ホンダ 新型 インスパイア エクステリア

ガリバーズEYE

ユーザ視点に立ったガリバー独自の「安全基準」「環境・燃費基準」「経済性」という新たな評価軸を用いてクルマを評価いたします。

5代目は遂にV6 3.5リッターへと拡大

 先の東京モーターショーで参考出品されたホンダの上級セダン「インスパイア」がいよいよ正式に発売となった。当モデルで5代目となる新型は、ホンダの最上級モデル「レジェンド」に迫るV6 3.5リッターエンジンに拡大。レギュラーガソリン仕様ながら最高出力280psを実現。
 また先代モデルが採用した、片肺休止による3気筒燃焼への切換えを行うシステム「VCM」は、さらに4気筒での燃焼モードも加えられ、10.15モード燃費9.8km/Lをマークするなど、優れた燃費性能を発揮する。
 ボディサイズも大型化され、また低床化やロングホイールベース化などのパッケージングの見直しも図られたことで、先代モデルに比べゆとりの室内空間を確保した。

ホンダ 新型 インスパイア フロントマスク
ホンダ 新型 インスパイア  リアエンド
ホンダ 新型 インスパイア フロントグリル
ホンダ 新型 インスパイア エクステリア
ホンダ 新型 インスパイア リアビュー
ホンダ 新型 インスパイア 17インチアルミホイール

ボディ拡大やパッケージング見直しで圧倒的な広さを実現

 ボディサイズは、全長4940mm(+85mm※従来モデル比、以下同)、全幅1845mm(+25mm)、全高1745mm(+20mm)、ホイールベース2800mm(+60mm)と全体に拡大。レジェンドとほぼ同等(全長・全高はインスパイアのほうが大きい!)という、驚きのビッグボディとなった。
 さらに従来モデルに比べ15mmの低床化が図られるなどパッケージングの全面的な見直しも実施。後席のニースペースが35mm拡大するなど、圧倒的な室内空間の広さを確保した。

 基本的なフォルムは、割とコンサバな印象だ。堂々とした6角形フロントマスクが、いかにも上級車らしい存在感をアピール。サイドから見たキャビンのウィンドウグラフィック処理は、ちょっとBMW風でもある。
 しかしいっぽうで、まるでS2000のようにライト周りからフロントフェンダーにかけてのコーナー部を大胆にカット。さらにキャビン後方を絞り込むことでリアフェンダーのワイド感を強調したり、ウェッジシェイプを際立たせるキャラクターラインをサイドに配するなど、ディテール処理はスポーティな”ホンダらしさ”をアピールする。

ホンダ 新型 インスパイア 運転席周り
ホンダ 新型 インスパイア フロントシート
ホンダ 新型 インスパイア リアシート
ホンダ 新型 インスパイア インパネ周り
ホンダ 新型 インスパイア 本革シート(フロント)
ホンダ 新型 インスパイア 本革シート(リア)

素材選びにこだわりをみせるモダンでシックなインテリア

 ボディサイズの拡大やパッケージングの見直しに加え、インテリアにおいても視覚的な開放感を意識したデザインを採用する。インパネは、大画面8インチのワイド画面ディスプレイや大きなセンタークラスターを中心に、左右へ弧を描くように広がりを持たせた。
 インテリアカラーは、黒基調に茶系統の色見を組み合わせた。また抑え気味の色調を採用した木目調パネルやヘアライン仕上げの金属調パネルなど、吟味した素材を組み合わることで、モダンさとシックさを併せ持つ新鮮なインテリアとした。
 フロントシートは運転席8ウェイ、助手席4ウェイのパワーシートを採用。オプションでレザーインテリアも設定される。

ホンダ 新型 インスパイア エンジン
ホンダ 新型 インスパイア 「VCM」
ホンダ 新型 インスパイア 電子制御5速AT

4気筒モードも加わった進化版可変シリンダーシステム「VCM」

 新開発のi-VTECエンジンは、従来型のV6 3.0リッターから3.5リッターに拡大。レギュラーガソリン仕様ながら最高出力280ps(206kW)/6200rpm、最大トルク34.9kg-m(342N・m)/5000rpmを発揮する。
 また先代で採用され話題を呼んだ気筒休止システム、可変シリンダー「VCM」は、従来の6気筒・3気筒切換えに加え、4気筒走行モードも加えられた。発進・加速時や登坂時などには6気筒、高速クルーズ時には片バンクを休止させた3気筒(1.75リッター)、高速域での緩加速時には4気筒(2.33リッター)と切り換えることで、さらなる実用燃費の向上を図った。10.15モード燃費は9.8km/Lをマークする。
 いっぽう、エンジン振動を抑えるアクティブコントロールエンジンマウントや、室内のこもり音を打ち消すアクティブノイズコントロールなどの採用により、気筒休止時の振動・騒音の低減化にも抜かりはない。
 組み合わされるのは電子制御5速AT。4-5速ギア間をクロスレシオ化することで、VCM作動時(気筒休止時)の広範囲な走行を可能とし、加速の力強さと低燃費を両立させる。


 サスペンションはフロント:ダブルウイッシュボーン式、リア:マルチリンク・ダブルウイッシュボーン式。「VGR(可変ステアリングギアレシオ)」を採用し、ロック・トゥ・ロックを約2.5回転に設定。ボディの大型化に対応した取り回し性を確保する。
 ABSやTCSに横滑り抑制機能を加えた車両挙動安定化制御システム「VSA」は全車標準装備。さらに、ミリ派レーダーを用いた「追突軽減ブレーキ(CMBS)」と、追突時の被害を軽減する「運転席/助手席E-プリテンショナー」、車速/車間制御機能「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」も上位グレードに標準装備される。

ホンダ 新型 インスパイア プログレッシブコマンダー
ホンダ 新型 インスパイア Hondaインターナビシステム
ホンダ 新型 インスパイア チルトアップ機構付電動スモークドガラス・サンルーフ

GPSで日射の向きに合わせエアコンを制御!

 このほかにも、上級モデルらしく最新の装備が設定される。ホンダ自慢の「Hondaインターナビシステム」は、最新のコントローラ、プログレッシブコマンダーと組み合わされる。40GBのHDDナビを映し出すディスプレイは大画面8インチワイドタイプ。DVDビデオ再生機能や、サウンドコンテナ機能、さらにUSB接続によるデジタルオーディオやワンセグ(地デジ)にも対応する。またBluetooth対応により、携帯電話のワイヤレス接続も可能となった。
 エアコンについても、左右独立の温度調整機能に加え、なんとGPS制御による偏日射コントロール機能で、左右の温度や風量を制御する最新の「インテリジェント・デュアル・フルオートエアコンディショナー」が設定される。また後席専用のリアベンチレーションや電動リアサンシェイドは全車標準装備となっている。
 このほか、イモビライザー機能付き「Hondaスマートキーシステム」や助手席ドアミラーのリバース連動機能などは標準装備だ。

 グレード構成は2タイプ。標準タイプの「35TL」は330.0万円。安全装備などが充実した上級グレード「35iL」は390.0万円となっている。

ホンダ 新型 インスパイア モデューロ製エアロ(オプション)
ホンダ 新型 インスパイア モデューロ製エアロ(オプション)
ホンダ 新型 インスパイア モデューロ製アルミ(オプション)
ホンダ 新型 インスパイア フロントビュー
ホンダ 新型 インスパイア リアビュー

( PHOTO:和田 清志・CORISM編集部/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

代表グレード
3.5iL(FF)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4940x1845x1475mm
車両重量[kg]
1610kg
総排気量[cc]
3471cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
34.9kg-m(342N・m)/5000rpm
ミッション
電子制御5速AT
10・15モード燃焼[km/l]
9.8km/L
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
390.0万円
発売日
2007年12月21日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
和田 清志/CORISM編集部/ホンダ技研工業

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