正常進化を目指した200系
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日本ではイメージ出来ないかもしれないが、今やランドクルーザーは世界的な人気車である。過酷な使用条件下での圧倒的な信頼性と来たら、レンジローバーやベンツのゲレンデワーゲンを相手にしない。だからこそ9年8ヶ月の間、フルモデルチェンジしないで売れ続けたのだろう。とは言え10年も経てば技術も進む。安全や環境への対応も行わなければならない。果たして『ランドクルーザー200』はどんなクルマになったのか?
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まずインテリア。先代ランドクルーザーと同じく「SUVのレクサス」といった雰囲気。上級グレードとなる『AX“Gセレクション”』(540万円)には本革シートまで装備されており、高級車として使うことも十分可能である。室内空間も全長約5m×全幅2mというサイズを考えれば当然かもしれないが、かなり広い。SUVの場合「大して使えないのだから無くてもいい」という意見がよく出るケース3列目シートも、着座姿勢が体育座りのようになるものの十分実用に耐える。
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レンジローバーと勝負出来る完成度
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試乗といこう。先代モデルと基本的に同じ4.7リッターV8エンジンは(吸気側への連続可変バルブタイミング「VVT−i」の採用や圧縮比アップにより、53馬力増しの288馬力まで向上)、V8エンジンを積む高級車(例えばクラウン・マジェスタ)と遜色ないくらい静か&滑らか。「どこか遠くの方でエンジンが回っている」といったイメージ。静かで滑らかなだけではなく、パワーもキッチリ出ている。本格SUVとして考えれば動力性能に不満を感じることはまずないだろう。
ハンドリングもしっかりチェックしてみた。すると少し誇張した表現ながら「トヨタ車で一番楽しいかもしれない」と感じてしまうほど良好。もちろん車重が2.5トンもあるので軽快感は期待できないものの、攻め込むとスポーティカーのように姿勢のコントロールまで出来てしまう(姿勢制御装置VSCの介入タイミングも好ましい)。オンロードでも予想以上に運転を楽しめる。
一般道を走っていてただ1つ「惜しいな」と思ったのが乗り心地。耐久性を最優先したショックアブソーバーを使うトヨタ車に共通する弱点なのだけれど、道路の補修跡のような中くらいのギャップでドタバタ感が出てしまっている(道路の繋ぎ目等の小さな入力、大きなギャップに対しては上手に対応している)。良質なショックアブソーバーに換えるか、エアサスを使うなどすれば、「砂漠のロールスロイス」と呼ばれているレンジローバーと比較してもいい勝負になるだろう。
もう少し乗り心地が良くなればレンジローバーと比べても遜色ない本格SUVになる!
オフロード性能は大幅に進化!
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先代ランドクルーザーでユーザーから不満が多かったのは意外にも悪路走破性だったという(先代モデルからフロントサスペンションが独立懸架となったため)。その反省もあって新型ランドクルーザーではオフロード性能を大幅に強化したという。開発担当者の自信の表れか、試乗会でオフロード性能の高さも体験することができた。
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本格的なオフロードコースで非常に便利だったのが「クロールコントロール」(悪路やキツイ上り坂や下り坂で自動的にスピードをコントロールしてくれる。1km/3km/5kmと3段階ある)だ。写真のようなモーグルでも、クルマ側でアクセルとブレーキの操作をしてくれるので、ドライバーはとても楽。高価なクルマなので「気軽に」とは言いにくいが、誰でもオフロード走行を安全に楽しむことが出来るだろう
リアタイヤの角度にご注目、厳しいオフロードでも余裕を持ってクリアできる
written by 国沢光宏
ランドクルーザーのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和3年8月(2021年8月)〜現在
- 新車時価格
- 510.0万円〜800.0万円
ランドクルーザーの在庫が現在25件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。