ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

エンジンの特性の引き出すCVTによる軽快な走り

 パトリオットの基本コンポーネンツはクライスラーの5ドアハッチバック車であるキャリバーと共通。乗用車系のコンポーネンツを使ったライト感覚のSUVだ。
 搭載エンジンは直列4気筒2.4Lで、ダイムラー・クライスラーが三菱やヒュンダイと共同開発したもの。基本部分が共通でヘッド回りなどは個々のメーカーごとに独自設計にしているようだ。動力性能は170ps/22.4kg-mの動力性能を発揮する。SUVボディのパトリオットは車両重量が1530kg(スポーツ)と重いが、重さを感じさせないだけの動力性能を持ち、軽快な走りを可能とする。
 トランスミッションは日本のJATCO製のCVT2で、エンジンとCVTとの組み合わせもまずまず。キャリバーにも同じ組み合わせが採用されているが、パトリオットのほうがより自然な変速フィールが得られている。

悪路でも問題のない走破性を発揮する!

 乗用車系のSUVとはいえ、ジープブランドのモデルであるだけに、悪路走破性のレベルも高い。4WDシステムはフリーダムドライブI 4×4と呼ぶロックモード付きフルタイムアクティブ4×4。通常の走りはほとんどFF状態で、滑りやすい路面などで前輪がスリップすると電子制御カップリングが瞬時に後輪に駆動力を伝える仕組み。
 今回の試乗では伊豆の林道を走ってみたが、少々荒れた路面なら苦もなくこなしてくれた。積極的にオフロードに持ち出すようなクルマではないが、悪路を走るなら全く問題のない性能を備えている。

●お勧めグレード

 ベースグレードのスポーツには294万円の価格が設定され、上級グレードのリミテッドでも329.7万円という手頃な価格設定。
 グレード間には本革シートのほかプレミアムオーディオの有無などもあるので、少々高くてもリミテッドのほうが満足して乗れそう。絶対的な価格水準が安めなので、リミテッドを選ぶのが良いだろう。

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1500kg超の車重を感じさせないパワフルさを持つエンジン。想像以上に軽快な走りが味わえる。

17インチのアルミホイールが標準装備。オフロード4WDらしい力強いイメージだ。

オンロードから悪路まで、どんな路面でも快適に走ることができる。