ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

スポーティな雰囲気が漂うインテリアデザイン

インテリア回りの雰囲気はBMWの文法に則ってきっちりと仕上げられている。インパネの中央部分は運転席側にやや傾けてデザインされたドライバーオリエンテッドのデザインが採用されており、これは多くのBMW車に共通するものだ。
 その上部にはiDriveによってコントロールするカーナビが標準で装備される。見やすい位置に割と大きな液晶画面があるので、カーナビの視認性に不満はない。
 コンソール部分に設置されたiDriveのコントローラーは初期のものに比べると操作性が向上してきたが、オーナーならともかく我々のようにたまにBMWに試乗する立場の人間だと、操作のロジックを思い出すまでにやや時間がかかる。できれば、最初にボタンひとつでどの機能を選ぶかを操作できるようになると良いと思う。

コンパクトなボディながら想像以上の広さを実現した室内空間

後席の空間は想像する以上に広い。2ドア車なので乗り込むのにやや窮屈な感じになるが、中に入ってしまえば大人2人が普通に座れるくらいの広さがある。決して広々といった感じではないが、ヘッドクリアランス、ニースペースとも大人用の空間といえる。
 運転席のシートは本格的バケットタイプのもので、横方向のホールド性も十分。ワインディングなどをドライブするときにもしっかりと体を支えてくれ、運転姿勢が乱れることはない。

インテリアのデザインはハッチバックモデルと共通で、いかにもBMWといったデザイン。インパネがドライバー側に傾けられているなど、コックピット感覚が漂うスポーティな雰囲気が特徴だ。

ナビの画面は大きく見やすいが、操作系のiDriveは慣れを必要とする。ただスポーティなだけではなく、ウッドパネルで高級感もプラスしている。

ホワイトのレザーを採用したフロントシートは、スポーティなドライビングでもしっかりと体を包み込んでくれる。体によくなじむので長距離移動でも疲労感は少ない。

クーペモデルということもあり、乗り降りはやや窮屈な印象。だが乗り込んでしまえば想像以上の広さを確保しているので、大人でも十分に実用に耐える。

メーターはBMWのアイデンティティを感じさせるスポーティなもの。視認性もよく必要な情報を的確に知ることができる。

ミッションはATだけでなくMT(写真)もラインアップする。どちらも6速で、エンジンのパワーバンドを外さずにスポーティなドライビングを楽しむことができる。

ラゲッジスペースも十分な広さを確保している。トランクスルー機構も備えているので、長尺物の積み込みも容易だ。

代表グレード 135iクーペ(6速MT)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4370×1750×1410mm
車両重量[kg]1530kg
総排気量[cc]2979cc
最高出力[ps(kw)/rpm]306ps(225kw)/5800rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]40.8kg-m(400N・m)/5000rpm
ミッション6速MT
10・15モード燃焼[km/l]9.4km/l
定員[人]4人
税込価格[万円]538.0万円
発売日2008/2/26
レポート松下宏
写真和田清志