【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF エクステリア

ライバルより幅広く、長く、スポーティに

 ジャガーは、新世代4ドアセダン「ジャガーXF」を世界で初めて公開した。
 XFは、メルセデスEやBMW5、アウディA6、レクサスGSなどの名立たる人気モデルが属するセグメントに投入される。ただしフォーマルな4ドアセダンのライバルモデルとは異なり、スポーツカーのようなスタイリングと革新的なインテリアを特長とし、「スペシャリティ4ドアクーペ」という独自のスタンスでライバルに対抗する構えだ。
 ジャガー XFのボディサイズは4961x1877x1460mm(全長x全幅x全高)、ホイールベース2909mm。同クラスの中でもやや大柄なアウディA6に比べても、全長で45mm、全幅で25mmさらに長く幅広い。

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【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF エクステリア
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF リアデザイン

回顧主義ではなく、精神だけを引き継ぐ

 ジャガーXFのエクステリアは、07年北米・デトロイトモーターショーに出品されたコンセプトモデ「C-XF」が表現する”未来のジャガーデザインの方向性”を具現したものだ。

 この7月に来日した「ジャガーC-XF」のエクステリアデザイナー、アダム・ハットン氏は、記者会見の席でC-XFについて『エレガントで古典的な英国らしさを好む従来のジャガーテイストとは、180度異なるアプローチに見えるが、実はその根底に流れる精神は歴代ジャガーの各モデルと変わるところはない』と語っていた。
 「マークII」や初代「XJ」といった往年の名モデルは、当時のライバル車に比べるとどれも4ドア・スポーツカーと呼べるスポーティなスタンス・プロポーションを取っていた。C-XFでは回顧主義的アプローチを取らず、その精神だけを引き継いでいるというのだ。そして、今回公開された新型 XFは、そのコンセプトを見事に昇華していると言って良いだろう。

 それにしても、4ドアクーペと呼ぶに相応しい大胆なフォルムだ。しかし同時に、フル5シーターとして必要な室内空間を犠牲にせずに実現したという。それは、リアに向かって高くなるワイドなウェストラインにカラクリがある。ロールーフに見せながら、実際には広い後席やトランクルームのスペースを実現しているのだ。
 さらにハイデッキとなったテール部のおかげで空力特性も優れたものとなっており、空気抵抗を表すCD値は、ジャガー車随一のわずか0.29を実現している。

【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー C-XF エクステリア
これがコンセプトカー「C-XF」。ジャガーの精神を現代流に昇華したものだ。
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー C-XF エクステリア
同じく「C-XF」のリアビュー。大胆なリアデッキのフォルムが魅力的だ。
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF エクステリア
「C-XF」のエクステリアデザイナー、アダム・ハットン氏

世界初「Jaguar Drive Selector」の革新性

 エクステリア以上に斬新なのが、「ジャガー XF」のインテリアだ。伝統的な天然ウッドと革を使用しながら、アルミのフィニッシャーを大胆にあしらうなど、非常にモダンで革新的なデザインを採用した。
 そして、伝統的なJ型シフトゲートも、新型XFでは大胆にもダイヤル式へと替えてしまった。
 その名は「Jaguar Drive Selector」。スタートボタンを始動させて初めてせり上がってくる、鋳造アロイ製のダイヤル式インターフェイスだ。指先のダイヤル操作でシフトが出来るシンプルな構造で、ステアリングホイールに取り付けられたパドルシフトによるマニュアル操作も可能となっている。
 また、XKで採用されたシフトバイワイヤー式によるトランスミッションコントロールはさらに進化。より素早くスムーズなシフトが可能だという。

 なおスタートボタンのONにより、カーナビ画面やエアコンのコントロールパネル、噴出し口なども同時に開く仕組みとなっており、エンジンオフ時は全ての開口部が閉じられる。ジャガー XFのインパネ周りは非常にシンプルなデザインだが、この一連のインターフェイスの採用や、珍しい青色照明などの演出により、今まで観たことのない斬新な雰囲気をかもし出すことに成功している。

【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF インテリア
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF 「ジャガー・ドライブ・セレクター」
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【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF トランク
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF インテリア

エンジンラインナップは4機種

 本国におけるエンジンラインナップは、V6 3.0リッター(最高出力238ps・175kW/6800rpm、最大トルク293Nm/4100rpm:表記以下同)、V8 4.2リッター NA(298ps・219kW/6000rpm、411Nm/4100rpm)、V8 4.2リッター スーパーチャージャー(416ps・306kW/6250rpm、560Nm/3500rpm)、V6 2.7リッターコモンレール式直噴ツインターボ付きディーゼル(207ps・152kW/4000rpm、435Nm/1900rpm)の4機種が用意され、全て6速オートマチックと組み合わされる模様だ。
 中でも最速仕様のV8 4.2 S/Cモデルは、0-100km/h加速5.4秒、最高速250km/hの俊足ぶりを誇る。
※エンジンスペック・数値はメーカー推定値

 欧州では既に予約注文の受付を始めており、08年3月以降の納車を予定しているという。価格や、日本市場への正式導入時期などについては今のところ未定だが、その姿は今秋の東京モーターショーでお披露目される模様。ぜひ楽しみにしたい。

【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF エンジン
【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF メカニズム
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【ジャガー 新型 XF 新車情報】ジャガー XF エクステリア
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( 写真:ジャガー/レポート:CORISM編集部 )

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タイプ
ジャガー XF 4.2 V8 スーパーチャージド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4961x1877x1460mm
車両重量[kg]
1842kg
エンジン形式
V型8気筒 4.2リッター スーパーチャージャー
総排気量[cc]
4196cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
416ps(306kW)/6250rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
560Nm/3500rpm
ミッション
6速オートマチック
定員[人]
5人
レポート
CORISM編集部 徳田 透