クルマは外を走るものですから、常日頃さまざまな汚染物質にさらされています。一例として、酸性雨、太陽光線、ホコリ、樹液・・・などクルマの美化を損ねる要因だらけなのです。
いかに、新車の状態を維持できるかが、オーナーのまめなメンテナンスにかかってきますが、劣化が如実にあらわれるのが、梨地素材のウレタンバンパー、サイドミラーカバー、サイドモールなどがあげられます。最近では、これらの部位に塗装を施し“見栄え”を良くしたクルマが増えましたが、輸入車では「ぶつけても目立たない」といった精神から、小型車を中心にこのようなウレタン素材を採用しているクルマが未だに多く存在しています。
写真は、筆者の愛車の一部分。今年で12年を迎え、正規輸入では国内上陸一号車の「ルノー・トゥインゴ」ですが、ご覧のとおり、バンパーは梨地のチープシックなものを採用。しかし、どうです?バンパーには一点のくすみもありません。新車の時から劣化を抑止する為にまめなケアを敢行してきた結果であると自負しております。
すでに白濁してしまった素材を本来の自然な艶に取り戻すことは可能なのでしょうか?答えはYES!
では、早速作業に取り掛かることにしましょう!
- この記事の目次 CONTENTS
- 中性洗剤&超微粒子コンパウンドでスペシャル洗剤を作れ!
- ブラシで梨地につまった汚れを描き出すようにブラッシング!
- 専用コート剤を使い保護皮膜を形成
- 仕上げにブラッシングを行い溶剤を素材に浸透させる
- 自然な色合いと撥水性皮膜が形成
中性洗剤&超微粒子コンパウンドでスペシャル洗剤を作れ!
白濁してしまった梨地素材にいきなり保護ケミカルを塗布しても“ごまかし”にしかなりません。梨地の凸凹に詰まった汚れやワックスかす、劣化した素材を取り除き、下地を整える事から始めましょう。
そこで、効果絶大のスペシャル洗剤を作りましょう。一般家庭にある食器用洗剤小さじ一杯に液体の超微粒子コンパウンドを同量加えます。それを靴磨き用のブラシに取り泡立てます。(ブラシはスウェード用くらいの固さが理想です。)
ブラシで梨地につまった汚れを描き出すようにブラッシング!
力加減は、「ゴシゴシ」擦るのではなく、ブラシ本来の持つ弾力に任せ、「シャッ!シャッ!」という感じで、汚れを掻き出すように作業をすすめていきます。
食器用洗剤は、優れた泡立ちと表面活性剤の作用で汚れを浮き上がらせ、長年にわたり梨地に入り込んだ油汚れなどを除去。超微粒子のコンパウンドは、くすみや、しつこいワックスかす、劣化した素材などを除去し、スッキリすっぴん肌を取り戻してくれます。最後に十分すすぎを行い、洗剤やコンパウンドが素材に残らないように気をつけましょう。セーム革などで水分を拭き取れば下地処理は完了です。食器用洗剤&超微粒子コンパウンドの相互作用は効果絶大ですよ!
専用コート剤を使い保護皮膜を形成
樹脂素材の保護、艶出しに効果的なのがオートグリム社製「バンパー・ケア」
同社は英国王室ご用達品。
柔らかく伸縮性に優れたスポンジを用意。ジェル状の溶剤を少量取る。油性の為伸びのよさは特筆。
複雑に入り組んだ部分にも塗布ムラのないように丁寧に作業を行う。あくまで少量で十分な効果を発揮。
仕上げにブラッシングを行い溶剤を素材に浸透させる
樹脂素材には、水性シリコン主原料のスプレー式保護剤が一般的ですが、欠点は降雨に対する耐久性に乏しく、筋状の雨染みが残ることです。また、最近ではガラス状の皮膜が樹脂の凹凸に入り込み素材と結合することで、半年以上の耐久性を持つ製品もありますが、形成されたフィルム状皮膜が時間経過とともにポロポロ剥がれ落ち、かえって見栄えが悪くなったという事例も多々報告されています。
「バンパー・ケア」は油性のジェル状。少量で伸びがよく、耐久性に優れているのが特徴です。塗布後、しばらく素材に馴染ませてから、仕上げに靴磨き用のブラシを用いて、ブラッシングを行うことで、溶剤が素材に入り込み耐久性延長も期待できます。この方法は、水性シリコン主原料のスプレー式保護剤にも適応できますので、是非ともお試しあれ!
自然な色合いと撥水性皮膜が形成
丹念に下地処理を行い、梨地に詰まった汚れを除去し、専用コート剤をムラなく塗布すれば、降雨の後でもご覧のとおりの撥水作用で、汚れや汚染物質からしっかりガード。
新車を購入された方は、劣化を抑止する為にこまめなお手入れを。中古車を購入し、すでに白濁している場合は、上記の方法を敢行することで、樹脂素材の色合いが復活!クルマ全体が、ビシッ!と締まり、若返って見える事、間違いありませんよ!