ジャガーからSタイプの後継モデルとなる新型車としてXFが登場した。このXFはコンセプトモデルの段階から相当に意欲的なモデルとされてきたが、実際に市販されたモデルも際立って印象的なモデルになった。フォード傘下からタタへの売却が決まったジャガーだが、クルマ作りに関しては引き続き意気軒昂という印象である。
外観デザインは相当にスタイリッシュだ。ジャガーはウィリアム・ライオンズの昔から“美しくて速いクルマ”を基本コンセプトに掲げているが、XFはまさにそのコンセプトを具現化した4ドアサルーンといえる。
ボディタイプは4ドアセダンだが、ぱっと見た感じはクーペに近い印象を受ける。XFでは前後のウインドーガラスの傾斜角がXKとほぼ同じに設定されているそうで、クーペに見えるのも当然かも知れない。
フロントのボンネットフードは低く抑えられているが、これは歩行者との衝突時にボンネットフードが浮き上がるディプロイアブルボンネットを採用したことで実現したもの。これを含めてほかにもいろいろとジャガーの最新の安全技術が盛り込まれている。
ヘッドライトやグリルなど、フロント回りのデザインも新しくなったが、グリルの形状などは1968年の初代XJをモチーフとしているし、丸型4灯式のヘッドライトはジャガーの伝統ともいえるもの。伝統を今に生かしたデザインである。リヤのトランクリッドにはジャガーの走る姿を表現したアイコンが使われているが、これはジャガー初採用とのこと。むしろリヤのほうがより新鮮だ。