"クルマ"ではなく"パーソナル移動支援ロボット"
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トヨタはパーソナルモビリティについて相当に真剣に考えているようで、現在メガウェブで体験試乗会を開催中のi-REALに続き、今回はウイングレットという移動補助ロボットの発表・試乗会を開催した。
真上から見ると、人間と同じくらいの占有スペースの台の中にインホイール小型駆動ユニットを組み込み、その上に乗った人間の体重移動によって前後に進むもの。その場で回転する小回り機能も備えている。小さくて軽くて持ち運べる移動体だ。トヨタではこれを乗り物とは呼ばずに移動支援ロボットと呼んでいる。
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Type SとType M。インホイール小型駆動ユニットが肩幅ほどのサイズに納まるというから驚きだ。
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狭いところでの転回も可能で日常での様々なシーンでの活用が想定される。
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簡単に折り畳んで持ち運べるから、気軽に買い物先や旅先へ持って行き使用することも出来る。
誰でもカンタンに乗りこなせる!
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実際に試乗した印象は、まず最初にウイングレットに乗ってバランスをとって立つのが少し難しいが、これはすぐに慣れる感じ。自転車に乗ることを考えたら、格段に簡単に乗れるようになる。
最初はへっぴり腰で覚束ない感じの走りだったが、10分くらい乗っているとすいすい走れるようになった。今回は15分×2回の試乗機会が得られたが、乗っているうちに最後には速すぎると叱られるほどになった。
ウイングレットは通常は時速6�程度の速度で移動できる。これは人間が早足で歩く程度の速さだ。今回は限られたスペースでの試乗ということもあって、もう少し低めの速度が設定されていたので、すぐにその速度にまで達してしまったわけ。
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空港や商業施設で実用実験を実施
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ウイングレットには、腰までの高さのレバーのあるタイプL、膝までのタイプM、ほとんど台だというという感じのタイプSの3種類の仕様が用意されている。タイプMやSなら、両手が自由になるというメリットもある。
重心を移動することで簡単に左右にカーブを切って走ることができるから、広い場所で移動するのに適当な道具になりそう。
現状では、原付バイクと同じ扱いになってしまうため、公道を走らせるには免許とヘルメットの着用が必要とされる。トヨタでは、セントレア中部国際空港やラグーナ蒲郡、トレッサ横浜など、限られた大規模空間での実証実験・評価を重ねた上で、社会的なコンセンサスを得て実用化を目指したいとのこと。
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現在の仕様では、乗ってバランスを取るには健常者でないと無理なので、身体障害者など交通弱者の歩行支援にはつかえない。このあたりはi-REALとはやや異なる感じだ。空港などの大きな空間でも、健常者なら歩けるのだから、どれだけの必要性が生じるかが分かりにくい。またこのような道具に頼りすぎると、人間がますます歩かなくなって足が衰えてしまうのではないかという懸念もある。
乗っているとけっこう楽しい乗り物ではあったが、いろいろと複雑な感慨を持たされたのがウイングレットでもあった。どのような形で社会に定着していくことができるのか、しばらく注目する必要がありそうだ。
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最大登坂能力は20度。倒立2輪制御により、登坂時にもちゃんと水平を保たれている点にも注目。
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運転は極めてカンタン。重心移動で、左右の旋回や前後操作が自在に行えるのだ。
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ウィングレットを使って、スケートのような自由演技やスピード競技を行うのも楽しそうだ。
車名・グレード | トヨタ ウィングレット Type L |
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 265x464x1130mm |
車両重量[kg] | 12.3kg |
最高巡航速度[km/h] | 6km/h |
旋回半径[m] | 0〜(その場で旋回可能) |
航続距離[km] | 10km |
充電時間 | 1時間(満充電) |
実用化の時期 | 2010年代(前半)※目標 |
レポート | 松下 宏 |