富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』開催概要を発表

チケット&ライドシステムを今年も継承

07年「F1 日本グランプリ」での不手際を詫びる加藤 裕明 富士スピードウェイ(株) 代表取締役社長

 富士スピードウェイは2月20日、08年10月10日(金)から12日(日)の3日間行われる『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』の開催概要を発表した。

 富士スピードウェイ全面改修工事後初めて行われた前回のF1 日本グランプリは、悪天候と重なったこともあり様々なトラブルが発生。多くの課題を残した。その件について加藤 裕明 富士スピードウェイ 代表取締役社長は記者会見の会場でまず深々と頭を下げた。
 寄せられた批判や提案などを受け、富士スピードウェイでは社内にF1事業本部を新設し体制を強化。2008年 F1 日本グランプリの開催において「安心で確実な交通アクセス」「楽しく快適な観戦環境」の2点の基本方針を掲げる。

2007年『FIA F1世界選手権 日本グランプリ』時での交通問題

富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』2007年計画段階
周辺の交通集中に配慮し「チケット&ライドシステム」で会場と近郊の駐車場・鉄道駅を結ぶシャトルバスの経路。「2007年 F1 日本GP」計画段階でのものだ。西ゲートと東ゲートを経由し、計3箇所のバス乗降場で観戦客をさばく計画とした。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 07年往路の実態
実際の「2007年 F1 日本GP」当日往路の状況。敷地内のバスコース上で路面の陥没事故が発生。渋滞が場外まで延び、バスのやりくりも混乱。予定外のバス待ちが発生し、決勝スタートに間に合わない観戦者が現れる事態となった。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 07年復路の実態
こちらは「2007年 F1 日本GP」当日復路の状況。雨天で帰宅客が集中。さらにバス配車の遅れなどで長時間に及ぶバス待ちが発生。明確なインフォメーションもない中、屋根もなく泥だらけの路面上で数時間も待たされる客で、富士は終日混乱をきたした。

 前回、入退場時に発生したシャトルバスの交通渋滞で大きく批判を浴びた「チケット&ライドシステム」は、周辺環境への配慮もあり今年も継続して実施される。最寄りの鉄道駅もしくは駐車場と会場の間を、専用シャトルバスでのみ移動出来る仕組みだが、今年はこれをバスを待機させる「留置き方式」へと変更する。
 また、大型スクリーンの設置や照明・放送機器など観戦設備の充実や、バス乗降場や歩道の路面整備、仮設トイレの適正配置、スタッフの増員・教育の徹底など、ハード・ソフトの両面からのカイゼンを図る。

 当日の来場者は決勝日11万人、3日間で22万人。昨年の決勝日の14万人に比べ集客を絞る目論見だ。なお観戦チケットは、富士スピードウェイの「抽選販売」と旅行会社による「先着順発売」(観戦チケットを含む旅行商品)の2種類を基本とする。前者は5月12日(月)よりインターネットと郵送で開始。後者は5月上旬より各旅行会社から発表される予定だ。

問い合わせ:『2008 F1世界選手権 日本グランプリ』専用コールセンター(富士スピードウェイ)

■フリーダイヤル:0120-337-268 ※平日10:00〜17:00

2008年『FIA F1世界選手権 日本グランプリ』のカイゼン点

富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 周辺地図
富士スピードウェイには、直接徒歩で向かえるような近くの鉄道駅はない。そのためクルマでのアクセスが集中されると予測。近隣に大きな駐車場を用意し、そこから先はシャトルバスのみが富士スピードウェイに向かえるような仕組みとした。周囲の鉄道駅からも同様のシャトルバスが運行される。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 交通アクセス
安心で確実な交通アクセスを目指し、昨年同様に「チケット&ライドシステム」を継続。なおバスは往路・復路ともに各1便とし、退場時必要なバスは場内もしくは周辺に待機させる「バス留置き方式」を今回から新たに採用し、雨天時でもバス内で待機出来るような配慮が加えられた。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 観戦席配置図
当日の観戦席配置図。来場者数の見直しにより、X印の3箇所は廃止・欠番となる。昨年、実際に着席すると走行するF1が観られないことからチケット払い戻しの事態になった仮設Cスタンド席は今回も設置。もちろん、今回は万全の体制で挑むのは当然。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 2008年復路(計画)
2008年復路の計画図。安心で確実な交通アクセスを目指し、交通集中を避けるような動線を設定する。留置き方式のため、到着したバスが再び往路に向かうため回送されることはない。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 2008年復路(計画)
コチラは2008年復路の計画。シャトルバスは昨年の1250台に対し400台ほど増やし1650台とする予定だ。さらにツアー専用バスも昨年同様に850台強を用意。このいずれかに乗らないと会場内にはアクセス出来ない仕組みだ。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 路盤面の改修
事故や交通集中などの不測の事態に備え、バスの予備ルートとして場内周回コース上に新たな道路舗装も行われる。また07年には悪天候でぬかるんでしまった未舗装の駐車場も舗装される。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 照明・スピーカーの増設
前回07年は来場者に満足なインフォメーションが出来なかったという反省点を受け、スピーカーの増設を実施。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 東1のりば付近の舗装整備
東1のりば付近の改修も行われる。昨年陥没したスロープ部もコンクリート舗装へ改良される(写真内左下囲み部)。
富士スピードウェイ『2008 FIA F1世界選手権 日本グランプリ』 歩道の新設・拡張・改良
場内の歩道も新設・拡張・改良が図られるほか、夜間でも安全に移動出来るよう07年は仮設だった照明箇所を常設とする工事も行われる。
冨田 務 富士スピードウェイ 代表取締役会長
冨田 務 富士スピードウェイ 代表取締役会長
加藤 裕明 富士スピードウェイ 代表取締役社長
加藤 裕明 富士スピードウェイ 代表取締役社長
高瀬 由紀夫 富士スピードウェイ 取締役副社長(F1事業本部長)
高瀬 由紀夫 富士スピードウェイ 取締役副社長(F1事業本部長)

( PHOTO:CORISM編集部・富士スピードウェイ/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

『2008 FIA F1世界選手権 フジテレビジョン 日本グランプリ』開催概要

開催日程
2008年10月10日(金)〜12日(日)
大会名称
2008 FIA F1世界選手権 フジテレビジョン 日本グランプリ
公認
国際自動車連盟(FIA)/社団法人 日本自動車連盟(JAF)
主催
【プロモーター】富士スピードウェイ/【オーガナイザー】富士モータースポーツクラブ(FMC)
大会メインスポンサー
フジテレビジョン
【大会組織】大会名誉総裁
石川 嘉延(静岡県知事)
【大会組織】大会名誉副総裁
高橋 宏(小山町長)/長田 開蔵(御殿場市長)/大橋 俊二(裾野市長)
【大会組織】大会名誉会長
田中 節夫(JAF会長)
【大会組織】大会会長
冨田 務(富士スピードウェイ代表取締役会長)
【大会組織】大会副会長
加藤 裕明(富士スピードウェイ代表取締役社長)
会場
富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町中日向694)
来場者数(見込み)
金曜日4万人、土曜日(予選)7万人、日曜(決勝)11万人、合計22万人