Apple「iPod classic」

自分だけの音楽ライブラリがそのままクルマで聴ける!

手のひらサイズに収まる Apple「iPod classic」

 今さら言うまでもなく、カーオーディオはクルマに欠かせないアイテムだ。ラジオからカセットプレーヤー、そしてここ20年でデジタルメディアを使用したCD・MDプレーヤーへと進化を遂げてきた。しかし、自宅のライブラリーの中からお気に入りのカセット、CDやMDといった各メディアを厳選して車内にドサっと持ち込み、アルバム1枚1時間弱の演奏が終わるたびにメディアを入れ替える・・・メディア自体がデジタル化、小型化していっても、その手間はどれも大して変わらなかった。CDの6枚連続演奏が可能な6連装CDチェンジャーの登場は、当時としてはとても革新的だった。
 そんな状況を、iPodは一晩でガラッと180度塗り替えてしまった。アルバム何百枚分、数万曲が入った手のひらサイズのプレーヤー、すなわち我が家のライブラリーそのものをそのまま丸ごとコンパクトに持ち出せるというのだから。これがクルマに載れば、夢のようなカーオーディオになることは誰の目にも明らかだった!

Apple「iPod touch」
最新モデル「iPod touch(アイポッド・タッチ)」。ワイドスクリーンディスプレイを指でなぞるだけで音楽やビデオをセレクト出来る。Wi-Fi(ワイファイ)ワイヤレスネットワークとブラウザ"Safari(サファリ)"を用いて、インターネットを見ることも可能だ。
Apple「iPod classic」
初代以来のデザインモチーフを継承する、その名も「iPod classic(アイポッド・クラシック)」。80GBタイプと160GBタイプがあり、後者の場合楽曲なら最大40000曲、ビデオなら最大200時間分を保存可能な大容量を誇る。
Apple「iPod shffle」
最も小さい「iPod shffle(アイポッド・シャッフル)」。体積約8立方cm、重量約15.5gと超小型軽量だ。しかも2GBタイプで7800円、1GBタイプはなんと5800円とシリーズ中最も手軽に購入可能である(※08年2月19日現在)。

ライバルメーカーも無視出来なくなった!? iPodとカーオーディオ、その"深化"の過程

 クルマとiPodの関係が深まってゆくのは、もはや偶然ではなく必然。実際、カーオーディオ対応の動きは早かった。初代モデルが出て早々に、FMトランスミッター(FM電波を用いて曲を飛ばす仕組み)がアフターマーケットから登場。続いてiPod第三世代以降で共通となるDockコネクタ対応の機種も売り出された。同時期、各国の自動車メーカーからはAUXジャックによる接続対応が続々とスタート。05年頃からは電源供給と音楽の取り込みがいっぺんに出来るDockコネクタに対応したiPod対応カーオーディオが、国内外の各オーディオメーカーより発売され、これが自動車メーカーへの純正採用へと広がりをみせている。

純正オーディオにAUX接続
AUX接続による方式は、既に多くの自動車メーカーが純正で採用している。写真はフォルクスワーゲン純正オーディオの例。センターコンソール内に電源と接続端子が用意される。
FMトランスミッタータイプの最新モデル「Belkin(ベルキン) TuneBase FM II」
FMトランスミッタータイプの最新モデル「Belkin(ベルキン) TuneBase FM II」。オールインワンタイプでシンプルな構成。最適な周波数が自動的にセッティングされるのがうれしい。
FMトランスミッタータイプ
FMトランスミッタータイプ内蔵タイプの中でも、シガーライターから直接フレキシブルアームが伸びてDockコネクタで接続させるオールインワンタイプに人気が集まる。

 その後もさらなる音質や操作性の向上が図られ、気付けばカーオーディオ・ナビの中心には「iPod」が君臨する状況となった。新型車のセールスポイントに”iPod対応”の文字が躍らないクルマを探すのが難しくなってきているほどだ。アフターマーケット向けの市販カーナビ・オーディオなども、本来ライバルと言っても良いiPodとの連携を真剣に対応するようになった。単に接続可能とうたっていた頃から進化して、ジョグダイヤルを用いてiPod同様の曲名・アーティスト名表示がされるものも登場。さらにiPodの動画映像まで表示可能な機種も現れている。

レポート
徳田 透(CORISM編集部)
PHOTO
Apple/CORISM編集部