日産 新型 キューブ(ボディカラー:クラフトダンボールM) エクステリア

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キーワードは「ピースフル」

日産 新型 キューブ(ボディカラー:オーガニックオリーブ) フロントマスク

 日産は11月19日、小型ハイトワゴンの「キューブ」を6年ぶりにフルモデルチェンジし、日米欧で同時発表した。今まで2世代続いたキューブは日本国内専用車だったが、今回の3代目モデルより欧米市場への投入が始まる。日本での正式な発売開始日は11月26日からだ。なお、先代で設定されていた3列シート版「キューブ・キュービック」は今モデルでは廃止されている。
 98年の初代デビュー以来、2世代続いて大ヒット作となり、10年で累計80万台もの販売台数を誇るキューブ。特に先代のキューブは、その独特の「ゆるい」キャラクターで幅広い世代から支持された。その名の通り「四角い」シルエットながら、角を丸めてまとめられたオシャレなフォルムが他に類を見ないキャラクターを生み出し、ソファー風シートを備えた居心地の良いインテリアもクラスレスなムードを高めるのに役立っていた。
 3代目新型キューブでもそのキャラクターをそのまま継承。キューブらしい居心地の良さ、平和なムードから導かれる「ピースフル」というキーワードを商品コンセプトとした。

日産 新型 キューブ フロントシート
日産 新型 キューブ リアシート
日産 新型 キューブ 横開きタイプのリアドア

進化じゃなくって「純化」

日産 新型 キューブ(ボディカラー:オーガニックオリーブ) リアコンビランプ

 今回から世界市場を見据えて設計された新型キューブ。と聞くと、他社の例から見て「むむ!3ナンバー化か!?」と心配してしまうが、ボディサイズは全長x全幅x全高が3890x1695x1650(※サンルーフ車は全高1680)mm、ホイールベースは2530mm。依然として全長4m以下の扱いやすいサイズを保ち、もちろん日本の5ナンバー枠内で収められている。全長で160mm、ホイールベースで100mm延伸された。欧米の衝突安全基準への対応に加え、特に後席の足元空間が広げられた点が大きい。
 エクステリアは、先代キューブのイメージを色濃く残す。好評だった左右非対称のバックドア周りも継承された。とかく日本車のモデルチェンジというと「進化」をテーマに語ることが多いが、新型キューブの内外装は、ちょっと違ったベクトルを向いている。とはいえ、ひとことで「キープコンセプト」と片付けてしまうほど単純ではない点が新しい。

日産 新型 キューブ(ボディカラー:クラフトダンボールM) リアビュー

 そのエクステリアデザインのテーマは「純化」。ガラッと進化させてしまうのではなく、多くのユーザーに支持されたキューブらしさをそのままに、よりピュアに、よりシンプルに研ぎ澄ませてゆく作業のことを指す。パッと見だと独特なヘッドライトとグリル周り(ブルドックにサングラスを掛けたイメージらしい!)に目が行ってしまうが、よくよく全体を眺めてみれば思いっ・・・きりシンプルで無駄なラインもなく、良く練り込まれた形状であることが分かる。それでいて「キューブらしい」ムードを保った、実にワザありなエクステリアデザインだといえるだろう。
 日産のコンパクトカーは、ボディカラーにこだわりを持ったセレクトが多いが、新型キューブもやはり面白い色をセレクトした。メインテーマカラーとして選ばれたのが、TOP画像のキューブの色。なんとこれ「クラフトダンボール」という。その名の通りダンボールのようなカラーで、想像力を沸かせる無垢な色を狙った。また、コーナー部がゴールドに輝く「オーガニックオリーブ」や、履き慣らしたジーンズの微妙な濃淡を表現した「アッシュブルー」の3色を新色として採用。全10色を用意する。

日産 新型 キューブ(ボディカラー:クラフトダンボールM) エクステリア
新型のテーマカラーはその名も「クラフトダンボール」!
日産 新型 キューブ(ボディカラー:オーガニックオリーブ) フロントマスク リアビュー
コーナー部がゴールドに輝く不思議な色「オーガニックオリーブ」
日産 新型 キューブ 10色のバリエーション
新型キューブでは個性的な全10色が用意される。

さらに居心地が良くなったマイルーム

日産 新型 キューブ インパネ周り

 「キューブ・マイルーム」の宣伝文句で分かるように、先代キューブでは部屋のような居心地の良さにこだわりを持っていた。新型キューブでは、エクステリア同様にインテリアについても「純化」を遂げている。シートは前後席ともに背もたれ・シート座面のサイズを拡大。また前席には奥行きあるクッション性を持たせるSバネ構造を採用したり包まれ感を重視したデザインとするなど、ソファーのような掛け心地をさらに極めた。
 またピースフルなデザインの象徴として、水滴の波紋をモチーフにしたデザインをインテリアのあちこちに配置している点にも注目したい。

日産 新型 キューブ インテリア(内装色:フェザーグレー)
日産 新型 キューブ 高輝度ファインビジョンメーター
大型で視認性の高い高輝度の「ファインビジョンメーター」を採用。エコドライブに役立つ燃費表示計のほか、外気温計も装備する。
日産 新型 キューブ 波紋のディテールがデザインされたルーフトリム
波紋のディテールがデザインされたルーフトリム。この他にも新型キューブにはスピーカーグリルやカップホルダーなどあちこちに「波紋」ディテールがあしらわれる。
日産 新型 キューブ 「スタイリッシュガラスルーフ」と「SHOJIシェード&ロールブラインド」
スタイリッシュガラスルーフの「SHOJIシェード」。障子と言っても、指で突っついても破れたりはしないのでご安心を!? これに加えロールブラインドも装備する。

 さらに新型キューブではサンルーフにも新機軸が盛り込まれた。その名も「スタイリッシュガラスルーフ」と「SHOJIシェード&ロールブラインド」。大型化されたグラスルーフに加え、日本の「障子」をイメージしたSHOJIシェードは、不織布繊維を採用することで和紙のような風合いを持たせたサンシェード。完全に日差しを遮るロールブラインドも組み合わされ、遮光・調光・採光と段階的に日差しを調整出来る。
 内装色は明るいライトグレーの「フェザーグレー」と、定番のオフブラック「グラファイト」の2色を用意。さらにオプションとしてアート感覚のブラウン内装「ラウンジブラウン」を設定し、より感度の高いユーザーのニーズにも応える。

日産 新型 キューブ インテリア(内装色:フェザーグレー)
内装色:フェザーグレー
日産 新型 キューブ インテリア(内装色:グラファイト)
内装色:グラファイト
日産 新型 キューブ インテリア(内装色:ラウンジブラウン:メーカーオプション)
内装色:ラウンジブラウン(メーカーオプション)

エンジンは1.5リッター 1タイプのみ

日産 新型 キューブ 1.5リッター「HR15DE」型エンジン

 主に内外装について多くを述べたが、新型キューブのメカニズムについても駆け足で紹介してゆこう。エンジンは、先代のモデル途中で追加された直4 1.5リッター「HR15DE」型エンジン1機種のみの設定とされた。FF・e-4WDともにエクストロニックCVTと組み合わされる。燃費性能も改善され、10.15モード燃費で19.4km/Lを達成(FF車)。より実走状態に近い新燃費基準「JC08モード」では17.4km/L(同)をマークする。
 安全面では、横滑り防止装置「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」をFF車のみ全車にオプション設定としたのがニュースだ。出来れば標準装備化して欲しかったところだが、VDCなど全く設定されていなかった先代に比べれば、それでも大きな進歩である。ただしSRSカーテンエアバッグは「15G」グレードのみ標準装備、「15X Vセレクション」のみオプション設定と少々寂しいところだ。

 価格はFFモデルが「15S」1,449,000円から「15G」1,911,000円まで。e-4WDモデルが「15SFOUR」1,687,350円から「15X FOUR Vセレクション」1,928,850円まで。1.4リッターモデルが中心で130万円台から設定があった先代キューブに比べ価格帯が上がっている点に注意したい。
 今モデルでは3列シート版「キュービック」が廃止されてしまった。ただしホンダの「フリード」が好調な売れ行きを示しているほか、トヨタからも12月に同クラスにシエンタ後継の小型ミニバンが登場する見込み。日産からも「キューブ」ブランドではないかもしれないが、市場の盛り上がりを受けて後継モデルが登場する可能性はあるだろう。こちらも期待して待ちたい。

日産 新型 キューブ ディスプレイ付きCD一体AM/FMラジオ
「ディスプレイ付きCD一体AM/FMラジオ」はバックビューモニターとセット。高価なナビゲーションシステムを装着しなくてもリアカメラが付けられる。ただし一部グレードのみのメーカーオプション設定だ。
日産 新型 キューブ インテリジェントエアコンシステム
丸にこだわったディテールは、エアコンの操作パネルにまで及ぶ。プラズマクラスターイオンフルオートエアコン「インテリジェントエアコンシステム」は除菌機能まで付いた優れモノ。
日産 新型 キューブ ライダー
人気のドレスアップ仕様「ライダー」も同時に発表された。初代キューブで初めてラインナップされたライダーシリーズは、キューブ同様に今年で10周年を迎える。
日産 新型 キューブ ライダー リアビュー
「ライダー」のリアビュー。HKS製専用マフラーはオプションだ。
日産 新型 キューブ 「ピクチャーフレームウィンドウ」
乗る人をチャーミングに見せる!?「ピクチャーフレームウィンドウ」
日産 新型 キューブ 「ピクチャーフレームウィンドウ」のイメージはこんな感じ・・・
「ピクチャーフレームウィンドウ」のイメージはこんな感じ!?
日産 新型 キューブ(ボディカラー:)
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( Photo:日産自動車・森山良雄/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

代表グレード
15X Vセレクション(FF)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3890x1695x1650(※サンルーフ車は全高1680mm)
車両重量[kg]
1180kg
総排気量[cc]
1498cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
109ps(80kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
15.1kg-m(148N・m)/4400rpm
トランスミッション
エクストロニックCVT(無段変速機)
10・15モード燃焼[km/l]
19.2km/L
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
170.1万円
発売日
2008年11月26日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
日産自動車/森山 良雄/CORISM編集部

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