シトロエンの魅力は大型のモデルにこそ詰まってる!
クルマ好きにとって大型のシトロエンは特別な存在である。例えばサスペンション。C5の下回りを見ても、普通のクルマなら必ず付いている金属や空気のバネが無い。液体とガスを組み合わせた『ハイドラクティブ』なる特殊なタイプを採用しているのだ。
何にも似ていないスタイルも魅力的であります。ちなみに先代のC5がイマイチ人気出なかったのは、常識的なデザインだったためだとシトロエン自身反省しているそうな。1960年代のDSなどを見ると、カンペキに周りから浮いてました。
ということで新しいC5である。スタイルは100点でしょう! 個性的な顔つきに長いボンネット、そして猫背のテールとくればシトロエンの文法通り。サスペンションだってハイドラクティブ。もはや文句ありません。それでいて値段も高くない。
ベースグレードとなる2リッターセダンの価格表を見たら、399万円だって。全長4795mm×全幅1860mmというボディサイズは完全にヨーロッパのEセグメントに属す。BMW5シリーズやベンツEクラスとガチのクラス。
加えて装備内容も充実している。基本的にフル装備で、ライバルなら上級グレードにしか付かないバイキセノンライト(ロービーム&ハイビーム共にHID)や超音波式パーキングアシスト、ハーフレザーシートまで標準。こら相当なお買い得価格だ。
シトロエン風味満点! クラスを超えた乗り心地に満足
乗るとどうか? 400万円で買える輸入車と思えないほど上質だったりして。例のハイドラクティブサスは大きくウネる路面を通過した時の挙動など「空飛ぶ絨毯のような乗り心地」と賞された古き佳き時代のシトロエンの雰囲気を残す。
ソフトな乗り心地の割にコーナーでハンドル切った時のロール感が少ないのもハイドラクティブ特有の挙動である。フランス車に共通する「座り心地の良いシート」と合わせ、もはや苦しゅうない感じ。ロングドライブなど余裕だ。
パワフルな3リッターV6エンジン車も選べるけれど、走りは2リッター4気筒で何ら不満無し。というかアンダーパワー気味のクルマこそシトロエンの面白さだと思う。パワフルなクルマに乗りたいなら、素直にドイツ車を選ぶべき。
ちなみに2リッターのATは4速タイプ(V6は6速タイプ)。時代遅れだと考えるだろうが、ロックアップを上手に使う絶妙のセッティング。流れの良い郊外の道だけでなく、都内の渋滞を走っても全く不満のないレベルに仕上がっている。
以上。400万円くらいの予算で4ドア車を考えているなら、ぜひともC5もショッピングリストに加えたらいい。「最近クルマがツマらない」と思っている人にピッタリかと。百聞は一見にしかず。週末にでも試乗してみて欲しい。