだ。

国沢光宏

軽自動車業界では圧倒的な競争力を持つワゴンRとあって、4代目も相当の力作だ。実用燃費を徹底的に追求した結果、従来型より10%以上向上。4速AT仕様でもムーヴのCVT仕様に匹敵する省燃費車に仕上がった。若干ドライバビリティ(巡航状態からの加速感)など落としているものの、燃費のよさと引き替えなら納得できる。

ワゴンRと真正面から戦い、勝てる実力を持つモデルである。ただダイハツの場合、コストパフォーマンスを求めるなら一段とお得な「ミラ」(十分広い)というチョイスもあるのが悩ましいところ。さらなる広さを重視するなら「ムーヴ・コンテ」も面白い。迷い始めたら、けっこう答えを出すのに時間かかるかもしれません。

TOTAL
126点
126点