シトロエンC5に乗り込み、走り出すとすぐに良いクルマだなという印象を受けた。こんな感じ方をするクルマはそう多くない。
まず感じたのは静粛性の高さで、これは並みの水準ではなくまさに高級車のもの。ひとクラス上のクルマに匹敵する静かな室内空間が作られている。加速時などにはエンジン音も入ってくるし、単に静かなクルマというのではないのだが、静粛性のレベルはとても高い。
もうひとつ良かったのはやはり乗り心地だ。ハイドラクティブIIIプラスが生み出す乗り心地は絶妙ともいえるもので、シトロエンならではの味が表現されている。プジョー407と同じプラットホームに異なるサスペンション形式を採用するため、いろいろな工夫を施したのがC5のハイドラクティブIIIプラスで、その結果として全く異なる乗り味のクルマとなっている。
さらにだんだんにペースを上げていくと、V型6気筒3リッターエンジンの良さも分かってきた。回転上限が5500回転に抑えられていて、今どきのエンジンとしてはかなり低めの設定ながら、その分だけ低速域でのトルク感にあふれた走りのフィールは実に好感の持てるもの。アイシン製の6速ATも滑らかで気持ち良く走らせることができた。
2リッターエンジンの搭載車にもちょい乗りしたが、こちらはボディに対してアンダーパワーの印象。2リッターと3リッターでは80万円もの価格差があるが、C5を買うなら頑張って3.0エクスクルーシブを買ったほうが良い。