サーブ 9-3スポーツエステート

居眠りや脇見運転の兆候時点での検知が可能

 サーブは、交通事故発生原因として最も多い居眠り運転と脇見運転を防止するための「ドライバー・アテンション・ウォーニング・システム」を開発している。同警報システムは、文字や音声によるメッセージ、運転席座面の振動など警告を組み合わせてドライバーに警告することにより、居眠り運転や脇見運転の危険性を減少させるというもの。
 この「ドライバー・アテンション・ウォーニング・システム」の特徴は、類似する他社のシステムとは異なり、車両の挙動が正常であるかを計測するだけではなく、居眠りや脇見運転の兆候があった時点で検知できる点にある。
 同システムには2台の小型赤外線カメラを使用。1台は運転席側のAピラーの根元付近、もう1台はインストルメントパネルの中央に設置され、ドライバーの目の動きを監視する。カメラの画像はコンピューターにより分析され、まぶたの開閉動作から居眠りの兆候が現れたり、前方不注意の傾向が検知されると、一連の警告を行う。
 また、赤外線カメラは、日夜、日照条件の違いにかかわらず、また、ドライバーが色の濃いサングラスなどを装着していても十分な性能を発揮する。

リアルライフ・セーフティ

 「ドライバー・アテンション・ウォーニング・システム」は、サーブの「リアルライフ・セーフティ」哲学の延長上にあり、想像上ではなく実際にハンドルを握って発生した事故を教訓として開発されたシステムだ。
 さらに、サーブ9-3スポーツエステートにも搭載した同システムは、スウェーデンのトロルハッタンに拠点を置くGME(GMヨーロッパ)エンジニアリングのヒューマン・ビークル・インテグレーションチームが開発中。また、同システムはインテリジェント・ビークル・セーフティ・システム(IVSS: Intelligent Vehicle Safety Systems)というスウェーデン政府が支援する開発プログラムの一環であり、スウェーデン道路交通研究所(VTI:National Road and Transport Research Institute)も開発に関与している。